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  2013年11月3日更新 「著書」 に 『夢のようにはかない女の肖像 ドイツ文学の中の女たち』 を、「論文」 に   「シュトルムの小説と大学(その1) ――『グリースフース年代記』 について」 を、「論文以外の文章」 に 「新潟ドイツ映画祭に寄せて 多様性の一端触れて」 を追加、また数年前に書いた論文 「新潟大学における語学教育『改革』の実態 ―ドイツ語教師の転向を中心に―」 を当サイト上にアップしました

  

 

目次 : 前口上 / 著書/ 翻訳/ 論文/ 論文以外の文章

 

【前口上】

 大学生・大学院生時代を通じてドイツ文学を専攻したので、私の本職はあくまでドイツ文学者である。

 もっとも最近の大学改革で、担当する授業は必ずしも本職そのものではなく、余技 (?) を活かしたものも増えているのではあるが。

  狭い領域にこもらず思考の幅を広げるという意味では、最近のそうした傾向も悪くはないが、間違ってはいけないのは、狭い領域の仕事をこなす専門家がいるからこそ脱領域的な仕事もなされるということだ。

 例えば、ニーチェを翻訳で読んで引用しても構わない。 原文で読まなければニーチェが分からない、なんてことはない。 しかし、それはニーチェを原文で読んできちんと邦訳してくれる人がいることを前提にしての話である。

  そして正確な訳業を支えているのは、ニーチェをどう解釈すべきかに関する長い研究の積み重ねである。 たとえ訳者は一人であっても、ドイツ本国や日本における多数の研究者の仕事が、その背後に存在しているのである。

 そのように地味な、しかし基礎的な仕事をバカにし、或いは他人任せにし、自分はその果実を利用するだけで当世風の言説をなすだけの人間は、学問のイロハが分かっていないと言われても仕方がないのだ。

 そういう人間は学者と言うに値しない。 言説の間を泳ぎ回るだけのクラゲである。

 地道で基礎的な 「本職」 にも従事しているということ、これが研究者の第一条件である。

 ここではまず、私の 「本職」 の中から著書と翻訳と論文を、そして最後に必ずしも本職そのものとはかぎらない 「論文以外の文章」 を紹介しよう。

 

【著書】

『〈女〉で読むドイツ文学』(新潟日報事業社、2003年、¥1000+税)  
   

商品の詳細 

『若きマン兄弟の確執』(知泉書館、2006年、¥5800+税)

http://www.junkudo.co.jp/detail2.jsp?ID=0106617799 

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901654691/qid=1144809904/sr=1-9/ref=sr_1_10_9/249-4198376-6293114 

商品の詳細

 

『鯨とイルカの文化政治学』(洋泉社、2009年、¥2800+税)

http://www.yosensha.co.jp/book/b51435.html 

商品の詳細

 

『夢のようにはかない女の肖像 ドイツ文学の中の女たち』(同学社、2013年、¥1500+税)

http://www.dogakusha.co.jp/2doitugoippansyo.html 

  ドイツの文学作品の中に登場する女性像を紹介・分析した本です。 専門家向けではなく、一般の文学愛好家のために書きました。 価格も低めに抑えましたので、どうか店頭でごらんになり、お気に召したら購入してください。 以下に章立てを記しておきます。

 心の貞節と体の貞節: レッシングの『エミーリア・ガロッティ』
 女が三角関係を維持するとき: ゲーテの『若きウェルテルの悩み』
 不倫と貞節の狭間で: クライストの『アンフィトリュオン』
 恋と増悪は紙一重: ヘッベルの『ユーディト』
 娘にとって母の存在とは: シュトルムの『みずうみ』
 女にとって美貌とは: ゲーテの『ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン』
 悪女とお嬢様の対決: レッシングの『ミス・サラ・サンプソン』
 女が芸術家と市民の間で悩むとき: グリルパルツァーの『サッフォー』
 マゾヒズムの語源となった作家: ザッハー=マゾッホの『公妃ライェフスカ』
 夢のようにはかない女の肖像(その1): シュトルムの『告白』
 夢のようにはかない女の肖像(その2): ハインリヒ・マンの『奇蹟』
 都合のいい女と悪い女: シュテファン・ツヴァイクの二つの短篇
 若い叔母という微妙な存在: リルケの『マルテの手記』
 少女の原像: ヨーゼフ・ロートの『酔いどれ聖者の伝説』
 女が同性愛に走るとき: バッハマンの『ゴモラへの一歩』
 精神的なスワッピングの構図: ゲーテの『親和力』  

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【翻訳】

 大学では翻訳は正式の仕事としてはあまり評価されていない。 昇任人事(准教授が教授になるとかいうアレです)の時には、評価の対象となるのは主として論文であり、翻訳はないよりはマシという程度の扱いである。

 しかし、これはおかしいと思う。 しかるべき内容の本をきちんとした日本語で紹介するのも立派な仕事ではなかろうか。

 無論、論文もそうだが、出せばいいとか数をこなせばいいというものではない。 それが紹介に値する本であるか、誤訳がないか、読みやすい日本語になっているか、なども重要なポイントである。

 文系学者の論文は、一般の人たちに読まれる可能性がほとんどないのはともかくとして、実は専門家に読まれる可能性もそう高いとは言えないのである。 それに対して、市販の翻訳は多くの人たちの目に触れる機会を持っている。

 私の手がけた翻訳は、点数は少ないが、読んでいただく価値のあるものばかりだと自負している。

 

 《1》J.J.バッハオーフェン著 『母権論』 三元社 1992年7月発行 285ページ          3107円(税別)

 新潟大学の同僚である佐藤信行、佐々木充、桑原聡氏と共訳。古代に母権制社会があったと提唱した異端学者の主著。 原書は1千ページに及ぶ大著で、これは最初の7分の1ほどを訳したものだが、これだけでも著者の基本的な考え方は十分把握できる。 この書物には他にも邦訳が出ているが、訳の正確さと注の親切さは当訳が一番である。

 

 《2》ヴィクトル・マン著 『マン家の肖像−われら五人』 同学社 1992年10月発行     471ページ 4000円(税別)

 単独訳。 ドイツの作家トーマス・マンの実弟ヴィクトルが書いた回想録の全訳である。 トーマス・マンややはり作家であった長兄ハインリヒ・マンにまつわるエピソード、マン家の家庭内の実状、19世紀末から第二次大戦に至るまでのドイツ国内の事情などが、要を得た筆致で興味深く綴られていく。 著名作家のことを知るためというのではなくとも、読んで面白い本であることは請け合います。

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 《3》ハインリヒ・マン著 『奇蹟 (ハインリヒ・マン短篇集 第1巻・初期篇)』 松籟社   1998年6月 275ページ 2800円(税別)

 単独訳。 日本ではトーマス・マンは有名だが、その兄ハインリヒ・マンは余り翻訳も出ておらず、知名度で劣っている。 しかしドイツ本国ではハインリヒ・マンも名を知られた作家なのだ。 その短篇小説の代表作を紹介する3巻本の邦訳が、私により企画され、出版の運びとなった。 これはその第1巻で、若い頃のハインリヒ・マンが書いた、『奇蹟』 『宝石』 『伯爵令嬢』 『幻滅』 『無花果城砦の物語』 『逢いびき』 『寄る辺なし』 『思い出』 の8篇を収録。

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 《4》ハインリヒ・マン著 『ピッポ・スパーノ (ハインリヒ・マン短篇集 第2巻・中期篇)』   松籟社 1999年6月  350ページ  3400円(税別)

 ドイツ文学者の原口健治 (青山学院大)、日臺なおみ (茨城キリスト教大)、田村久男 (明治大) 氏と共訳。 Bに続くハインリヒ・マンの代表的短篇の集成で、30代の作品を収録してある。 『ピッポ・スパーノ』 『フルヴィア』 『門の外へ』 『女優』 『知られざる者』 『引退』 『ムネー』 『ジネーヴラ・デッリ・アミエーリ』 の8篇。

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 《5》ハインリヒ・マン著 『ハデスからの帰還 (ハインリヒ・マン短篇集 第3巻・後期篇)』  松籟社 2000年7月 340ページ 3400円(税別)

 『ハインリヒ・マン短篇集』 の完結篇。 ドイツ文学者の小川一治 (新潟大)、杉村涼子 (京都産業大)、田村久男 (明治大)、岡本亮子 (新潟大非常勤) との共訳。 『グレートヒェン』 『罪なき女』 『ハデスからの帰還』 『裏切り者たち』 『死せる女』 『コーベス』 『フェリーツィタス』 『子供』 の8篇。

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  『ハインリヒ・マン短篇集』全3巻完結! 詳細はここを! 

 

《6》シュトルム著 『シュトルム名作集 U』  三元社 2009年10月 420ページ 5000円(税別)

 19世紀ドイツを代表する小説家テーオドール・シュトルムの後期の傑作6篇を集めた作品集。 私(三浦)は最初の 『オーク屋敷』 を担当している。 そのほか、『市参事会員の息子たち』、『キルヒ父子』、『ドッペルゲンガー』、『告白』、『白馬の騎手』 が収録されている。 初期と中期の代表作を収録した第1巻と合わせて、シュトルムの傑作を網羅している。 なお詳しくはこちら(↓)を! 好評につき第3巻を追加刊行する話も出ている。

 http://www.sangensha.co.jp/ 

 

《7》シュトルム著 『シュトルム名作集 W』  三元社 2011年8月 450ページ 5200円(税別)

 シュトルムの作品集の第4巻。 ここには8篇の小説が収録されている。 私(三浦)は 『ヨーン・リーヴ』 を担当している。 そのほか、『レナーテ』、『森水喜遊館』、『ビール醸造業者の家で』、『顧問官』、『沈黙』、『ハーデルスレスフース砦の婚礼』、『桶屋のバッシュ』 が収められている。 また、巻末に深見茂・大阪市大名誉教授の論考 「シュトルム文学と社会批判」 が掲載されている。

 

《8》シュトルム著 『シュトルム名作集 X』  三元社 2012年1月 470ページ 5400円(税別)

 シュトルムの作品集の第5巻。 ここには12篇の小説が収録されている。 私(三浦)は 『グリースフース年代記』 を担当している。 シュトルムの小説としては最後の大作 『白馬の騎手』 に次ぐ長さを誇る作品である。 そのほか、『ヒンツェルマイアー』、『炉辺にて』、『豪農の館』、『片辺にて』、『ある画業』、『古の二人の甘党』、『今とむかし』、『森陰荘物語』、『左隣の家で』、『子供たちと猫について』、『むかし王女と王子あり』 が収録されている。 なお、これをもってシュトルムの小説はすべて訳出されたことになり、本名作集は事実上の 『シュトルム小説全集』 となった。 また、巻末に小畠泰氏による 「シュトルム小説散文邦訳作品リスト」 が掲載されており、明治以降の日本におけるシュトルム散文作品のあらゆる邦訳を知ることができる。

 

《9》シュトルム著 『シュトルム名作集 Y』 三元社 2013年2月 425ページ、5200円(税別)

 シュトルムの作品集の第6巻で、これでこの作品集は完結。 第5巻で小説については全集になっていたが、この6巻で詩についても全集となった。 この第6巻にはこれまでの巻に収録されていなかった詩全部と、メールヒェン、随想集、初期散文、構想と断片、評論、序文、自伝的散文、日記の一部などが収められている。 また詩の索引、および全6巻に収録されている作品の索引も巻末に付けられているので、非常に便利である。 私(三浦)は、初期散文の 『セレステ』、評論の 『テーオドール・フォンターネ』 を訳し、初期散文の解説を書いている。

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【論文】

 研究者の書く学術論文は、はっきり言って余り読まれていない。

 それにはいろいろ原因がある。 質の低い論文もあるから、というような芳しからぬ理由も否定はできない。

 しかしシニカルで俗受けするそうした理由付けだけでは、現況は説明しきれない。

 学界とマスコミ・出版界との通路がなさ過ぎることも原因の一つだと思う。

 学界での常識とマスコミでの常識がズレていて、後者の誤りがさっぱり訂正されない傾向がある、と井上章一は 『南蛮幻想』 (文芸春秋) の中で指摘していた。

 私の経験で言うと、学者を含め、マスコミに出た誤りを指摘しても、まともな反応が返ってくることはきわめて少ない。

 例えば、「トーマス・マンとクラウス・マンの兄弟作家は」 という高橋源一郎 (作家) の誤記や、「トーマス・マンはユダヤ人」 という上山安敏 (当時京大教授) の誤記、「トーマス・マンの母は夫の死後、再婚した」 という片岡啓治 (ドイツ文学者・哲学者) の誤記、等々を手紙や葉書で指摘してやったことがあるが、「間違いを指摘して下さってありがとうございました。 今後は気を付けます」 といった礼状は来なかった。

 「画家George Groszをジョージ・グロッシと表記していた翻訳があるが、ゲオルゲ・グロッスが正しいのでは」 と書いていた青山南 (翻訳家) に、「普通のドイツ語読みならゲオルゲ・グロスだが、George Groszの場合はジョージ・グロスと発音すべきなのだ」 と手紙で教えてやったけれど、やはり礼状は来なかった。

 しかし一方で、「 『ヴェニスに死す』 の末尾で美少年は死ぬ」 という小谷野敦の誤記を指摘したら、ちゃんと礼状が来たし、ロビン・ギルが著書の中で展開してる反捕鯨論を読者カードで批判したら、反論が届いた。 こういう人たちはエライ!

 が、礼状や反論をよこす人は、残念ながらあくまで少数派なのである。

 要するに、日本のマスコミ・出版界は、あまり知的ではないのだと思う。 それは、日本人全般があまり知的でないことに対応した現象であろう。

 先日の朝日新聞に、公立図書館が渡辺淳一の 『失楽園』 を何部も購入しているという記事が載っていた。 利用者から入れてくれという要望が強く、一部しか入れないと待ち時間が長くなるからだそうだが、これくらい現代日本人の知的レベルの低さとサモシサを露呈させた現象はなかろう。

 『失楽園』 を読むのが悪いとは言わない。 読みたければ、自分で買って読めばいいのだ。 ベストセラーを公立図書館でタダで読もうという根性がサモシイのである。

 またそうしたサモシイ一般大衆に迎合する公立図書館もダラシがない。

 一般大衆が全体として知的になることなどあり得ない、というのが私の持論である。 本当の知的エリート階級というのは、そもそもが階級社会でない日本ではなかなか確立されないだろうが、大衆迎合路線を排して新たなエリート階級の構築をはかるべく、心ある大学人は運動すべき時期に来ているのではなかろうか。

      *    *    *    *    *    *    *    *    *    *

 前置きが長くなったが、以下が私の書いた論文のリストである。

 自分で言うのもナンだが、私の論文は学術論文としてはわりに面白い方だと思っている。 といっても、ある程度ドイツ文学に興味があり知識もないと、読んでもよく分からないのは、当然のことであるが。

 希望の方は連絡をいただければ、いつでも抜き刷りかコピーをお送りします。 (《8》については抜き刷りがすでになく、また著書 『若きマン兄弟の確執』 の形でまとめられていますので、そちらをご覧下さい。)

 

《1》『ブッデンブローク家の人々』とトーマス・マン(その1、その2)    「東北ドイツ文学研究」 第21号 (1977年)、22号(1978年)所収                 

 修士論文を2度に分けて母校のドイツ文学研究誌に発表したもの。 トーマス・マンの第一長篇小説 『ブッデンブローク家の人々』 が、作者にとって他の作品と根本的に違った意味を持っていることを論じた。

《2》『魔の山』試論−−ハンス・カストルプとは何者か−−      「文化」第43巻1・2号(1979年)所収

 トーマス・マンの長篇『魔の山』を、主人公ハンス・カストルプのあり方を中心に論じた。

《3》鏡とインツェスト−−『ヴェルズングの血』について        「RUNEN」第16号(1983年)所収

 トーマス・マンの短篇『ヴェルズングの血』について論じた。

《4》トーマス・マンの『フリードリヒと大同盟』−−実現されたものと、されなかったものと−−   『小栗浩退官記念・ドイツ文学論集』(東洋出版社・1984年)所収

 恩師の退官記念論文集に載せたもの。 トーマス・マンが第一次大戦中に発表したエッセイを取り上げ、その魅力と作者にとっての意味について考察した。

《5》トーマス・マンの長篇小説におけるschlichtとschlau−−登場人物から語り手へ−−   「RUNEN」第20号(1987年)所収

 トーマス・マンが生涯にわたって書いたいくつもの長篇小説の本質的共通点とは何か。 それはschlichtとschlauという特性を兼ね備えた人物が登場し、しかもその人物が次第に語り手に転化していくことこそマンの小説がたどった重要な変化だ、と論じたもの。 自分でもわりに自信がある論文で、面白いと言ってくれた人も何人かいるのだけれど、肝心のトーマス・マン研究者は、ドイツ人学者の説を借りてくることが論文執筆の要件だと思い込んでいるせいか、ちゃんと評価してくれません。

《6》シュトルムの『管財人カルステン』について−−名前のこと、男女関係の構造のこと−−   「東北ドイツ文学研究」第31号(1987年)所収

 シュトルムの小説 『管財人カルステン』 について、主人公の名前が小説の構造と対応しているのではないか、そして男女関係の構造には神話的なものが見られるのではないか、と論じた。

《7》第二次大戦後のトーマス・マン受容への一視点−−Marcel Reich-Ranicki(hg.): "Was halten Sie von Thomas Mann?"の紹介をかねて−−  「新潟大学教養部研究紀要」第19集(1988年)所収

 学術論文ではなく報告という形で発表されたものだが、論文に準じる内容なので、ここで紹介する。 トーマス・マンというと一応20世紀ドイツを代表する作家の一人ということになっているが、ドイツ本国でその評価が首尾一貫して続いてきたわけではない。 特に70年前後の反体制運動盛んなりし頃は 「所詮はブルジョワ文士」 という政治的な評価も珍しくなかった。 ここではそうした政治的なマン評価の実態を見た上で、ドイツの著名な評論家ライヒ=ラニツキが編纂したマン評価に関する本を紹介し、内容を検討した。 また日本におけるマン紹介や評価のあり方も批判的に吟味した。 この文章は、読む人により毀誉褒貶の差が激しいようである。 が、はっきり言わせてもらうと、いつまでも 「民主主義者トーマス・マン万歳」 を唱えているようなドイツ文学者や、そういう思考形式でしか外国文学研究をやれないような人間は、退場してもらいたいものです。 残念ながら日本のドイツ文学者には退場してもらいたい人が比較的多いような気もするのですが。

《8》マン兄弟の確執−−1903年〜05年−−(その1〜その8)    「新潟大学教養部研究紀要」第22集(1991年)〜「新潟大学人文科学研究」第95輯(1997年)所収

 新潟大教養部の研究紀要に2回連載した後、教養部が解体してしまい、人文学部に所属替えとなって、そこの紀要に6回書いてようやく完結した論文。 これを東北大学に提出して博士論文とした。 ハインリヒ・マンとトーマス・マンの兄弟作家が1903年から翌年頃にかけてケンカをしているのだが、その理由はどこにあるか、またこの対立が彼らの作家としての営みとどう関わるのか、この確執が彼らの以後の文学にどう影響したかを詳細に論じたもの。 日本ではトーマス・マン研究に比してハインリヒ・マン研究が遅れているので、どちらかというとハインリヒ側に重きをおいてこの問題を検討している。 自信のあることでは《5》と並びます (博士論文にしたのだから当然だけど)。

《9》フローベールの逸話−−または作家と結婚(上)   「新潟大学人文科学研究」第96輯(1998年)所収

 フランスの大作家フローベールが晩年、姪にある言葉を語ったというエピソードを軸に、このエピソードが後世の作家に与えた影響を探る。 この「上」では三島由紀夫とトーマス・マンの場合を論じている。すぐ「下」も発表するつもりだったのに、色々あって遅れています。 すみません。

《10》可能性の小説としての『奇蹟』 −−初期ハインリヒ・マンのために−−   「マン家の家族史と物語芸術」(平成9〜11年度科研費基盤研究(c)(1)報告書)(2000年)所収

 本来なら 《9》 の続きを書くべきなのに、諸般の事情でこちらが先になってしまいました。 すみません。 ハインリヒ・マンの初期短篇の代表作『奇蹟』が同時代の絵画と類似した色彩・光の表現をしているのではないかと述べたもの。 まだ萌芽的な視点ではあるが、将来この方面の研究が拡大発展する可能性はあると思う。

《11》ハインリヒ・マンの『一時代を閲する』 ――知識人の末路とユートピア主義――     「ドイツ文学」第106号(2001年春)所収

 これまた、本来なら 《9》 の続きを書くはずだったのに、日本独文学会から同会機関誌が2001年春号に特集 「20世紀の記憶」 を組むのでと頼まれて、こちらを先に書いてしまいました。 すみません。 ハインリヒ・マンの 『一時代を閲する』 は彼が最晩年に書いたメモワールなんだけど、何というか、かなり内容的に単純かつ支離滅裂なんです。 70歳過ぎてモウロクしてたからなんだろうけど、この単純さと支離滅裂ぶりに 「知識人」 たらんとした彼の短所欠点が象徴的に表れているのじゃないか、というのが私の言いたいことなんですね。

《12》フローベールの逸話−−または作家と結婚(下)   「新潟大学人文科学研究」第108輯(2002年)所収

 長らくお待たせしました・・・・・って、誰も待ってなかったかな。 ともかく、《9》 の続編が4年ぶりに完成いたしました。 カフカ、太宰治、北村透谷、スティーヴンソン、ジュリアン・バーンズ、そしてフローベールその人を扱っております。

《13》第二外国語教育を壊滅から救い、新たな制度とイデオロギーを生み出すために   「新潟大学人文科学研究」 第114輯(2004年2月)所収

  この論文はタイトルをクリックするとお読みいただけます。

《14》 日本独文学会研究叢書32 (三浦 淳 編) 『ドイツ語・第二外国語教育の危機とドイツ語教師の姿勢』 (Die Krise des Deutschunterrichts und die Einstellung der DeutschlehrerInnen dazu)   日本独文学会発行、2005年4月

  三浦 淳   序文
  保阪 靖人  東京都立大学の現況 ― 地方自治体の大学への介入
  三浦 淳    新潟大学における語学教育「改革」の実態――ドイツ語教師の転向を中心に――
  小多田嘉宏  英語帝国主義に抵抗することによってのドイツ語教育の意義
  栗山 次郎  漂流する日本、漂流する大学、漂流する私
  石川 文也  大学改革の中のフランス語および関連科目の教育
  提言

  この 『ドイツ語・第二外国語教育の危機とドイツ語教師の姿勢』 はまだ多少残部がありますので、希望される方は三浦にお申し出下さればお届けいたします。

《15》 鯨イルカ・イデオロギーを考える (T) ――藤原英司の場合 (その1) ――     「新潟大学人文科学研究」 第117輯 (2005年9月) 所収

 以前、自前の雑誌 『nemo』 に連載していた 「反捕鯨の病理学」 の続編。 ここでは、早くから自然保護を訴えて反捕鯨運動にも関わりを持つ藤原氏が、世界的なベストセラーであるアダムソン夫人の 『野生のエルザ』 の訳者として言論界に登場した事実をふまえ、アダムソン夫人の持っていた思想上の傾向を分析しながら、藤原氏が彼女と類似した思考経路を持っていることを指摘した。

《16》 鯨イルカ・イデオロギーを考える(U) ――藤原英司の場合(その2)――  「新潟大学人文科学研究」 第119輯 (2006年11月) 所収

《17》 鯨イルカ・イデオロギーを考える(V)――ジャック・マイヨールの場合――  「新潟大学人文科学研究」 第121輯 (2007年10月) 所収

《18》 鯨イルカ・イデオロギーを考える(W)――ジョン・C・リリーの場合――  「新潟大学人文科学研究」 第122輯 (2008年7月) 所収

《19》 "Immensee"と"Eekenhof"に見るシュトルムの小説の構造 ―語られざるものと近親相姦―  (森本浩一・嶋崎啓・田村久男・里村和秋・斎藤成夫 編)『文学における不在 原研二先生追悼論文集』(2011年11月) 所収

《20》 シュトルムの小説と大学 (その1) ――『グリースフース年代記』について――  「新潟大学人文科学研究」 第133輯 (2013年10月) 所収

 

【論文以外の文章】

 

*映画「蝶の舌」 〔新潟日報2002年3月2日付け朝刊〕 (2002年3月4日掲載)

*『ウンラート教授』を発表した頃のハインリヒ・マン 〔劇団すばる『嘆きの天使』公演用パンフレット、2001年10〜11月〕 (2002年7月19日掲載)

*伊藤整 『若い詩人の肖像』 〔新潟日報2003年6月22日付け〕 (2004年5月19日掲載)

*『インメンゼー』に表れた母娘の関係 〔日本シュトルム協会会報第43号〕 (2004年5月19日掲載)

*書評: 池内紀(著)『カフカの生涯』(新書館、2004年) 〔北海道新聞2004年8月8日付け朝刊〕 (2005年1月3日掲載)

*「異質」 の集合から生まれるものは? ――注目したい 「日本におけるドイツ年」  〔新潟日報2005年4月13日付け朝刊〕 (2005年5月1日掲載)

*映画 『白バラの祈り』 に寄せて 〔新潟日報 2006年5月3日付け朝刊〕 (2006年5月6日掲載)

*書評: 酒井健 『死と生の遊び』(魁星出版、2006年) 〔新潟日報2006年10月22日付け朝刊〕 (2006年10月26日掲載)

*書評: 『嘆きの天使』の原作を完訳――ハインリヒ・マン(今井敦訳)『ウンラート教授』(松籟社、2007年) 〔産経新聞2007年12月2日付け朝刊〕 (2007年12月12日掲載)

*インタビュー: 「(水産資源持続&利用 クジラ編 連載06) 欧米主導の国際政治に酷似 価値観の影に差別」 〔日刊 水産経済新聞2008年5月15日付け第1面〕 

*書評: アクセル・ブラウンズ著(浅井晶子訳) 『ノック人とツルの森』(河出書房新社) 〔産経新聞2008年9月22日付け読書欄(第11面)〕

映画 『ベルリン・フィル 最高のハーモニーを求めて』 の紹介記事 「伝統背負い新しさ追求」 〔新潟日報2009年3月23日朝刊文化欄(第10面)〕

映画 『クララ・シューマン 愛の協奏曲』 の紹介記事 「現代女性への”応援歌”」 〔新潟日報2010年3月22日朝刊文化欄(第15面)〕

映画 『ザ・コーヴ』 の紹介記事 「観客の知性問う作品 根底に差別意識と傲慢さ」 〔新潟日報2010年8月3日朝刊文化欄(第15面)〕

シネ・ウインド 音楽映画特集紹介記事 「芸術家と家族関係に焦点」 〔新潟日報2011年6月21日朝刊文化欄(第23面)〕

書評: 大木充+西山教行(編)『マルチ言語宣言』(京都大学学術出版会) 〔京都大学大学院人間・環境学研究科(発行)『人環フォーラム 第30号』(2012年3月発行) 48ページ〕                          

* 映画 『命をつなぐバイオリン』 の紹介記事 「『命をつなぐバイオリン』 に寄せて 戦争に翻弄される悲しみ 東欧の少年少女 音楽を通じた友情」 〔新潟日報2013年3月15日朝刊文化欄(第26面)〕

エッセイ 「シュトルムと私」  〔日本シュトルム協会会報 第60号 (2013年5月)、32〜33ページ〕

新潟ドイツ映画祭についての紹介記事 「新潟ドイツ映画祭に寄せて 多様性の一端触れて」  〔新潟日報2013年10月9日文化面 (18面)〕

 

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