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 以下は、2009年3月23日に新潟日報に掲載された映画 『ベルリンフィル 最高のハーモニーを求めて』 の紹介記事である。

 

 伝統背負い新しさ追求       三浦 淳

  世界最高のオーケストラとされるベルリン・フィル。この映画は二〇〇五年に
行われたアジア・ツアーの模様を映したものである。

  トマス・グルベ監督は以前にも 『ベルリン・フィルと子どもたち』 という映画
を作っている。 同楽団の演奏する 『春の祭典』 をバックに地元の子どもたちがダ
ンスを踊る企画を扱ったドキュメンタリーだ。 世界一の楽団と無名の子どもたち
の共演は、子どもたちには何かを成し遂げることの大切さを教え、楽団には市民
に活動を広く認知してもらうための道を拓いた。 ヨーロッパ伝統芸術の枠を乗り
越える試みという点では今回のアジア・ツアーも (しばしば来ている日本を除け
ば) 同じで、監督は同楽団の最近の動向を一貫して追っていると言える。 台北で
の群衆の大歓迎ぶりなど、古典音楽のお行儀良い聴衆のイメージを大きくはみ出
している。

 首席指揮者ラトルは英国人である。 ベルリン・フィルはフルトベングラーやカ
ラヤンなどドイツ語圏出身指揮者に率いられた歴史を持つが、近年はイタリア人
アバド、そしてラトルと、非ドイツ系指揮者が続いている。 団員にも様々な国籍の
奏者が採用されており、コンサートマスターは日本人の安永徹である。映画に収
録された団員インタビューではドイツ語だけでなく英語やそれ以外の言語もとび
かっており、改めてこの楽団の国際性を印象づけている。

 本作の大きな見どころはこのインタビューだろう。 ベルリン・フィルの団員な
のだから幼時から楽器を習い自信満々で生きてきたのかと思われがちだが、劣等
生で吃音に悩まされながらも楽器のお陰で救われたと告白する団員もいる。 音楽
は生活の手段だけではなく、生きる意味を与えてくれたのだ。

 試験雇用されている団員の姿も興味深い。 一定期間を仮の団員として過ごし、
その後で正規雇用されるかどうかが決まるので、いわばまな板の上の鯉だ。 プロ
音楽家の世界の厳しさが垣間見える。

 ツアーではベートーベンの 『英雄』、R・シュトラウスの『英雄の生涯』、ア
デスの 『アサイラ』 が演奏されている。 中でも 『英雄の生涯』 は映画全体の進行
を支える役割を果たしており、本作を見てこの曲の魅力に目覚める人も多いので
はないか。 アデスは現代英国の作曲家で、古典だけでなく現代芸術にも積極的に
取り組む楽団の姿勢がうかがえよう。 伝統を背負いながら新しさを追求するベル
リン・フィル。 その姿があざやかに浮かび上がってくる映画である。

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