ハインリヒ・マン短篇集 全3巻 完結!       00年7月15日掲載

 

 私(三浦)の責任編集で、松籟社から刊行されていた『ハインリヒ・マン短篇集』全三巻が、このたび第3巻の刊行で完結いたしました。

 ハインリヒ・マンは、1871年生まれのドイツ作家。 一般には4歳年下の弟トーマス・マンの方が有名ですが、弟とは別に評価されるべき存在です。

 日本では、若干の長篇小説やエッセイを除くと翻訳が出ておらず、紹介が遅れていました。

 そこで、比較的とっつきやすく、また彼の作家としての特性がよく出ている短篇小説を紹介しよう、と私は考えたのです。

 ハインリヒ・マンは短篇小説を数多く書いており、原書の全集版では3巻が短篇用に充てられ、総ページは1500弱、作品数にして70あまりになります(習作を含む)。 これを全部邦訳することは、手間と金銭的負担が大きすぎて不可能ですが、出来のいいものを選んで出すことなら可能だろう、と思いました。

 そして、原書で約600ページ分、24の短篇小説を紹介することになりました。

 松籟社、そして共訳者の方々の協力で完結にこぎ着けることができ、感無量と言ったところです。

 蛇足かも知れませんが、最近の「大学改革」は、20歳前後の学生にウケがいいものを前面に押し出して進められる傾向があり、こうした地道な紹介や研究は軽視されがちです。 何よりそういう動きに迎合する大学教師が少なからずおり、また「大学改革」ではそういう人間がしゃしゃり出る、という構図があります。

 学問とは、一見するとすぐには役立たないものを少しずつ解明・紹介することによってなされるものです。 土建国家ニッポンを脱するためには、そういう認識が必要だと、ここで改めて強調しておきたいと思います。 

内 容   (松籟社刊)

 第1巻 (初期篇) 三浦 淳 訳  275ページ、2800円(税別)

  「奇蹟」、「宝石」、「伯爵令嬢」、「幻滅」、「無花果城塞の物語」、「逢びき」、「寄る辺なし」、「思い出」

 第2巻 (中期篇) 三浦淳、原口健治、日臺なおみ、田村久男 訳   350ページ、3400円(税別)

  「ピッポ・スパーノ」、「フルヴィア」、「門の外へ」、「女優」、「知られざる者」、「引退」、「ムネー」、「ジネーヴラ・デッリ・アミエーリ」

 第3巻 (後期篇) 三浦淳、小川一治、杉村涼子、田村久男、岡本亮子 訳  340ページ、3400円(税別)

  「グレートヒェン」、「罪なき女」、「ハデスからの帰還」、「裏切り者たち」、「死せる女」、「コーベス」、「フェリーツィタス」、「子供」

                                        

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