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 以下は、2010年3月22日に新潟日報に掲載された映画 『クララ・シューマン 愛の協奏曲』 の紹介記事である。

 

 現代女性への”応援歌”        三浦 淳

 『ドイツ・青ざめた母』 などで知られるドイツの女性映画監督ヘルマ・サン
ダース=ブラームスがクララ・シューマンを描いた映画を作った。

 ピアニストであるクララと作曲家である夫ロベルト・シューマンとの愛情物語
はよく知られている。 また、のちに大作曲家となるブラームスが若かった頃、そ
の才能を世に認めさせようとロベルトが努力したことや、ブラームスが十四歳年
上のクララに尊敬以上の感情を抱いていたらしいことも広く知られている。 こう
した背景があるので、この映画も多面的な見方が可能である。 (なお、監督自
身、姓からも分かるように、ブラームスの遠縁にあたる。)

 まず音楽映画として楽しめる。冒頭近くでクララは夫ロベルトのピアノ協奏曲
を演奏するし、最後ではブラームスの第一ピアノ協奏曲を演奏して締めくくって
いる。 他にもロベルト、ブラームス、そしてクララ自身の作品が取り上げられて
いるが、特にクララの作品は、近年女性作曲家の再評価が進んでいるので、その
意味からも興味深い。

 第二に、三角関係を描いた映画として見ることができる。 妻とブラームスの関
係を疑うロベルトの嫉妬、そして成熟した女性クララへの愛情を隠さない若いブ
ラームスの姿が、なかなかリアルに描かれている。

 第三に、この映画はクララの自己実現の物語でもある。 十九世紀という時代に
あって、女性への偏見をはねのけ音楽家たる自分の可能性を追求していくクラ
ラ。 ただし作中の彼女の活動にはフィクションも含まれているので、歴史的事実
というよりは現代女性への応援歌として見るべきかも知れない。

 第四に、そしてこの部分に私は最も惹かれたのであるが、音楽家たちの仕事ぶ
りや日常生活が入念に描かれている。冒頭、列車に乗ったシューマン夫妻はその
スピードに驚いている。 ドイツで鉄道が普及したのは十九世紀半ば、ちょうど夫
妻の活動時期にあたっていた。 それまでの馬車に比べ圧倒的に速度にまさる鉄道
網は遠い都市への演奏旅行を容易にしたが、それは従来より速いテンポでの仕事
を強いられることでもあった。 子沢山のシューマン家の様子や金銭面での苦労、
そして音楽家同士の人間関係の難しさも見逃されてはいない。 音楽は美しいが、
音楽家には普通の生活があり日常の労苦がつきまとう。 そんな当たり前のこと
を、しみじみと感じさせられる映画だと言えよう。

 

 

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