映画評2001年

 

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 2001年に見た映画をすべて紹介。5段階評価と短評付き。

  評価は、★★★★★=すぐ映画館に駆けつけるべし。 ★★★★=十分な満足感が得られる。 ★★★=平均的。 ★★=劣る。 ★=駄作。 ☆は★の2分の1。

 

1.「美術館の隣の動物園」 シネ・ウィンド。 評価★★★ 最近日本でも人気が高まっている、そして私も大ファンである韓国女優シム・ウナ主演の映画。 神秘的な女を演じた「カル」とは違い、いかにもと言った感じの現代娘を演じているが、美人は何をやってもサマになるのであります。

2.「ナトゥ 踊る忍者伝説」 WMC新潟。 評価★★ お正月気分が抜けないので、肩の凝らない映画でもと思って見に行ったのだが、いくらなんでも安っぽすぎて、値段分ないような気がする。 無国籍映画じゃなくて無内容映画じゃないか。

3.「春香伝」 シネ・ウィンド。 評価★★★ 韓国の伝説を映画化したものだそうな。 契りをかわした男に操をたてて(今となっては懐かしい言葉だ・・・)権力者の妾になることを拒んだためひどい目に会うヒロインが、何とも古めかしくまた好ましい。 烈女という言葉がこういうケナゲな女性を指すと初めて知りました。 途中、フィルムの切り替え時に数分ピントが狂っていた。 最近のウィンドはこういうミスが多い。 1〜2月のラインナップは私好みなので、しばしば訪れる予定ですから、この点、気を付けて欲しいですね。

4.「カルネ」 シネ・ウィンド。 評価★★ 冒頭、立て続けにショッキングな映像が2回出てくるけど、あとはどうかな。 フランス人が馬肉好きとは知らなかった。 カエルが好きだって話は聞いたことがあったけどね。 日本人が鯨肉好きで何が悪い・・・・(趣味に走ってしまいました、ゴメン!)。 でも他にはこれと言った取り柄のない映画だなあ。 40分余りと短いからコストパフォーマンスもよくないし。

5.「カノン」 シネ・ウィンド。 評価★★ 上記作品の続編。 私は立て続けに見たのだが、相変わらずつまんない。 ま、低コストでポリティカル・コレクトネス糞くらえとばかり反ハリウッド路線で行くとこうなるしかないんだろうか。 私はこれをゲージツと言って持ち上げる気には到底ならないけど。

6.「13デイズ」 UCI新潟。 評価★★★☆ いわゆるキューバ危機に際して、ケネディ大統領・その弟のロバート議員・大統領補佐官の3人がいかに困難を乗り切って解決にたどりついたかを描いた作品。 アクションとかラブシーンとかがない分映画化が難しいわけだが、政府の内実や軍隊の様相など様々なシーンが積み重なって説得力ある大人向けの映画に仕上がっている。 

7.「キャラバン」 シネ・ウィンド。 評価★★ ネパールを舞台として、村人のキャラバンをめぐる確執と和解の物語。 面白そうな気がしたのだけれど、意外に退屈だった。 一つには村人の生活の細部が描かれていないことがあろうし、また話自体が制作者であるフランス人らのオリエンタリズムを脱していないからかも知れない。 各種の賞を受けているそうだけど、私は同意しかねる。

8.「狗神」 東宝プラザ。 評価★★★ 映画の日なので東宝のホラー2本立てを見に行ってみた。 こちらは「狗神の家系」の女たちなるものが出てくるおどろおどろしい話だが、ほどほど面白い。 ただ、特に最初のあたり、日本語の発音が聞き取りにくい。 四国弁だからなおさら。 R15指定なのはセックスシーンがあるからだろうが、それなら天海祐希にはもっと大胆にやってほしかったなあ。

9.「弟切草」 東宝プラザ。 評価★★★☆ 8の併映作。 どちらかというとこっちがメインなのかな。 雰囲気が非常に怖い作品で、特に心霊的な筋書きではないのだが、ホラーとしては成功していると思う。 こんなに恐ろしい話がR12でいいのか? 私だったら「狗神」はR12でこちらをR15にするね。 ビデオ的画面とパソコンの組み合わせも絶妙。 ただ結末がよくない。 話の枠ではなく、枠の中の話の結末です。 それとヒロインの奥菜恵(なんて読むんだ?)がどうも私の好みじゃない。 もっと可愛いアイドルいないの? 広末といい、最近のヤングの審美眼はどうなっておるのだ。

10.「顔」 シネ・ウィンド。 評価★★★ キネ旬で日本映画ベスト1に選ばれたとかでウィンドで「凱旋再映」されたのを見に行く。 日本映画特有の安っぽさを脱していないし、ヤクザが出てこないと納まらないところ(どうして日本映画って、ヤクザ映画でもないのにヤクザが出てくるんでしょうね?)も凡庸だが、最後が面白かった。

11.「魂のジュリエッタ」 シネ・ウィンド。 評価★★★☆ ウィンドのフランス・イタリア映画祭初日に行ってみた。 混むかなあ、と思ったので開始30分も前に着いたのだが、もらった整理券番号は2。 客の入りは20人余りと、ウィンドとしてはまあまあかも知れないが、予想外の出足の悪さだ。 さて、フェリー二のこの作品、夫の浮気に悩む中年女性の妄想の世界が展開されるが、ヨーロッパは落ち着くところ精神分析的になるのかなあ、と改めて感じた。 イタリア女性の魅力がふんだんに味わえる作品でもある。

12.「Brother」 WMC新潟。 評価★★★ ビートたけしの最新作。 ヤクザが米国に行く話なんだけど、相も変わらずのたけし的映画で、過激さが情感や強調を伴わずに投げ出されている感じ。 男の友情が底流にあるけど、やはりさりげなく流されている、といったところかな。 WMCには何度か入っているけど、今日初めて番号1のホールに入った。 多分WMCで一番大きいホールだと思うが、そこに客が10人と入っていないのは、何というべきなんでしょうか・・・・・

13.「他人のそら似」 りゅーとぴあ劇場(にいがた国際映画祭)。 評価★★★ 第11回にいがた国際映画祭の初日に見に行ってみた。ボランティアの方に聞いたところでは、今年は前売り券の売り上げがイマイチとか。 目玉になるビッグな作品がないのと、厳寒大雪で街に人が出てこないせいらしい。 せっかくの映画祭なのに勿体ない。 今からでも遅くないから見に行ってみよう! さて、これはフランスのコメディ。 俳優兼作家として著名な人物のそっくりさんが現れて各地で悪行を働くが・・・・・という話。 途中までありきたりの筋書きに思えたのだが、最後近くになって非常に苦い内容になるところがミソ。 深読みをすれば、本物に取って代わったニセものとは、フランス映画を押しのけて覇権を握ったハリウッド映画のことと取れなくもないかな・・・・・・? 

14.「アイスリンク」 りゅーとぴあ劇場(にいがた国際映画祭)。 評価★★ 13に続いて見た作品。 やはりフランスのコメディで、アイスリンクで映画を撮る苦労話というか滑稽話というか、そういう筋書きです。 インパクトがもう一つ足りないような気がする。

15.「夜と霧」 シネ・ウィンド。 評価はなし。 フランス・イタリア映画祭で上映されたもの。 言うまでもなく、ナチによるアウシュヴィッツでのユダヤ人虐殺を扱ったアラン・レネの映画である。 材料が材料なので、評価は控えます。

16.「ヒロシマ・モナムール」 シネ・ウィンド。 評価★★★ 同じくフランス・イタリア映画祭より、アラン・レネの、戦争と記憶を題材とした1959年の映画。 フランス語特有の抽象度の高い言い回しが、作品をして単なる戦争体験回帰ものの枠を越えさせている。 技法面では、有名な「去年マリエンバードで」を想起させる。 ほぼ同時代に作られているし、そこに時代の動向を看取できよう。

17.「ミュリエル」 シネ・ウィンド。 評価★★ 同じくフランス・イタリア映画祭より、アラン・レネの63年の作。 率直なところ、さほど面白いとは思わなかった。 技法も作品の内容と完全に溶け合っていないのではないかしらん。 昔関係があった中年男女のやりとりは、ワタシも中年なので心にしみるところがありましたけど。 ただ、16と合わせるとアラン・レネは中年になりかけた、或いは中年の女性についての趣味がワタシと一致してるみたい。 

18.「枕の上の葉」 新潟市万代市民会館(にいがた国際映画祭)。 評価★★☆ インドネシアのストリートチルドレンを描いた作品。 正直のところ映画としてさほど面白いとは思わないが、ハリウッド風の映画ばっかり見ていると何かに渇いた感覚が生まれてくるもので、その渇きを癒すには格好かも知れない。 上映途中でフィルムが切れて中断があった。

19.「東京攻略」 新潟市民プラザ(にいがた国際映画祭)。 評価★★★ 香港のアクション映画を、東京を舞台にしてやったという趣きの作品。 構えずに、ヒーロー二人のアクションと目のキツいケリー・チャン(ワタシの好みです、はい)の美貌を楽しめばいいわけ。 ただ最後に明かされる秘密の隠し場所は割にミエミエなので、もう一工夫して下さいね。 18の翌日に見たのだが、これまた上映開始後まもなく一時映像が途絶えるトラブルがあった。 今年のにいがた国際映画祭はトラブルが目立つ。 

20.「ルナ・パパ」 新潟市民プラザ(にいがた国際映画祭)。 評価★★★★ 中央アジアの湖畔の町で繰り広げられる、予期せざる妊娠をした少女と、holy foolを地でいく兄とハチャメチャな父との物語。 猥雑で奇抜で骨太な展開と、奇想天外な結末とが楽しめる傑作。

21.「ベルトルッチの殺し」 シネ・ウィンド。 評価★ フランス・イタリア映画祭より、62年の作品だけど、全然面白くありませんでした。

22.「赤い砂漠」 シネ・ウィンド。 評価★★★☆ 同じくフランス・イタリア映画祭より、64年のアントニオーニの作品。 工場や老朽船をバックに、人妻の不安が巧みに描かれている。 色の使い方や映像のボカし方が面白いし、主演のモニカ・ヴィッティが実に美しい。

23.「パンと植木鉢」 シネ・ウィンド。 評価★★☆ このところ日本でもイラン映画が注目されているが、これはモフセン・マフマルバフ監督による作品。 元政治少年の映画監督と元警官の俳優が過去の記憶を材料に映画作りをするという話。 実験的な手法が目を惹くが、手法を凌駕する内実を作品が獲得しえたかどうか、微妙だ。

24.「回路」 WMC新潟。 評価★★ 最近はやり(?)のパソコン・ホラーかと思いきや、いや確かにホラーではあるけれど、終末イメージがかなり濃厚にこめられた映画でした。 でも、ちょっと一人よがりじゃありませんか、黒沢清監督?

25.「アンブレイカブル」 UCI新潟。 評価★★★ 「シックス・センス」で一躍名を売ったシャマラン監督とブルース・ウィリスの同じコンビによる作品。 特急列車の脱線転覆事故でただ一人、奇跡的に無傷で助かった男。 やがて彼に、お前は不死身に生まれついているのだと言い寄ってくる人物が現れて・・・・というような筋書きだが、やはり最後に「あっ」と驚く趣向。 私としては前作よりこちらの方が面白いと思ったけど。 子供(今回はウィリスの息子という設定)が筋書きに大きく関わってくるところなど前回との共通点もある。

26.「キャスト・アウェイ」 UCI新潟。 評価★★★☆ 仕事一筋に生きるビジネスマン(トム・ハンクス)が、飛行機が墜落して一人無人島に流れ着き・・・・という現代版ロビンソン・クルーソーの物語。 遭難シーンがド迫力だし、無人島の暮らしも真に迫っていて面白い。 ロビンソンとか十五少年とかの漂流ものの話って、遭難者が文明世界の道具をかなり利用しながら生活したりするんだけど、そういう甘さを極力排しているところがいい。 ただし文明世界に生還してからの筋はもう少し気が利いた展開にできなかったのかな、という気がする。 それと日本語のタイトル、ちゃんとつけませんか?

 26の付け足し。 シネマコンプレックスは場内での飲食物の販売を独占している。 要するに持ち込み不可、なのだ。 これはかなり不便なことである。 他の映画館だと、昼食の時間帯、おにぎりを買っていって予告編の間に食べる、てなことが可能なのに、それができない。 特に昨今、新潟市内の古い映画館が次々と閉館し、当方もシネコンを利用せざるを得なくなっているのだから、なおさらである。 シネコンにはおにぎりは売ってない。 まさかポップコーンでメシを済ませるわけにもいかないし。 困るのは、売っている飲食物の種類が限られていることだけではない。 バカ高いことだ。 当方、これまでシネコンに行くときは食事時は避けていたのであまり意識しなかったが、たまたま26を見に行った時、のどの渇きを覚えた。 でジュースでも買おうと思ったが、何と、Sサイズですら280円という高額さに仰天して買うのをやめ、洗面所で水を飲んで間に合わせた。 どうしてこんなに高価なのか!? 普通の缶ジュースなら120円だし、プレミアムを付けて売ってる映画館だって160円程度だぜ。 プレミアムがイヤなら外で買ってから入ればいいわけだし(私は旧来の映画館ではそうしている。 シネ・ウィンドだけは良心的でプレミアムなしで売っている。 特筆すべきであろう)。 そうでなくとも日本の映画館は入場料が高いのに、飲食物でさらにボろうというのか? いくら何でもあさまし過ぎはしませんか? 飲食物の販売を独占するなら、種類を豊富にして安くすべきであろう。 それができないなら、持ち込み自由にすべし!

27.「小説家を見つけたら」 WMC新潟。 評価★★☆ 貧民街に住む黒人少年が、バスケットと文章の才能を認められてエリート私立校に転校する。 その蔭にはかつて作家として名をなしながら引退同然の状態にある老人(ショーン・コネリー)の助力があった。 ところが少年はやがて作文に盗作の嫌疑をかけられて・・・・・・という話。 数年前にアル・パチーノ+クリス・オドネル主演で評判になった「夢の香り」だとかマット・デイモン主演の「グッド・ウィル・ハンティング」を思わせる作品。 つまり新鮮味がないということなんだけど、それを別にしても16歳の少年にバスケットの才能と文才の両方があるというのは、ちょっと設定が甘過ぎはしませんかね。

28.「ドラえもん・のび太と翼の勇者たち」ほか 東宝プラザ。 評価★★ 偉大なマンネリ・ドラえもん・・・・・という言い方自体、マンネリですなあ。 今回は正直、前回より劣ると思った。 筋書きの緊密さを心がけて欲しい。 子供3人を連れて日曜の昼に行ったのだが、東宝プラザの広い場内は満員に近かった。 ドル箱作品だからこそ、しっかり作ってよね。

29.「倦怠」 シネ・ウィンド。 評価★★★★ 哲学教師である中年男が行き詰まりを感じている折り、たまたま知り合った若い娘とセックスを繰り返すうちに彼女にのめり込み・・・・・というような、筋書きだけをたどれば他愛ない話なんだけど、この映画のリアリティを保証しているのは何といっても娘役のソフィー・ギルマンである。 無垢な妖婦といいますか、ちょっと形容が難しいんだけど、一見イモネーチャンもしくは田舎娘風でありながら、インテリ男を惹きつけて離さないという役を見事に演じきっている。 これは映画を実際に見てもらわないと分からないと思う。 フランス映画ならではの快作だ。 

30.「見い出された時――『失われた時を求めて』より」 日比谷シャンテ・シネ。 評価★☆ 上京する機会があったのでまっさきに見に行ったのだが、最近これくらい期待はずれだった作品も珍しい。 言うまでもなくプルーストの大長編小説の最終部を映画化したものだが、たしかに当時のフランス貴族やブルジョワの風俗を再現すべくカネとヒマをかけているのは分かるけど、映画としては全然面白くないのだ。 私は途中、退屈さの余り眠ってしまいました。

31.「花様年華」 銀座テアトル・シネマ。 評価★★★ 香港を舞台に、中年になりかけた既婚男女の恋愛を描いたウォン・カーウァイの最新作。 これはマギー・チャンを見る映画ですね。 出張がちの夫が浮気をしているのではという疑惑に悩まされながらも事務所で秘書として働く彼女が、場面ごとに異なる服装で登場するのが見もの。 ま、秘書の給与でこんなに服をたくさん買えるのか、なんてツッコムのは野暮でしょう。 香港の吉永小百合と言われている(実は私しか言ってない)彼女を見るために映画館に行こう!

32.「ツバル」 渋谷イメージフォーラム。 評価★★★★ 私は全然知らなかったのだが、監督のファイト・ヘルマーは世界中から注目されているドイツの新鋭だそうである。 さて、この映画、モノクロ画面に廃墟趣味、ローテクの機械趣味などなどが入り混じった、どことなく懐かしさを感じさせる作品である。 字幕なしであらゆる国の人間が楽しめるように作られている、というのも面白い。 主演は「ポン・ヌフの恋人」のドニ・ラヴァンと、先頃にいがた国際映画祭で上映された「ルナ・パパ」で印象的なヒロインを演じたチュルバン・ハマートヴァ。 ハマートヴァが全裸となってプールの中で金魚と泳ぐシーンがこの上なく美しい。 ドイツ映画の復興なるか、と期待させる出来栄えである。 新潟でも上映して欲しい。

33.「静かなる一頁」 BOX東中野。 評価★★★ これまでソクーロフの映画は一作しか見たことがなかった。 数年前、ウィンドで「ストーン」をやった際に行ってみたのだが、あの時は正直言ってメゲました・・・・・・・。 今回上京して、再度挑戦とばかり、ソクーロフ特集をやっている映画館に足を運んだ。 この作品にしたのは、単に時間的に都合がよかったからである。 相も変わらずモノクロ、暗くて焦点がぼけた画面、廃墟趣味、神秘主義・・・・・・・・などなどであるが、ドストエフスキー『罪と罰』からモチーフを借用しているので、「ストーン」よりは多少分かりやすかった。 廃墟趣味と言っても、上の「ツバル」は起承転結の枠内に収まっているんだが、こちらは底なしの神秘主義(底ありの神秘主義なんてないだろうけど)とドッキングしているので、ある意味では意味不明の夢のように面白いのだけれど、しかし、うううぅぅ・・・・・・・・・・・・。

34.「ハード・デイズ・ナイト」 WMC新潟。 評価★★ 1964年制作のビートルズ映画。 記録映画ではなく、といってフィクションとしては面白味に欠け、中途半端な出来だ。 以下私的な追想。 64年とビートルズは、私にとっても個人史的に深いつながりを持つ。 東京から急行列車で3時間という地方都市に住んでいた小学校6年生の私が、修学旅行で東京に行ったのがこの年なのだ。 修学旅行と言っても日帰り(!)で、東京で見るのは3つのみ――上野動物園、皇居、そして東京タワー。 その最後の東京タワーで、展望台からエレベータで下のビル2Fに降り立ったとき、ジュークボックスでビートルズの曲がかかっていたのを私は鮮烈に憶えている。 展望台からの景色は全然記憶にないのに、不思議なものだ。 その後、「21世紀の音楽の教科書に載るのはハイドンやベートーヴェンであるはずがない。 それはビートルズであるはずだ」とかなんとかいう英国のDJだったか誰かの言葉も知るようになったが、さて21世紀、この映画を見に来ていたのは、土曜の午後だというのにわずか10人ほど。 音楽の教科書はどうなるかな・・・・。

35.「ミート・ザ・ペアレンツ」 UCI新潟。 評価★★☆ 結婚を約束したした恋人の両親宅に挨拶に行った男が、娘を溺愛する父親(ロバート・デ・ニーロ)から受けるイジメの数々・・・・・という、筋書きだけ聞くと面白そうな話ではあるのだが、あまり笑えなかった。 アメリカ人には細かいところでクスグリが効いているのかも知れないのだが、日本人にはどうもね。

余談 4月8日限りで新潟の映画館4スクリーンが閉館してしまった。 東堀通りの東映と東映パラスは万代にシネコンとしてこの夏復活するからまあいいのだが、万代シティの万代東宝1と2まで閉館するとは、いささか驚いた。 シネコンがすでに新潟市内に2つできていることの余波なのは言うまでもない。 特に万代東宝はビデオ上映で画質が悪く、それでいて料金面でのサービスもあまりなかったから、競争に負けたのもむべなるかなと思わせる。 (古町のシネマ1・2・3は料金面でかなりサービスしていたし、ビデオ上映でもなかったのに、昨秋閉館に追い込まれたのだから。) とはいえ、シネコンだってさほど客は入っていない。 新潟市内の既存シネコン2つで17スクリーンというのですら多すぎる気がするのに、これで夏に万代にまた8スクリーンができたらどうなるのだろう。 料金面でのサービスが充実したり、従来新潟では余り見られなかった単館系の作品が沢山来るなら歓迎だが、さて・・・・・・・

36.「初恋のきた道」 シネ・ウィンド。 評価★★★★★ 「初恋のきた道? 今どき少女マンガだって付けそうもないタイトルじゃないか・・・」なんて思った私がバカでした。 中国の僻地の村を舞台に、新任教師として町から赴任してきた青年と、盲いた老母と暮らす愛らしい娘との、純金のような恋物語。 涙なくしては見られない感動作、という表現はこういう映画のためにあるのだ、と言ってしまおう。 (大げさ? 野暮? 作品を見てから言え!) 野や林の景観が美しいし、水汲みや料理、また陶器修理(私の子供の頃は鍋釜の修理はあったけど、陶器の修理というのは初めて見た)など生活の細部がおろそかにされずに描かれているのもいい。 ベルリン国際映画祭で銀熊賞をとったというが、これを越える作品ってそうそうないと思う。 未見の方は是非!!

番外。 「アフリカの女王」 BS11。 テレビでやった映画は基本的に取り上げないのだが、個人的事情から例外的に触れておきます。 個人的事情というのは以下の通り。 この映画、私はずいぶん昔にやはりテレビで見て、しかしタイトルが記憶になく、いつかまた見てみたいと思っていたのである。 で、やっとその希望がかなったわけだが、私の記憶もずいぶんいい加減だと改めて分かってしまった。 まず、私の記憶だとこの映画はモノクロだったはずなのだが、実際はカラー作品であった。 そして私の記憶だとヒロインはソフィア・ローレンだったはずなのだが、実際はキャサリン・ヘプバーンであった。 湖に出る前に葦に覆われた川で苦闘するシーンはかなり長かったような気がするのだが、今回見るとそうでもなかった、などなど。 まあ、ソフィア・ローレンとキャサリン・ヘプバーンは似てなくもないけどね・・・・・・・・(どこが!?と思うあなた、西洋人の顔ってのは、どこか共通性があるものなんですよ、ははは)  追記。 その後よく考えると、モノクロだという記憶は、モノクロのテレビで見たからかも知れない、と思い直しました。

37.「はなればなれに」 シネ・ウィンド。 評価★★ ゴダールの作品だというので期待せずに行ったが、期待どおり、もとい、期待しなかったとおりの映画でした。 ただ、モノクロ画面のパリの街並みは興味深い。 アンナ・カリーナは私の好みとはちょっとズレているんだなあ。

38.「スターリングラード」 WMC新潟。 評価★★★☆ 「リプリー」で一躍スターダムにのし上がったジュード・ロウ主演の戦争映画。 第二次大戦で独ソの攻防の分かれ目となったスターリングラードの戦いを背景に、狙撃の名手としてドイツ軍を震え上がらせたソ連兵(ロウ)と、彼を倒すためにドイツから派遣されてきた初老の少佐の対決が描かれている。 冒頭の戦闘シーンのすさまじさと迫力は「プライヴェート・ライアン」を思わせるし、ロウの美男ぶりもさることながら、敵手のドイツ将校を演じるエド・ハリスが独特の味わいを出していて、映画の楽しみを満喫できる作品となっている。

39.「ハンニバル」 WMC新潟。 評価★★☆ 10年前に大ヒットした「羊たちの沈黙」の続編ということで前評判の高い作品だが、イマイチだ。 原因はこの映画の焦点がどこにあるのか、はっきりしないところにある。 ハンニバル・レクター博士の人肉食趣味がメインなのか、彼を追う大金持ちの被害者の倒錯した復讐欲がメインなのか、ヒロイン・クラリスとレクター博士のこれまた倒錯した関係がメインなのか。 私の趣味からすると、クラリスとレクター博士の関係をメインにすべきなので、最後で博士がクラリスを可愛がりつつイタぶるシーンはもっと徹底的に、セクシーに、やるべきだったと思う。 ちなみにハンニバルって、カニバリズムと発音が似てますね。

40.「名探偵コナン・天国へのカウントダウン」 UCI新潟。 評価★★ 連休に子供連れで見に行ったもの。 前回のこのシリーズは結構面白かった記憶があるが、今回はあまり感心しなかった。 劇場用アニメなんだから、ワンアイデアでは物足りない。 もう一つくらい何か足して欲しい。

41.「クロコダイルの涙」 シネ・ウィンド。 評価★★ 人気絶頂ジュード・ロウ主演の映画で、クロコダイル的なというか吸血鬼的なというか、そういう生き方をするヒーローがある女性に出会って・・・・という筋書き。 最初のあたりはなかなか面白いと思ったが、ヒロインのエリナ・レーヴェンゾーンが出てきてからの展開に余り説得力が感じられない。 それに、もっと魅力的な女優はいないのか、という疑問が残るし。

42.「天使のくれた時間」 UCI新潟。 評価★★★ 恋人と別れてロンドンに留学し、ビジネスで大成功を収めた男。 しかし彼にはクリスマスを一緒に過ごす家族も友人もない。 そんな彼がふとしたことからもう一つの可能性、つまり留学を取りやめ恋人と別れなければ送っていたであろう人生を過ごす別世界に入り込む・・・・・・。 筋書きとしてはさほど目新しくなく、マイホームパパ賛歌みたいな感じもあるが、まあまあ楽しめて後味がよい作品に仕上がっている。 ヒロインのティア・レオーニが、松嶋菜々子と若い頃の大原麗子を足して二で割ったみたいな美形で非常にチャーミング。 ワタシ好みの美人ですね。 それでパンフレットを買ったんだけど、彼女の写真が余りなくて、主人公のニコラス・ケイジばっかりなのだ。 ケイジ、引っ込め!

43.「クイルズ」 UCI新潟。 評価★★★ 『悪徳の栄え』などで知られる異端のフランス作家サド侯爵と彼をとリまく人々の、虚実いりまじった物語。 タイトルは鵞ペンを意味する(なぜかフランス語ではなく)英語。 すなわちあくまで物を書くことをおのれの生きがいとしたサド侯爵の、作家たろうとする意志を示したものなのだ。 妙な感想かも知れないが、見終えると表現することへの勇気が湧いてくる映画である。 それと、脇役だが、祖父のような年齢の男と結婚させられる修道院育ちの美少女を演じるアメリア・ウォーナーに一見の価値あり。 ロリコンの気がある男性にはお勧め。 昔の新潟なら来なかったであろう単館系のこういう映画が見られるようになったのは、シネコンが複数できて競争が激化したお陰か。

44.「EUREKA」 シネ・ウィンド。 評価★★ 3時間半に及ぶ青山真治の大作。 バスジャック事件からの「癒し」がテーマだが、説得力十分とは思われない。 確かに難しい題材であり、なおかつ起承転結をはっきりさせてそれらしくまとめるようなタイプの作品を目指したのではなく、作品の長さ自体が癒しに必要な時間を暗示しているのだろうとは思うけれど、そして部分的には印象的な映像もあるのだけれど、しかし全体として秀作かと言えば首をかしげざるを得ないのだ。 なお、上映時間が長いから見るのにウィンドの回数券2枚を必要とするという、コストパフォーマンスを含めて評価しております。

45.「ジュエルに気をつけろ」 WMC新潟。 評価★★☆ 平凡な男と弁護士と警官の三人の男を手玉に取る美女という筋書きの、リブ・タイラー主演の喜劇、というかおバカ映画、というかB級映画かなあ。 リブ・タイラーってもともと色っぽい女優なので、脱いではいないけどセックスシーン(脱がないセックスシーンがどういうものかは、自分で確かめられたい)があったりするこの手の映画に出るのはそれなりに似合っている。 少しおかしい美女が、緻密な計算に基づいて男たちを操っているというよりは、場当たり的に行動してそれが結果的に男たちを破滅に追いやる話はまあ悪くないけど、どうせならもっとバカバカしさ、B級ぶりに徹した方がよかったんじゃないか。 

46.「ショコラ」 WMC新潟。 評価★★★ 映画の日に見に行ってみた。 カトリック信仰と道徳主義でがんじがらめになった村に、よそ者の母娘がやってきてチョコレート店を開く。 村の人々はそれをきっかけに自分ひとりひとりの幸福を求める生き方に目覚めていく・・・・といったおとぎ話。 メルヒェンチックなフィクションとして悪くない出来。 それにしても、レナ・オリンは老けたなあ。 あの絶世の美女が凡庸な中年女性になってしまうとは・・・・・。 嗚呼、美ははかない。

47.「トラフィック」 WMC新潟。 評価★★☆ やはり映画の日に行ってみました。 米国とメキシコを舞台に、麻薬密売をめぐって展開される警察や軍やアウトローたちの、そして家庭内の、虚々実々の闘いを描いた作品。 ハリウッド的な起承転結を明瞭にした作風ではなく、ややドキュメンタリー的な味を入れた、歯ごたえのある映画ではある。 ただそれによって、麻薬問題の奥行きの深さを暗示することには成功しているものの、 作品自体の深さに結びついているとは必ずしも言えないところに、問題があると思う。 (言うまでもなく、問題の所在を示せばそれでいい映画になるわけではない。) 先頃結婚したマイケル・ダグラスとキャサリン・ゼタ=ジョーンズが共演しているのも話題だけど、出産直後というキャサリンは顔に肉が付いて、失礼ながら雌豚みたい。 数年前「マスク・オブ・ゾロ」に出演していた頃は絶世の美人だったんだが・・・・・・。 嗚呼、美ははかない。(同じことを繰り返す芸のなさ・・・・・たははは)

48.「メトロポリス」 WMC新潟。 評価★★★☆ やはり映画の日に行ってみました・・・・・我ながら根性ですなあ。 或いは、安く見るための涙ぐましい努力と言うべきか。 さて、これは手塚治虫原作で、大友克洋が脚本を書き、りんたろうが監督を務めたというアニメ。 昔、モノクロで動きも粗雑な「鉄腕アトム」を毎週テレビで見ていた頃を想起すると、カラーで精緻な画像にはまさに隔世の感を覚えて、しばし感慨に耽りました。 マッドサイエンティストが亡くした子供の代理をロボットに求めるという、まさに「鉄腕アトム」を原型とした筋書き。 ヒゲオヤジやランプやスカンク草井やロック(女装シーンもあり)といった手塚ワールドの常連たちも懐かしいが、ヒロイン・ティマの、自分が人間かロボットかをめぐる葛藤はもう少し展開したほうが良かったんじゃないかな。 或いは、ロボット差別という手塚的なテーマを止揚する筋書きも(何しろ生殖技術が発達している昨今だから、ロボットと人造人間の境界だって明快ではなくなるかも知れないのだ)可能だったのでは。 以上は少年時代に手塚作品に接して育った中年男の感想だが、会場には若い人たちの姿が目立った。 彼らはどんな感想を抱いたのだろうか。

49.「ザ・カップ 夢のアンテナ」 シネ・ウィンド。 評価★★☆ 噂のブータン映画、というキャッチフレーズに惹かれて見に行ってみた。 まだ少年期の修業僧たちがワールドカップの試合をテレビで見たくて、院長に直訴し、テレビを借り出すためにお金を集め・・・・・・というお話。 ブータンとはいっても道路は舗装されているし、クルマもオンボロながらある。 秘境というイメージとは違って、半世紀前の日本を見ているみたいな感じ。 映画は多分、誇張を排して、さりげないユーモアの中に世俗化に洗われる仏僧たちの姿を示そうとしたのだろう。 悪くはないのだが、多少の食い足りなさは残る。

50.「幼なじみ」 シネスイッチ銀座。 評価★★ フランスの白人夫妻に養子として引き取られた黒人少年と、その近所に住む白人少女。 やがてふたりは恋仲になるが、黒人の若者はレイプの嫌疑を掛けられ・・・・・というようなストーリー。 ヒロインが三田寛子の若い頃みたいで可愛いが、あとはとりたててどうと言うことのない作品だ。

51.「東京マリーゴールド」 渋谷シネパレス。 評価★★★☆ 幾度か男と付き合いながら長続きしない田中麗奈。 その彼女が合コンで小沢征悦と知り合い、留学中の恋人が一年後には帰ってくると言われながら、それまでの間でいいから付き合って欲しいと言って同棲を始めるが・・・・・・。 現代風俗を巧みに織り交ぜながら、淡々と話を進める市川準の作風にマッチした作品。 最後に「あっ」も用意されている。 田中麗奈が嫌いでなければお薦めできる。

52.「セシル・B ザ・シネマ・ウォーズ」 渋谷シネ・アミューズ。 評価★★★ 硬直化した映画界になぐり込みをかけようと、著名な女優を誘拐して過激な手法で映画作りに乗り出した男のお話。 監督、作品、映画館運営、批評家などなど、既成の映画界のあらゆるものが批判され、おちょくられる。 ただし映画界のことに精通していないと皮肉やクスグリがよく分からない(私を含めて)。 その意味で映画オタク向けか。

53.「非・バランス」 渋谷シネ・セゾン。 評価★★★☆ 当初、東京で見る予定には入れていなかったのだけれど、上記50に行った際、予告編でヒロイン派谷恵美 (これで「はたちや・めぐみ」と読むそうです。 最近、読解困難系アイドルが多いな) の姿を見て、気が変わった。 冨樫森監督の長編第一作。 友達を作らないと決めた女子中学生が、ひょんなことから知り合ったオカマとの付き合いを通じて心を開いていく話。 少女マンガみたいな筋書きだが、まずヒロインの魅力で見る価値のある作品に仕上がっている。 「超少女Reiko」が14歳の観月ありさの姿をとどめて記念碑的な作品になったように、この「非・バランス」も14歳の派谷恵美の姿をフィルムに残したという意味で後世に残るであろう(おいおい、そんなこと断定していいのか)。 そしてもう一つ特筆すべきはオカマを演じる小日向文世である。 これが美少女とのマッチングで絶妙にいっている。 もちろん、現実はもっとドロドロとしてるんじゃないかというような批評もできようが、この物語が少女のイニシエーションである以上、この程度にとどめておくのが作品の節度というものなのだ。

54.「ハリー、見知らぬ友人」 日比谷シャンテ・シネ。 評価★★★ 妻と子供3人を連れ、冷房の効かないポンコツ車でオンボロ別荘に向かう途中の中年男が、見覚えのない男にパーキングエリアのトイレで声をかけられる。 高校時代の同級生だと名乗る彼は、ベンツで恋人と気ままな旅をしているところ。 別荘に泊まった彼はやがて新車をプレゼントしたりして尋常でない友情を示そうとし始める・・・・・。 アイデアとしては非常に面白いが、話の展開がもうひとつテンポに欠けているのが惜しい。 この点が是正されていれば大変な傑作になったろうと思う。 人間5人が殺されながらハッピーエンドに終わる(?)ところなど、いかにもフランス映画らしい。 

55.「クレーヴの奥方」 銀座テアトルシネマ。 評価★★☆ フランスはラファイエット夫人の古典的名作を、ポルトガルのオリヴェイラ監督が時代を現代に直して映画化したもの。 話の進行は文字での説明にまかせ、画面は絵のような静謐さに満ちた独特の作風。 しかし、肝心の心理劇がうまく表現されているかというと、疑問なしとしない。 ヒロインは、マルチェロ・マストロヤンニとカトリーヌ・ドヌーヴの間に生まれたキアラ・マストロヤンニ。 これが父親そっくりで、あの顔はラテン系の男としてはいいかも知れないが、女としてはイマイチじゃないかなあ。

56.「郵便屋」 銀座シネパトス。 評価★★★ イタリア映画。 エロティックな映画で名声を得た監督のもとに、様々な女たちから手紙やビデオが届く。 その内容を映像化した、オムニバス形式の作品。 気張らずにイタリア人たちの繰り広げる性風俗を楽しめばいいのだ。 おしまいにその映画監督の美人秘書へのヨコシマな感情が映像化されて終わるのが何とも面白い。 登場するイタリア女性はみな美形ばかり。 ギャラと名声ばっかり高くて顔には小皺が目立つハリウッド女優の主演作なんかより、はるかに元気が出ること請け合いのアルス・エロティカ映画である。

57.「LIES 嘘」 渋谷イメージ・フォーラム。 評価★★☆ 韓国のポルノグラフィー。 原作小説は韓国で発禁になったとか、ヴェネチア映画祭で上映されてローマ教皇から非難されたとか、話題が豊富な作品だ。 たまたま知り合った女子高生とセックスにのめり込んだ芸術家が、次第にその独特の性的嗜好をエスカレートさせて・・・・・・というようなお話。 ここまで頑張って演技した俳優たちには拍手を送りたいが、性には上記56みたいな遊び心も必要じゃないか、という印象を持ちました。 あと、ヒロインがもうすこし可愛ければ・・・・・。

58.「ベレジーナ」 渋谷ユーロスペース。 評価★★★ スイスに住む美しいロシア人娼婦。 彼女は何とかスイスの市民権をとって、経済事情の悪い故郷で貧しい暮らしをしている親戚たちを呼び寄せようと思っている。 しかし市民権をとる手伝いをすると請け合った男たちは、彼女をもてあそぶばかりで、ついには彼女宛てに国外退去命令が郵送されてくる。 絶望した彼女は、自分をもてあそんだ一人である退役将軍宅に押し入り、自殺を試みるが・・・・・。 筋だけ聞くと悲劇的に思われるかも知れないけど、実際は喜劇タッチの作品で、それ故に退屈で居眠りしながら見ていたのだが、ヒロインが自殺を試みてからの最後の30分が奇想天外な展開となり、俄然面白くなった。 ダニエル・シュミット監督作品。 

59.「ハムナプトラ2」 UCI新潟。 評価★★★ 数年前に公開された第1作は息子を連れていったのだが、今回は逆に息子に請求されて一緒に見に行ってみた。 エジプトでの息もつがせぬ冒険譚はやはり値段分の価値あり。 でも最後で敵方のカップルの愛情があっさり崩れ去るのはご都合主義すぎるんじゃないか。 別の展開は考えられなかったのかな。 

60.「気狂いピエロ」 シネ・ウィンド。 評価★★★ ゴダールは嫌いだが、彼の代表作というので一応見ておこうと行ってみた。 ゴダールにしては悪くない。 無軌道な男女の逃避行。 その無軌道さが映画の語法とうまくマッチしていて、それなりの作品になりおおせている。 しかし、J・P・ベルモントとアンナ・カリーナが車に乗って会話をかわすシーンは(ベルモントはハンドルを操作しているような動作はしてるが)どう見ても車が静止しているようにしか見えないぞ。 その意味ではコミカルな映画とも言えるかも。

61.「デンジャラス・ビューティ」 WMC新潟。 評価★★★ FBIの女性捜査官サンドラ・ブロックは女らしさや色気とは無縁の毎日を送っている。 しかしミス・アメリカ・コンテストを狙うテロリストが出現。 犯人のたくらみを防ぐために彼女がミス・アメリカの州代表に扮してイベントにもぐりこむ・・・・・・・というお話。 ヒロインが最初は男勝りの捜査官として登場し、次に専門家にキビシク指導されて女らしく変身していく、というところが「マイ・フェア・レディ」的で面白い。 ミスコンを狙うテロリストのたくらみにはもう一工夫欲しい気がするけど。

62.「マレーナ」 UCI新潟。 評価★★★★ 第2次大戦前後のシチリアを舞台に、町一番の美女マレーナのたどる運命と、彼女にひそかに思いを寄せる少年のお話。 映画の原点ここにありという感じで、見ていて懐かしさを覚える作品だ。 マレーナを演じるモニカ・ベルッチがたいへん美しいばかりか、新婚間もない頃の新鮮なお色気を発散させている時代、戦時中夫が戦死し生活に困って娼婦になった時代、そして死んだと思われながら(片腕をなくして)帰還した夫に寄り添って貞淑な妻として楚々と歩く時代、と、女の三変化(へんげ)を見せてくれるのが嬉しい。 特に、美貌故に町中の女たちから憎悪され、戦争が終わった直後に娼婦業を彼女らに批判されてリンチされるシーンがスゴイ。 美人って生きるのが難しいんだなあ、と少年時代に帰った気持ちで感慨にふけりました。 シチリアの町の風景も映画のためにあるかのごとくで素晴らしい。 観客は比較的入っていたけど(といっても20人くらいだが、上記61など私を入れて3人だったんだからね)、わずか2週間で上映が終わってしまうのは残念。 ――と書いたら、WMCのほうでは続映らしい。 美形のイタリア女性が好みの方にはお薦め。

63.「ギター弾きの恋」 シネ・ウィンド。 評価★★☆ 実在の天才ギタリストであるエメット・レイを描いた映画。 唖の少女との恋が縦糸になっている。 ウッディ・アレンの作品ということで余り期待しないで行ったのだが、案の定だった。 ヒーローが少女を捨てた後結婚するユマ・サーマンも私の好みじゃないし、唖の少女との関係は、フェリーニの「道」の二番煎じに思える。 ただナット・ヘントフ本人が出演していたのが、私には拾い物だった。 『だれだ、ハックにいちゃもんつけるのは』で米国の言葉狩りを痛烈に批判した人である。 ついでながら、私が見に行ったとき予告編なしで始まったので、最初の数分を見損ねた。 次に映画講座が入るので、ということだったが、雑誌『ウィンド』にもウィンドのサイトにもそのことは全然予告されていない。 こちらも数分単位で行動しており、また万代シティは郊外のシネコンと違って駐車料金がかかるので、その都合上、場合によっては予告編を見ない計算でウィンドに通わざるを得ないのである。 注意してもらいたいものだ。

64.「A.I.」 UCI新潟。 評価★★★☆  不治の病により息子が植物状態となり傷心の日々を送る夫婦。 その夫婦に人間の子供そっくりのロボットが慰めとして供される。 しかしやがて息子が奇跡的に意識を取り戻して帰宅すると・・・・・・という未来を舞台としたお話。 母の愛情を求める子供ロボットを演じるハーレイ・ジョエル・オスメント(「シックス・センス」で一躍注目された)の表情が実にせつない。 天才的子役と言っても過言ではあるまい。 また、ジゴロ用ロボット役で登場するジュード・ロウの演技も面白い。 ロボット狩りなど、筋書き的に上記48と共通部分がある。 ただ最後のあたりは、ハッピーエンドで終わらせるためとはいえ、ちょっと苦しいんじゃないかという気がした。 

65.「アメリカン・サイコ」 シネ・ウィンド。 評価★★☆ ハーヴァード・ビジネススクールを出たエリートの青年。 高級マンションに住み、高級なスーツを着、高級レストランでガールフレンドなどと食事をする彼。 だが物質的には何自由ない暮らしぶりの彼には精神の病が・・・・・。 あんまり中身がない映画だというのが第一印象。 衣食住の超高級ブランドを目で楽しむのにはいいかも。 ちなみに私が見に行ったとき、他には誰も客がいなかった。 まるで貸し切りみたい(笑)。 ヒーローなみの贅沢を味わわせてもらいました。  

66.「姉のいた夏、いない夏」 新宿シネマ・カリテ。 評価★★ ヨーロッパに旅行に出かけて自殺してしまった姉。 その姉の後を追うように、妹が数年後にヨーロッパに旅をし、姉の自殺の真相を確かめようとする・・・・・というアメリカ映画。 日本語のタイトルがウマイと思うが、肝心の映画自体はイマイチだった。 色んな人と会って姉の知られざる相貌を突き止めていく、というのではなく、姉の元恋人がすべてを知っているという筋書きなので、あっけなかったのですね。

67.「ディスタンス」 渋谷シネマ・ライズ。 評価★★ 「幻の光」で一躍脚光を浴びた是枝監督の最新作だが、あまり感心しなかった。 新興宗教教団の集団自殺事件をめぐる話だが、残された者たちの会話は自閉的だし、間に挟まる過去の映像も説得的とは言い難い。 断片的だからではなく、突き詰めることのない映画作りが余りに安易なのだ。 「日本映画は、だからつまらない」と言いたくなってしまいますぞ。

68.「点子ちゃんとアントン」 恵比寿ガーデンシネマ。 評価★★★☆ 『飛ぶ教室』等で知られるドイツの作家ケストナーの児童文学を映画化したもの。 原作は70年前に書かれているので、現代風にアレンジされているのだが、これが結構面白い。 特に点子の母親像がたくみに設定されている。 そして筋立てがくっきりしていて、と言ってハリウッド映画みたいに過剰に「作られ」ているのでもなく、映画の本流という印象がある。 新潟でも上映して欲しい。

69.「山の郵便配達」 岩波ホール。 評価★★★ 長年山奥の村へ郵便配達をしてきた父が引退して息子が跡を継ぐことになり、二人は愛犬 (これが「次男坊」という名。 中国の一人っ子政策が連想される) を連れて郵便配達に出かける、という中国映画。 淡々とした映像の中に、山村に生きる人々の生活ぶりや人間模様が、そして郵便配達夫としての父やそれを支えてきた母の苦労が浮かび上がってくる。 派手なところはないが、一見の価値のある映画である。

70.「猿の惑星」 WMC新潟。 評価★★ 映画の日だということで行ってみた。 昔一世を風靡した映画のリメイクだが (私は昔のは見ていない)、どうにも凡庸でつまらない。 この程度の映画が大騒ぎされるなんて、世も末じゃないかな。 暑いんだから、もっと面白い映画で気分をリフレッシュしたいものだが。

71.「陽炎座」 シネ・ウィンド。 評価★★★ ウィンドの鈴木清順特集を見に行ってみた。 今の若い日本人監督には作れそうもない独特の感性をもった作品で前半は面白く見ていたが、後半、やや疲れてきた。 もう少し短く作れないものか。

72.「ツィゴイネルワイゼン」 シネ・ウィンド。 評価★★★☆ 鈴木清順特集にまた行ってみる。 これは以前見たことがあるのだが、改めて作品に接してみると、内容はほぼ完全に忘れていた。 ただ、大楠道代のアヤしい山手夫人ぶりだけはかすかに覚えていたし、今回も印象に残った。 全然覚えてなかったが、大谷直子の二役も悪くないですね。 なお作中、「ヘクセンプロツェッセ」というドイツ語原書の書名が出てくるが、「魔女裁判」という意味です。 ご参考までに。

73.「夢二」 シネ・ウィンド。 評価★★★☆ 鈴木清順特集もこれで見納め。 大正ロマンを代表する詩人・挿絵画家である竹久夢二を材料に、自由に想像力をふくらませて作った楽しめる映画。 しかし、映画の出来はともかくとして、買ったパンフに文句を付けるぞ。 今回公開された3作の総合パンフが千円もするんだが、俳優(作品に出演している俳優じゃなく)だとか評論家のどうでもいい雑文が多すぎる! もっと写真を増やせ。 そして鈴木清順の詳細なフィルモグラフィーを付けるなど、資料的価値を追求せよ。 何のためのパンフなんだか分からないぞ。 業界関係者のもたれあいみたいなマネはやめて欲しい。 こんなにコストパフォーマンスが低いパンフも珍しい。

74.「千と千尋の神隠し」 UCI新潟。 評価★★★☆ 宮崎駿の、「もののけ姫」以来4年ぶりの劇場用大作アニメ。 やおよろずの神々が疲れを癒しに来る湯屋が舞台で、現世からあの世に紛れ込んでしまった少女がいかに元の世界に帰るかを描いている。 湯屋の内部が宮崎アニメ独特の、一昔まえのメカや建物へのこだわりを示していて、それなりに面白い。 しかし筋書きは含みが多くて、単純なようでいて謎めいている。 特に少女を助ける(そして助けられる)少年の名前が何を暗示するのかよく分からない。 設定は明らかに三途の川(西洋風に言うなら忘却の川)を下敷きにしており、現世に戻る際に振り返るなと言われるのも、日本や西洋の神話にある黄泉の国からの帰還の条件を暗示しているが、もう少し何かありそうな気配。 

75.「シベリア超特急」 シネ・ウィンド。 評価★ 映画評論家・水野晴郎が自ら主演して作った映画だが、チープな装置、チープな脚本、チープな演技、チープな歴史観(なんて立派なもんじゃないか)、チープなどんでんがえし・・・・・・・。 あらゆるものが安っぽく、小学校の学芸会を思わせる。 カネがないんだろうから装置がチープなのはまあ許すが、映画評論家の構想力や世界観ってのは所詮この程度かっ、と言いたくなるぞ。 まさか国士無双の一発逆転を狙ってるんじゃないだろうな(笑)。 今年はまだ4カ月残っているが、今年見たワースト映画の第一候補になりそう。 ついでに、テレビに出る評論家が作った映画だからってヘンに持ち上げる風潮も、この際だから批判しておく。 奴隷根性はやめようね。

76.「ジュラシックパーク3」 WMC新潟。 評価★★☆ 第一作はCG画面による恐竜の素早い動きで世間の度肝を抜いた話題作で、私も見たときには驚いたが、逆に言うと他に何があるか、という印象もあった。 第二作は見ていない。 今回第三作を見に行ったのは、上記42で惚れ込んでしまったティア・レオーニが登場するから、というだけの理由であった。 彼女、相変わらずチャーミングで、恐竜に追いかけられて絶叫するところなど実にいい。 考えてみれば、大昔のキングコング映画以来、美女と怪獣という組み合わせは不動のものであるはずで (最近の日本のゴジラ映画はこの基本を忘れているぞ。 求再考) その意味ではパターンに忠実な作りとも言えるが、でも何かもう一つ物足りなさが残るんだなあ。 爬虫類に興味ある少年だとか (男の子の夢を応援するというアメリカ精神に忠実)、資金不足に悩む学者だとか (身につまされますなあ)、色々出してきてはいるんだけど。 ティア・レオーニはブルジョワの伝統社会を描いた映画の淑女役で見てみたい。  

77.「釣りバカ日誌12 史上最大の有給休暇」 WMC新潟。 評価★★★ 実はこのシリーズ、見たのは初めてである。 今回も特段見たかったわけではなく、諸般の事情から行ったのであるが、まあまあ悪くないかな、という感じ。 日本人の精神安定剤的な映画。 社長役の三国連太郎と、マドンナ(?)の宮沢りえが好演している。 宮沢りえは、私は好きじゃないんだが、得な役で出ているので、ファンの人にはお勧め。 私としては青島幸男や谷啓がなつかしいなあとか、浅田美代子は私の学生時代に人気絶頂のアイドルで食べたくなるくらい可愛かったんだが、40代半ばの現在もさほど老けてないなあとか、懐古の気持ちで★3つ付けましたけど、若い人にはどうかな。 観客は年寄りが多かったし。

78.「火垂」 シネ・ウィンド。 評価★★★☆ 河瀬直美監督の最新作。 幼くして家族崩壊に会い家出してストリッパーになっている女と、包容力ある男が一緒に暮らすようになるという物語。 2時間45分に及ぶ作品だが、進行や映像に独特のものがあり、飽かずに見ることができる。 特にヒロインの年かさの友人である山口美也子が街なかでストリップを始めるシーンは、実に爽快! このシーンを見るためにだけでも映画館に足を運んでみましょう。 1日1回、1週間だけの上映というのは残念。

78の補足。 見に行った日が新潟公開初日ということで、主演の中村優子の舞台挨拶があった。 スラリとした肢体が目を惹く中村さんは、映像上で見るより美人であった (ホメているのかな・・・?)。 しかし30人余りの観客を前に、レポーターの質問に答える口調はごく普通の女の子といった感じ。 観客からの質問にも一所懸命に答えてくれて、会場は和やかな雰囲気に包まれた。 次回出演作も決まっているそうで、今後の活躍が期待される。

79.「大河の一滴」 WMC新潟。 評価★☆ 昼間、インターネットニュースでマイカル・グループ倒産を知ったが、映画館は普通にやっていた。 だが、金曜の夕刻だというのに客は私を入れてたった4人。 映画を見て、さもありなんと思う。 通俗的という言葉を絵に描いたような作品。 薄っぺらな人間描写、歯の浮くような会話。 五木寛之の原作自体が下らないからだろうが、脚本を書いた新藤兼人や監督の神山征二郎の責任も重かろう。 ただ、安田成美を久しぶりに映画で見たけれど、いい女になってきた。 もっとまともな映画に出してやらないと気の毒。

80.「蝶の舌」 シネスイッチ銀座。 評価★★★☆ 1930年代スペイン、共和制がフランコによりくつがえされる頃を時代背景に、引っ込み思案の幼い男の子が老教師との出会いなどをへて外界との接触を始めるさまを描いている。 古典的でオーソドックスな作りの、映画らしい映画で、私好みの作品と言える。 最後がお子さまヒューマニズム的甘さを拒絶しているところも、なかなかである。 

81.「ナンナーク」 シネ・ウィンド。 評価★★★ タイ映画。 身重の妻を自宅に残して出征した夫が瀕死の重傷を負うが、ようやく傷が癒えて帰郷すると赤ん坊を抱いた妻が迎えてくれる。 だが実は妻は夫の出征中に産褥で死去しており、迎えたのは彼女の幽霊だった・・・・・というお話。 死後幽霊になってまで夫に尽くそうとする貞淑な妻の美談なんだそうだが、自分が幽霊だということを夫にバラす近所の住人を殺しちゃうんだからハタ迷惑もいいとこ。 夫としても違ったタイプの女を後添いにもらいたいんじゃあ・・・・なんて考えてしまうワタシはあまりに現代日本人かしらん。

82.「人間の屑」 シネ・ウィンド。 評価★★ 父方の祖母の抑圧(?)から逃れたが、或る女につかまって妊娠され、その女から逃げて別の女と一緒になり、関西の母のところに転がり込んで出資してもらいうどん屋を始めるが、途中で奇妙なアイデアにとりつかれて大失敗をして・・・・・というような、甘やかされたボンボンのお話。 人間の屑、というより、中途半端に金持ちだからこうなるんだろうと思う。 親や祖母にカネがなきゃ、こんなバカ男は生まれないだろうな、というような批評性がもうすこし欲しい。 岸田今日子の祖母役が結構ブキミ。

83.「コレリ大尉のマンドリン」 WMC新潟。 評価★★★☆ ギリシアの風光明媚な島嶼を舞台に、第二次世界大戦期、この島を占領したイタリア軍の陽気で音楽好きな兵隊たちと島の人々の交流、そしてやがてイタリアが降伏するとドイツ軍が侵攻し陰惨な戦いが繰り広げられる様を描いている。 前半の展開が案外と奥行きがあって非常によかったが、最後のあたり、やや単純なメロドラマ風になってしまうのが惜しい。 ニコラス・ケイジのコレリ大尉もはまり役。 なお邦題のコレリはコレルリ、或いはコレッリとすべきではないか。 発音通りというだけでなく、イタリアの天才作曲家を思い起こさせるこの名のためにも。

84.「レクイエム・フォー・ドリーム」 シネ・ウィンド。 評価★★★ アメリカ映画。 ドラッグに蝕まれていく老若男女3人の物語。 コワいですね、恐ろしいですね、やっぱりドラッグは体に良くないですね、やめましょうね・・・・・と淀長調で言いたくなる作品です、はい。

85.「トゥーム・レイダー」 UCI新潟。 評価★★☆ 83室もある豪邸に住む美女が、父の残した手紙を手がかりに悪の組織と戦いながら秘宝を探し求める、というお話。 ヒロインのアンジェリーナ・ジョリーがセクシーで強いヒロインを演じているというので前評判の高い作品だが、彼女はワタシの趣味からいうとイマイチなんですね。 話の展開も、アクションと推理と神秘主義のごた混ぜで、性急かつ焦点が絞り切れていない感じ。

86.「ドラキュリア」 WMC新潟。 評価★★★ 現代に甦った吸血鬼ドラキュラ。 その出自と不死の秘密を解こうとする科学者、なぜかドラキュラと心理的交流がある科学者の娘などを配して、ドラキュラのアッと驚く秘密が最後に明らかにされるという筋書き。 吸血鬼の恐怖と謎とをうまくミックスさせてそれなりに楽しめる作品になっている。 科学者の娘役のジャスティン・ワデルも、日本なら本上まなみみたいな感じで、結婚するならこのくらいの美人がいいかなあと思わせる(ホメているのか?)。 ちなみに金曜の夕刻に見に行ったのだが、場内はワタシ一人。 こういう映画を一人きりで見るっていうのもオツですなあ(笑)。 現在新潟にはシネコンが3館あって過当競争気味だが、この映画はここでしかやっていない。 悪くない作品なんだからもっと客が入ってもよさそうなんだけど。

87.「ターン」 WMC新潟。 評価★★★ 母と二人暮らしの牧瀬里穂が、或る日交通事故に会った瞬間、前日の同時刻、自宅で午睡からさめたところにタイムスリップする。 しかし、そこは彼女以外だれもいない世界だった・・・・というお話。 だれでもいつでも千円という特別価格の映画だけど、十分に楽しめ、正規料金分の価値のある作品です。

88.「カルテット」 Tジョイ新潟万代。 評価★★★ 音大生が弦楽四重奏団を組んでコンクールに出たものの、惨敗。 各人それぞれの道を歩み始めて3年後、偶然再会した4人は再度カルテットを組んでコンクールを目指す・・・・というお話。 作曲家・久石譲が監督をしているという話題作。 第一ヴァイオリンの袴田吉彦が武骨にすぎる若者を好演、第二ヴァイオリンの桜井幸子も、結婚するならこのくらいの美人がいいかと・・・(表現がマンネリだぞ、コラ)。 またチェロを弾く富豪のお嬢様役の久木田薫は、現役の芸大生だそうである。 話題も多いが、映画としての出来もまあ悪くない。 なのに、ワタシが見に行ったときは観客がたったの二人。 新潟の映画ファンよ、見に行きませう! なお、作中の音楽はすべて久石譲の手になるものなので、ベートーヴェンやモーツァルトを聴けるのではと期待して行くと拍子抜けする。 音楽ファン向けに、念のため。

88の補足。 初めてTジョイに行ってみて問題が色々あるなと感じたので、別ページにまとめてみました。  

89.「陰陽師(おんみょうじ)」 WMC新潟。 評価★★★☆ 平安時代を舞台に、陰陽師、つまり超能力者の野村萬斎と真田広之が対決するSF時代劇。 野村萬斎のニヤけた風貌は人により好き嫌いがあろうが、どこか性別を超越したような妖しさがあって買いだと思う。 後半の展開はやや凡庸だが、前半の独特の雰囲気は悪くない。 源博雅役の伊藤英明に対する野村の、多分友情の域を越えた愛情が、もう少し濃密に表現されていれば、なお説得力が増したと思うのだが・・・・。

90.「新・雪国」 シネ・ウィンド。 評価★★★☆ 祖父以来続いていた会社をつぶしてしまい、家族とも別れて、200万円をふところにふらりと雪深い冬の温泉町にやってきた奥田瑛二が、やはり事情があってそこで芸者として働いている笛木夕子と知り合って恋に陥る・・・・。 くたびれた中年男を演じる奥田も悪くないが、何といっても笛木の新鮮な魅力が光る映画である。 こういう芸者がいる温泉なら、ワタシも定期預金を解約して出かけようかなと思うくらい。 筋書きや展開はまあ普通だけど、笛木の美しさがすべてを補って余りある。 それほど彼女は素晴らしい! マイナーな会社が作ったせいか、パンフがないのが残念至極。

91.「スウィート・ノベンバー」 UCI新潟。 評価★☆ キアヌ・リーブスとシャーリーズ・セロンという美男美女の組み合わせによるラブストーリーだが、期待はずれだった。 原因は、双方が惹かれ合うまでの背景描写の薄っぺらさや、仲が進行する様子の不自然さによる。 いくら美男美女のラブシーンをばらまいても、それだけじゃラブストーリーにはならないんですぜ。 36と比較して、ハリウッドが恋愛ものを作るのにこれほど拙劣だとは・・・・・病気かも知れないなあ。

92.「プラトニック・セックス」 WMC新潟。 評価★★★★ 親に日頃の行状を叱られて家出した女高生が、ホステスになったりアダルトビデオに出演したりですさんだ生活を送る。 やがて或る若者と出会って再生への糸口をつかむが・・・・・。 某女優のベストセラー本を原作とする映画で、私は映画の日に興味半分で見に行ってみたのだが、これが意外な拾い物であった。 まずヒロインの加賀美早紀がいい。 食べちゃいたいくらい可愛い、しかし投げやりな、絶望を内に秘めた16歳を見事に演じている。 相手役のオダギリ・ジョーもナイーヴでありながらカッコつけの若者を好演。 加えて脇役二人が作品の奥行きを深めている。 まず先輩ホステス役の野波麻帆。 割り切ってホステス業にいそしみ、転機と見るやさっさと結婚に踏み切りながら、さりげなくヒロインに女の生き方を伝授する。 野波は「ekiden」でも脇役ながらヒロインの田中麗奈を凌ぐ存在感を見せていたが、注目すべき女優ですね。、さらに、「慈善家」という人を食った職業(?)で登場する阿部寛。 こういう人物って実在するかどうか知らないけど、今までの日本映画では余り見あたらなかった面白い役だと思う。 とにもかくにも、脇役で楽しめ主役で感動できるお薦め映画です。   

93.「少女」 渋谷イメージフォーラム。 評価★★ 奥田瑛二が監督と主演を兼ねた映画。 冴えない中年男の警官(奥田)がふとしたことから少女を買い、やがて深い関係になるが・・・・。 インパクトがないし、作品の焦点が不明。 警官と少女が深い仲を確認するために少女が警官に倣って背中に刺青を入れる、ってのはヤクザ映画みたいでちょっと発想が古すぎはしませんかね。 なお原作は連城三紀彦の同名の小説だということになっているが、いったいどこが?と言いたいくらい筋書きが似ていないぞ。  

94.「フレンチ・カンカン」 ラピュタ阿佐ヶ谷。 評価★★★ ルノワールの高名な映画だが、見たのは初めて。 キャバレーを経営するジャン・ギャバンが新機軸としてカンカン踊りを創出する経緯を描いている。 途中の展開はややタルいけど、最後の踊りのシーンは圧倒的な迫力。 ヒロインの・フランソワーズ・アルヌ−ルは、由美かおるに似てますね。 踊りのシーンの直前に、拗ねて踊らないと言い出した彼女に、ギャバンが 「元の恋人との平凡な暮らしか、お前に惚れた某国王子との豪華な暮らしか、それとも踊ることに賭けるのか」 と迫る場面もいい。

95.「ピストル・オペラ」 渋谷シネパレス。 評価★★★ 鈴木清順監督久しぶりの映画。 清順美学はいつものようにたっぷり用意されている。 やや前衛性が増したようだが、監督の年のせいか、或いは私のトシ(をとったがための気)のせいか。 それにしても江角マキコと山口小夜子という、頭が小さく背が高い女優同士の張り合いを見ると、日本人の体格も向上しているんだなあと痛感してしまう。

96.「夫が見た」 シネ・ウィンド。 評価★★★ 最近再評価の機運が高まっている増村保造の映画が新潟でもシネ・ウィンドで連続上映されている。 とりあえずということで行ってみたのがこれ。 会社人間の夫にかまわれず不満を抱く若尾文子が、夫の会社の乗っ取りをたくらむ田宮二郎に惹かれていく、というお話。 筋書きは今からするときわめてありきたりで、別の言い方をするなら女の不満を描くのに日本は35年前から全然進歩していないということになるが、人妻の色っぽさをにじませる若尾とハンサムな田宮の組み合わせはある種の典型としての価値を有すると言えるだろう。 フィルムの状態はたいへん良好。 

97.「妻は告白する」 シネ・ウィンド。 評価★★★ 増村保造特集にまた行ってみた。 個人的な思い出を書くと、この作品、ワタシが小学校3年生の時に公開され、ワタシの住んでいた地方都市でも上映されて、通学途中の駄菓子屋にポスターが貼ってあった。 「妻は告白する」なんて曰くありげなタイトルに興味を惹かれたが、親に見たいとせがむのもはばかられたし、無論一人で行く度胸もカネもなかったから、それっきりになってしまった。 それから40年、ようやく見ることができたのは、いわば幻の恋人に40年ぶりで再会したみたいなものか。 ただ、ポスターは確かカラーだったが、映画はモノクロなんですね。 96に続いて若尾文子の色っぽい人妻姿を見ると、こういう奥さんが欲しかったなあ、としみじみ思うのであります(以下略)。

98.「卍(まんじ)」 シネ・ウィンド。 評価★★★ ウィンドでの増村保造特集、私としてはこれが最後だが、時間的な制約などから3本しか見られなかったのは残念。 さて、これは谷崎潤一郎原作による女性の同性愛+心理劇の映画。 関西弁でやっているので何となくゆるやかな感じになっているけど、東京弁だとかなりキツく感じられる内容ではある。 若尾文子、やっぱり綺麗ですね。 パンフレット、買ってみた。 1050円だけど、増村のフィルモグラフィーがあるし、若尾文子へのインタヴューも収録されているので、鈴木清順特集のパンフと違って(73を参照)コストパフォーマンスは低くない。

99.「冷静と情熱のあいだ」 UCI新潟。 評価★★ イタリアと日本を舞台にした、竹野内豊とケリー・チャン主演による恋愛映画。 全体として薄味で、見る者の心に食い入ってくるようなところがない。 淡々とした、という感じでもない。 ケリー・チャンも、以前の硬質の冷たい美人タイプから大人の女に変化しつつあるようだが、それが作品に活かされていない。 

100.「魚と寝る女」 シネ・ウィンド。 評価★★ 韓国映画。 ミステリアスで幻想的な作品だというので期待して見に行ったのだが、イマイチであった。 たしかに変わった風景のもと、尋常ならぬ筋書きが展開されるが、俗っぽいシーンも多く、感興をそがれる。 作り方次第でもっといい作品になりそうな予感はあるのだが。 

付け足し。 ところで、「魚と寝る女」で今年は映画を100本見たことになる。 以前にも100本に達した年があったはずだが、と思って調べてみたら、1988年に103本見ていた。 13年ぶりの大台というわけだ。 ついでにここ15年ほどの間、毎年どのくらい映画を見たかを調べてみた。 映画館で見たものだけでの計算である。 こうしてみると、94年だけが目立って少ない。 教養部解体前後の年だから忙しくて映画館に行っている暇がなかったのか、或いはいい映画が少ない年だったからなのか。

86年―72本、87年―87本、88年―103本、89年―86本、90年―80本、91年―92本、92年―86本、93年―81本、94年―61本、95年―77本、96年―82本、97年―86本、98年―78本、99年―85本、00年―86本

101.「リリイ・シュシュのすべて」 WMC新潟。 評価★★ 岩井俊二の最新作。 昔なら新潟には来ないか、或いは数ヶ月遅れでウィンドに来ていたような映画が、東京からは若干遅れるものの大きなスクリーンで見られるようになったのも、シネコン乱立のお陰だろう。 しかし、肝心の作品は余り面白くなかった。 縦糸がイジメを含む昨今の中学生生活、横糸がリリイ・シュシュという歌手をめぐるネット上の言説と大衆的状況なのだが、殺風景な郊外の空がそのまま登場人物たちの絶望を示しているような気だけはしたのだけれど。

102.「Interview」 渋谷シネパレス。 評価★★★ 韓国映画。 「カル」や「八月のクリスマス」で日本でも人気の高いシム・ウナ主演。 普通の人たちへのインタビューで映画を作ろうと企画した映画監督。 そのインタビューにシム・ウナが虚偽の答をしたところから始まって、次第に二人が奇妙な交流を始める様を描いている。 うーん、シム・ウナは相変わらず魅力的。 こういう謎を宿した女を演じると最高ですなあ。

103.「URAMI」 渋谷イメージフォーラム。 評価★★★ 会社では上司にイビられ、家では妻に冷遇された上に不倫され、親友には投資のカネをごまかされ・・・・・・という具合に万事に冴えない男。 その彼がある日目覚めると仮面が顔にこびりついて離れない。 仮面により別人格へと変わった彼が、上司や妻に復讐を始める・・・・・。 ジョージ・A・ロメロ監督作品。 日頃からストレスがたまっている人にはお勧めできる。

104.「薔薇の婚礼」 池袋シネ・リーブル。 評価★★☆ 日本人による日本人俳優の作品だが、ヨーロッパを舞台に想定したドラキュラ映画。 ドラキュラ伯爵に仕事を要請されて、美しい婚約者を英国に残して遠く東欧へと出かけた青年。 伯爵の城で見た今はなき伯爵夫人の肖像は、結婚を控えた自分の婚約者そっくりだった・・・・・・。 音楽はふんだんに使っているが、台詞はすべて画像に文字で出るという、サイレント的な手法をとったカルトっぽい映画。 雰囲気は十分あるけれど、筋の展開がイマイチ説得的でなく(三すくみ状態はいいのだが、シマ荒らしは困るだけじゃ、笑ってしまうよ)、一工夫欲しい。 

105.「笑う男」 シネ・ウィンド。 評価★☆ 日本におけるイタリア紹介年ということで、イタリア映画祭が東京で催され、新潟でもシネ・ウィンドで1週間だけ上映された。 せっかくだからと時間を作って1本だけ見に行ってみたが、失望。 前半は筋書きは分かるが、オペラが出てくるのでイタリア的イメージで話が進むのかというとそうでもなく、後半に至っては筋書きもよく分からず、前半とのつながりとなると皆目分からない。 夢と過去と笑い(病)が何か相互関連していそうだが・・・・・・。 筋書きがよく分からなくても面白い映画というのもあるが、これはその範疇に入らないと思う。

106.「ポワゾン」 WMC新潟。 評価★★★★ 植民地時代のキューバ。 手紙のやりとりと写真だけで結婚を決めたアントニオ・バンデラスのところにやってきた相手は、写真とは似ても似つかぬ美人(アンジェリーナ・ジョリー)だった。 二人はしばし至福の新婚時代を送るが・・・・。 エンターテインメントとして非常に良くできた作品。 中南米の植民地時代の建物や風俗、そして奇抜な筋の展開を十二分に楽しめる。 アンジェリーナ・ジョリーも、85よりこういう役の方が合っている。

107.「スパイ・キッズ」 WMC新潟。 評価★★★ 敵方同士だった男女のスパイが恋に落ち、仕事を辞めて家庭を築く。 しかしやがてかつての仕事がらみで再度スパイ業に手を染める羽目になってしまうが、ブランクがたたって腕が落ちており、敵方に捕えられてしまう。 そこで彼らの子供である幼い姉弟が親を救わんと、最新式の装備を武器にスパイの仕事に乗り出す・・・・・。 マンガちっくなお話で、敵方の設定などもリアリズムからは遠くてクレイ・アニメ風ではあるが、そういうものとして割り切って見ればまあ悪くない娯楽作品と言える。

108.「バニラ・スカイ」 Tジョイ新潟万代。 評価★★ 大出版社を親から引き継いで経営しているトム・クルーズは、通い同棲している恋人(キャメロン・ディアス)もいて順風満帆の生活。 ところが誕生パーティーで清楚な女性ペネロペ・クルスを見そめたために恋人の嫉妬を買い、自動車に同乗している時に無理心中を図られる。 目覚めた彼を待っていたのは、どこからが夢でどこまでが現実なのか分からない世界だった・・・・・。 面白そうでありながら、かなり凡作になってしまっているのは、作り方に凝りすぎたためであろう。 下手に長く、また最後の説明がとってつけたよう。 スペイン映画のリメイクだと言うけど、元のほうを見てみたいものだ。 ハリウッドが手を出してかえって悪くなってるんじゃないか。 

108の補足。 じつは 「千年の恋」 を見るつもりで行ったのだが、見られず、代わりに (まあ、いずれWMCかUCIで見るつもりはあったんだけど) 「バニラ・スカイ」 を見たのである。 そのいきさつについては、ここを。

109.「とっとこハム太郎――ハムハムランド大冒険」「ゴジラ・モスラ・キングギドラ――大怪獣総攻撃」 UCI新潟。 評価★★☆ 子供を連れて見に行ったものだが、前者はどう見ても小学校低学年向けであり、後者は小学校高学年から大人向けということで、対象年齢層がズレている。 (ワタシの子供は小1、小6,高1) 映画会社には少し考えてもらいたい。 ゴジラの方についてだけ少し述べると、どうも「日本の守り神」の怪獣が弱すぎる。 何とかして欲しい。 それと主演女優が私の好みじゃないので何とかして欲しい。 広末と何となく似てるんだが、ワタシには彼女は全然好みじゃないんだけどねえ。 その代わり、南果歩が出ていたのはよろしいけれど。 軍服姿の彼女、なかなか魅力的だった。 もっと出番を増やして。 あ、ワタシの女優の好みの話ばっかりしてしまって、すみません。 

110.「青い夢の女」 シネスイッチ銀座。 評価★★★☆ 「ディーバ」と「ベティ・ブルー」で知られるジャン=ジャック・ベネックス監督最新作。 夫に殴打されることで快感を得る美貌の人妻(エレーヌ・ド・フジュロール)の話を聴いていた精神分析医(ジャン=ユーグ・アングラード)は、つい居眠りをしてしまう。 目覚めると、美しい患者は扼殺されていた。 話を聴いている自分が夢遊状態で彼女を殺してしまったのか・・・・・・? エロスと推理ドラマと喜劇を兼ね備えた、楽しめる映画である。 なおヒロインに加えて、精神分析医の恋人役で登場するヴァレンティナ・ソーカも魅力的な女優で、二大美女の競演も見物。

111.「Dr.Tと女たち」 日比谷スカラ座2。 評価★★ ロバート・アルトマン監督作品。 ハンサムな中年産婦人科医リチャード・ギアがさまざまな患者に悩まされる喜劇・・・・・・かと思って見に行ってみたのだが、案に相違して、精神異常を来した妻や、結婚直前に昔のレズビアン癖を取り戻してしまう娘などに悩まされるお話でした。 こちらの期待の地平を裏切っているが、裏切ったことで意外な面白さが出ているかというと、そうでもない。 というわけで今年最後の映画はイマイチだったのでした。

 

 

 

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