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 新潟ドイツ映画祭に寄せて 多様性の一端触れて

  新潟日報 2013年10月9日 文化面 (第18面) 掲載

 

 シネ・ウインドでドイツ映画特集が組まれることになった。上映作品は大別して二つのグループに分けられる。ニュー・ジャーマン・シネマと最近の作品とである。
 ドイツ映画界は第二次大戦で壊滅的な打撃を受けたが、一九六〇年代半ばから八〇年代初頭にかけて新世代の監督による作品が国際的な注目を浴びた。これがニュー・ジャーマン・シネマである。今回はその中でも代表的な監督であるファスビンダーとヘルツォークが取り上げられる。
 ファスビンダーの『マリア・ブラウンの結婚』、『ローラ』、『マルタ』の三作品はいずれもタイトルにヒロインの名が含まれている。前二者ではヒロインの生き方と戦後西ドイツ社会との関係に注目したい。それに対して『マルタ』はヒロインが謎めいた夫に操られるサスペンスである。作品ごとの味わいの違いを楽しむのも一興であろう。
 他方ヘルツォークは、ドイツという枠を越えた個性的な映画作家である。『アギーレ/神の怒り』と『フィツカラルド』はいずれも南米アマゾン川支流を舞台とする。前者では十六世紀に黄金郷を求めて原始的な大河をイカダで航行し、やがて正気を失っていくヨーロッパ人の姿が衝撃的だ。後者は十九世紀末、アマゾン川流域にオペラハウスを作ろうと考えた男の奇想天外な物語である。
 これ以外の三作品は、いずれも最近のドイツ語圏映画の中から秀作が選ばれている。グロブラーの『コッホ先生と僕らの革命』は、十九世紀後半のドイツを舞台に、当時は新しいスポーツであったサッカーを導入しようとする英国帰りの教師と生徒たちが繰り広げる物語である。今回の上映作品中では最も素直に楽しめる一品であろう。
 ハネケの『白いリボン』には逆に謎めいた不可解さが宿っている。第一次大戦直前のドイツの村で犯罪が起こるのだが、この映画はその解明よりは、犯罪を生み出す時代や土地柄を丹念に描き出しているところに妙味があるのではないか。
 ペッツォルトの『東ベルリンから来た女』は、ドイツ統一以前、一九八〇年の東ドイツを舞台とする。田舎町に左遷された若い女医が、社会主義体制の厳しい監視下、恋愛と仕事の狭間で悩み、西側に脱出するかどうかの決断を迫られる。
 こうして概観してみると、ドイツ映画と一口に言っても実に様々であるという、当たり前の事実に気づくだろう。日本や米国で多様な映画が作られているように、ドイツ映画も決して単純にくくることはできない。今回の特集でそうした多様性の一端に触れていただければ幸いである。

 

 

 

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