卓球関連図書

 

荻村伊智朗+藤井基男(著)『卓球物語』(大修館書店) 1700円

 卓球の始まりや、日本に伝わったのがいつかなど、卓球の歴史を綴った興味深い本です。

 海外と交流がなかった頃の日本卓球がすでに世界レベルに達していたなど、日本人が昔から西欧とは独自に技術や文化を発展させるのが得意だったのでは、などと考えさせられる内容です。

 後半は技術史で、卓球を実際にやっている人には見逃せません。 歴代の名選手を知るのにも最適。

                                                                            (00年4月14日掲載)

荻村伊智朗(著)『卓球・勉強・卓球』(岩波ジュニア新書) 品切中

 1994年12月、荻村伊智朗氏が亡くなりました。氏の名前は学生諸君には馴染みが薄いでしょうが、戦後間もなく卓球の世界チャンピオンになり、その後国際卓球連盟の幹部として名をなし、世界的なスポーツ交流に尽力した人です。

 この本を読むと、第二次大戦後十年とたたない頃の貧しかった日本で好きなスポーツに打ち込んだ人々の気迫と情熱が伝わってきます。

 日本チャンピオンになって世界選手権派遣選手に選ばれた荻村選手でしたが、日本卓球協会は男女各4名の派遣ワクに対して6名ずつを発表しました――なぜでしょうか? 経済力に乏しかった当時の日本は世界選手権に人を派遣するだけのお金がなく、渡航費用は選手の自己負担だったのです。

 そして円の価値が低かったため、欧米に遠征するには一人当たり今のお金で八百万円が必要で、自己負担できない人がいることを見越して協会は多目に選手を選んだのでした。

 母子家庭で貧しかった荻村選手は、街頭募金をして渡航費用を集めたのです。今からすると信じられない話ですが、そうして集めたお金で見事世界チャンピオンになって帰国した当時の卓球選手の話には、単なる美談に片付けられない重みがあると私は思うのです。

 戦後間もない頃の英国の反日感情などを知る歴史読物として、またスポーツと国際交流の両面に貢献した、単なる運動バカではない知的人間の自伝として、様々な読み方ができるすぐれた書物と言えましょう。残念ながら目下品切中で、図書館や古本屋で探すしかありません。岩波書店はすみやかに再版してほしいものです。

                                              (新潟大学生協発行・書評誌『ほんのこべや』第8号〔1995年春〕掲載)

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