私の場合、職業と全然関係ない、純度百パーセントの趣味というと、卓球くらいしかない。
といっても、「そうですか、実は僕もそうなんです。お手合わせを」なんて言ってこないように。私の運動神経は自他ともに許すほどニブいので、腕前の方は公言するにははばかられるからである。
これまでで多少誇れる戦績というと、98年4月の新潟市・市民卓球大会・男子Dクラスで2位に入ったのが最高である。
と書くと立派に聞こえるかも知れないが、男子は腕前別に4階級に分かれていて、一番上手な人が出るのがAクラス、以下B、Cとなっていくから、Dクラスとは要するに一番下手なのが集まって競うクラスなのである。だからそこで2位に入ったとしてもタカが知れているわけ。それでも、Dクラスの上位入賞の常連というならまだしもだが、上位入賞はこれ一度きりで、あとはいつも1ないし2回戦敗退なのだから、とてもじゃないけど威張れない。(市民卓球大会は、年3回行われる。)
98年秋の新潟市西地区卓球大会では、男子Cクラスで優勝した。が、これも地域限定の大会で、しかも3階級あるうちの最弱クラスでの優勝だから威張れない。
追記: その後、99年夏の新潟市・市民卓球大会では男子Dクラスで3位に入った。が、この大会、男子Dクラスには13人しか出場者がいなかったのです。そこでベスト4に残っても……ま、いばれませんね。
しかし、そんな人間が言うのも何だが、卓球は趣味にするスポーツとしてはお勧め品である。
その理由を挙げると、
どうです、いいことずくめでしょう。
ちなみに作家の姫野カオルコも次のように述べている。
「ビジネスマン向きの雑誌にエッセイを書くことになった。テーマは〈ゴルフなんて大嫌い〉である。
私はゴルフをしない。ゴルフに興味がない人間である。(中略)
ゴルフというスポーツ自体に罪はない。
アメリカやオーストラリアや平地の多いイギリスなどで、環境を活かしたコースで行うゴルフは楽しいものなんだろう。ただ、〔山だらけの〕日本でゴルフをうれしそうにしているのが不可解なだけである。(中略)
だから、日本の国土にふさわしいスポーツは卓球である、と提案することにした。
タモリのせいで卓球はいわれのない悪口をひとえに受けるスポーツとなってしまった。
なげかわしいことだ。
あんなにスリルとサスペンスとスピード感を満足させてくれるスポーツはないのに。
ゴルフ場ひとつで、いったいどれだけの卓球台が置けることだろう。
私は夢みる。
駅のホームでみっともなく腰を曲げて両手を股間のあたりにかまえ、シコッシコッと小刻みなスイングをする不埒者めが一掃される日を。(中略)
私は夢みる。
駅のホームでさっそうと腕をひきしめて卓球のフォームを練習する人々が増える日を。」(『禁欲のススメ』より)
どうです、いいこと言ってるでしょう。
なお、私の所属しているのは「西内野卓球クラブ」である。年会費はたった二千円。これで週2回2時間練習できる(火・土、夜7時より)のだから安いものだ。もちろん、大学生でも入会可。興味のある方はメールでお問い合わせを。