2005年度の私の授業

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 私の授業は、教養科目 (全学共通科目) だけでなく、人文学部向けの授業もあらゆる学部の学生に開かれています。 授業内容に興味のある学生は所属学部に関係なく歓迎しますので、どうぞ取りに来て下さい。 

 ただし 「同時限の自学部授業を取り損ねたので」 というような学生はお断りしておりますので、やる気を示すために1回目の授業から来ることを条件としています。

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第T期(4月〜9月)

(1)教養科目 (全学共通科目)

@西洋文学 L I (水1: 全学部全学年向け)

 ドイツの文学作品を読みながら,ドイツやヨーロッパの文化,文学作品の構造と読み方,現代日本との接点など,さまざまな問題を考えていきます。
 ここでは、20世紀前半に活躍した作家トーマス・マンの代表的な作品二つを取り上げます。
 ドイツおよび広くヨーロッパ一般の文学や芸術への理解を深めることを目標とします。

 [履修上の注意]
 出席はとりませんが,授業中の私語2回で聴講許可取消とします。 ドイツ語を履修している必要はありません。
 学務情報システムに登録しただけで教室に来ない学生には聴講許可は出しませんので,第1回目か遅くとも2回目の授業に顔を出してください。

 テクスト: トーマス・マン 『トニオ・クレーゲル、ヴェニスに死す』(新潮文庫)

 成績評価は、レポートによります。 レポートでは授業で学んだことを提示すると同時に、自分独自の意見を示すことが求められます。

 

(2)人文学部向け

Aテクスト文化基礎論 〔3年次以上: 芸術コミュニケーション基礎論T〕 (2年次以上向け: 火4)

 「音楽と文字テクスト」 をテーマとします。 音楽評論を読みながら、音楽と文字テクストの関わりを考え、あわせてクラシック音楽の素養を身につけることをめざします。

[履修上の注意] 人文学部以外の学生も歓迎しますが、第1回目の授業に出た者のみ聴講を許可します。 授業中の私語は減点の対象となります。

  授業では、音楽評論を読みながら、扱われている音楽、関連する音楽を聴いていきます。

 成績評価は、出席、および2回のレポートによる。

 テクスト: アファナシエフ 『音楽と文学の間』、サイード 『音楽のエラボレーション』、吉田秀和 『カイエ・ド・クリティク』 (すべてプリントして配布)

 

B文化コミュニケーション論基礎演習 A (2年次向け: 金2)

 テーマ: 「ナショナリズム」

 「ナショナリズム」 という言葉に皆さんはどんなイメージを持つでしょうか? 戦争? 右翼? しかし、もともとナショナリズムはフランス革命によって国民国家が成立するとともに生まれてきたので、「左翼」 と 「ナショナリズム」 は相性がよいはずなのです。

 ・・・・というような逆説を含めて、ナショナリズムの勉強をします。 小林よしのり・本宮ひろ志といったマンガ家から、司馬遼太郎などの作家、村上泰亮などの学者にいたるまで、さまざまな人物が扱われる予定です。

 授業では、まずレポーターがテクストについて内容要約と問題提起を行い、それを受けて全員で議論します。 出席者全員があらかじめ決められた分量を読んでくる必要があります。

 教科書: 浅羽通明『ナショナリズム』(ちくま新書)、 その他必要に応じてプリントを配布。

 評価は、出席、授業中の発言の頻度と内容、レポーターとしての有能さ、最終レポートにより決定。

 

C文化コミュニケーション論演習T (3年次以上向け: 火2)

 「世界の大学」 をテーマとします。

 「大学改革」 が叫ばれているのは日本だけではありません。 主要先進国の大学制度は日本とどう違っているのか、最近どんな変化が生まれているのかを勉強しながら、教育制度の背景にある各国の文化の相違を勉強し、あわせて今高等教育に求められているものは何なのか、大衆化社会といわれる状況と高等教育はどんな関わりをもっているのかを考えていきます。

 授業では、まずレポーターがテクストについて内容要約と問題提起を行い、それを受けて全員で議論します。 出席者全員があらかじめ決められた分量を読んでくる必要があります。

 とりあえずの教科書は、潮木守一『世界の大学危機』(中公新書)ですが、ほかに何冊か読む予定。

 評価は、出席、授業中の発言の頻度と内容、レポーターとしての有能さ、最終レポートにより決定。

 

(3)大学院現代社会文化研究科・前期課程向け

Dディスクール論特論 (月2)

 文学の中の一分野に、推理 (探偵) 小説とSFがあります。 いずれも 「純文学」 の立場からは娯楽の一種として片づけられがちですが、多くの人間に読まれ、またテレビドラマや映画やコミックなどへも多大な影響を与えています。 この授業では、推理小説およびSFを取り上げ、その歴史および時代との関わり、ジャンルとしての特質などを勉強します。

 授業では、毎回、使用テキストからレポーターが要約・問題提起を行い、それをもとに全員で議論します。

 評価は、授業での発言回数と内容、レポーターとしての仕事ぶり、最終レポートにより決定。

 [使用テキスト] 笠井潔(編著) 『SFとは何か』(NHKブックス)、ジャック・デュボア 『探偵小説あるいはモデルニテ』(法政大学出版局)、ほか

 

Eディスクール論演習 (木2)

 サイードの大著 『文化と帝国主義』 を精読します。

 19世紀から20世紀前半にかけての時代とは、英国やフランスをはじめとするヨーロッパ諸国がアジア・アフリカ諸国を植民地化した帝国主義の時代でした。 いっけん価値中立的に見える文化 (小説やオペラなど) も、実はこうした時代相と密接な関係を持っています。 その多様な関わりを知ることで、文化と歴史、文化と政治の関係を考えていきたいと思います。

 コンラッドやオースティンやフォースターといった英文学、ジッドやカミュといったフランス文学、ヴェルディのオペラなどが扱われていて、多方面の分野に関わりを持つ文献です。

 授業では、レポーターがあらかじめ決められた分量のテクストについて要約と問題提起を行い、それをもとに全員で議論します。

 評価は、授業中の発言回数と内容、レポーターとしての仕事ぶり、最終レポートにより決定。

 [使用テキスト] サイード 『文化と帝国主義 1、2』(みすず書房)

 

 

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第U期(10月〜3月)

(1)教養科目 (全学共通科目)

@西洋文学 L II (水1: 全学部全学年向け)

 ドイツ文学の主要作品を読みながら,主としてその女性像に光を当てていきます。

 といっても,最近流行のフェミニズムではなく,文学とは半分は男女関係のお話であるという当たり前 (?) の観点から,一見硬そうに見えるドイツの小説やドラマの中に現れた女たちの姿に焦点を当て,その形姿と行動について考えることでドイツ文学に親しんでもらおうというものです。

 [授業の予定]

  1.序論
  2.-4.クライスト
  5.-6.グリルパルツァー
  7.-8.ヘッベル
  9.-10.シュトルム
  11.-12. S・ツヴァイク
  13.-14.ヴェーデキント
  15.まとめ

 使用テクストはすべてプリントして配布。

 参考書: 三浦淳 『〈女〉で読むドイツ文学』(新潟日報事業社)

 注意: 出席はとりませんが、授業中の私語2回で聴講許可取消とします。 ドイツ語を履修している必要はありません。

      学務情報システムで登録しただけの学生には聴講許可は出しませんので,必ず1回目か遅くとも2回目の授業に顔を出して下さい。

 評価: レポートによります。 レポートでは単に授業で聴いた内容を再現するにとどまらず、自分なりに調べたり考察したりした事柄を書くことが大事です。

 

A人文総合演習B (木4: 人文学部1年生を主とし、他学部生も受け入れる)

 「大人になるにはどうするか?」 というテーマで,外国と日本の有名な文学作品を読みます。

 激しい恋や不純な愛を体験したり,様々な職業に就いたり,故郷を遠く離れたり,親から仕送りを断たれたり,時には内心のこだわりを断ち切るために犯罪を敢行したりしながら,人は大人になるのです。 文学的素養が身に付き,子供時代の甘えともおさらばできる一石二鳥 (?) の演習を目指します。

 授業では、使用テキストに挙げられた文学作品5冊を,それぞれ2ないし3回かけて読んでいきます。 最初にレポーターが内容要約と問題提起を行い、それをもとに全員で議論します。 したがって、全員が毎回、決められた分量を読んでくる必要があります。

 評価は、平常点 (授業での発言回数と内容,レポーターとしての有能さ) とレポート (2回を予定) によります。

 [使用テキスト] シェイクスピア 『ロミオとジュリエット』,夏目漱石 『それから』,ヘッセ 『郷愁』,三島由紀夫 『金閣寺』,コンスタン 『アドルフ』 (5冊とも新潮文庫)

 

(2)人文学部向け

Bテクスト批評論T  (金3: 3年次以上向け)

 「文芸評論」 をテーマとします。

 小林秀雄の出現を嚆矢とする日本の近代的な文芸評論は、しかし文学作品だけを対象とするのではなく、美術や音楽、人間の生き方、社会現象、政治に至るまでの幅広い領域を扱い、いわば総合的なジャンルとして重きをなすようになりました。 ここでは日本を代表する批評家を何人か取り上げて、広範な領域に及ぶ評論を紹介し、その意義について考えていきます。

 [注意] 人文学部以外の学生は、第1回目の授業に出た者に限り聴講を許可します。 授業中の私語は減点の対象となります。

 [授業計画] 小林秀雄、中村光夫、福田恆存、三島由紀夫、江藤淳などの、文学やそれ以外の芸術、社会や政治などを扱った評論を読んでいきます。

 評価は、出席と2回のレポートによります。

 [使用テキスト] 小林秀雄 『ゴッホの手紙』、福田恆存 『平和論への疑問』、三島由紀夫 『第一の性』、その他。 テクストはすべてプリントして配布します。

 

C文化コミュニケーション論演習 U (火2: 3年次以上向け)

 第T期の演習を受けて、「教育におけるエリートと底辺部」 をテーマとします。

 だれもが教育を受ける社会にあっては、しかしだれもが同じ扱いを受けるわけではなく、高等教育段階では (場合によっては中等段階でも) エリートと底辺部 (と中間層) に分かれてしまうのが普通です。 外国と日本で、エリートと底辺部がどのような教育を受けているのかを見ながら、大衆社会における教育と社会の関係やエリートと非エリートの相克について考察していきます。

 授業では、まずレポーターがテクストについて内容要約と問題提起を行い、それを受けて全員で議論します。 出席者全員があらかじめ決められた分量を読んでくる必要があります。

 教科書: 石角完爾 『アメリカのスーパーエリート教育』(The Japan Times)、P・サックス 『恐るべきお子さま大学生たち――崩壊するアメリカの大学』(草思社)、木下英治 『女たちの東京大学』(PHP研究所)、他に2冊程度を読む予定。

 評価は、出席、授業中の発言の頻度と内容、レポーターとしての有能さ、最終レポートにより決定。

 

 

 

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