映画評2002年

 

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 2002年に見た映画をすべて紹介。 5段階評価と短評付き。

  評価は、★★★★★=すぐ映画館に駆けつけるべし (大傑作につき見ないと一生の損)。 ★★★★=十分な満足感が得られる (いい作品だから見てごらんよ)。    ★★★=平均的 (見て損はない)。 ★★=劣る (カネと時間が余ってたらどうぞ)。 ★=駄作 (カネをドブに捨てるようなもの)。 ☆は★の2分の1。

 

118.「グレースと公爵」 シャンテ・シネ(日比谷)。 評価★★★☆ エリック・ロメールの作品はあまり好きではないのだが、タイトルに惹かれて見てみたところ、悪くない映画だった。 フランス革命の恐怖政治に揺れるパリを舞台に、自分の信念に基づいて行動する英国貴婦人グレースと、彼女を敬愛しつつ革命政府内で必死の努力をしながら最後に処刑されてしまう老公爵との交友を軸としつつ、時代の様相を描いている。 なんといってもヒロインを演じるルーシー・ラッセルの気品に満ちた演技がすばらしい。 彼女が革命裁判にかけられ、いい加減な理由で危うく有罪になりかけるところなど、私は大学紛争時代に学生だったので、その頃を思い出しながら見ていて結構迫力を感じた。 なお、パリの景観がCG画面で構成されているが、意図的にだろうがリアリティがなく、風景画的という評もあるらしいが、私の見たところではアニメみたいな感じである。 ここは好き嫌いが分かれるところだろう。 いずれにせよ、2002年締めくくりの映画としてまともな作品でした。 

117.「わすれな歌」 シネスイッチ銀座。 評価★★ タイ映画。 アメリカのアカデミー賞で外国映画部門賞をとった作品だそうだが、さして面白いとは思わなかった。 兵役で恋女房と引き裂かれた男が、軍隊から脱走して歌手になろうとするも、運命の波にもてあそばれ・・・・・というような筋書き。 タイも世俗化されているのだと思ったけれど、それゆえに映画に様式性のようなものが感じられず、雑然とした印象を残すに終わっている。 映画の賞ってのはアテになりませんからね。 作中、76の作品が出てくるのがご愛敬だが、映画の出来としても76のほうがはるかに上。

116.「とっとこハム太郎・ハムハムハムージャ、幻のプリンセス」「ゴジラ対メカゴジラ」 UCI新潟。 評価★★ 子供を連れて見に行ったもの。 ゴジラについて言うと、どうもゴジラの迫力がイマイチ。 筋書きのひねりももう少し欲しい。 それとヒロインの釈由美子って、どうも私の好みではない。 もっとチャーミングな女の子を抜擢して欲しい。 前総理役で出てくる水野久美のほうがよほどキレイ。 骨格美人だから年を取っても魅力的なんだよね。 釈由美子なんて、10年もたちゃ誰も見向きもしないと思うぜ。

115.「8人の女たち」 UCI新潟。 評価★★★☆ ある朝、一家の主人が背中を刺されて死んでいるのが発見される。 大雪で屋敷は外部とは遮断されている。 妻、娘、義母、義妹、実妹、女中など、屋敷内に残る8人の女たちの誰かが殺人犯なのだ。 真犯人はだれか・・・・。 という筋立てのフランス映画だが、ミステリーであると同時にミュージカルでもあり、また女たちのどろどろした関係が暴かれていくところが、映画と言うより演劇ふうに表現されているのが面白い。 長女役のヴィルジニー・ルドワイヤンの清楚な美貌、妻役のカトリーヌ・ドヌーヴの老いてなお妖艶な魅力が悪くない一方で、女中役のエマニュエル・ベアールの衰えが目立つ。 ううむ。

余談。 114と115の間に1カ月もの時間が経過した。 1カ月間映画を見ずに過ごすのは、私としては珍しい。 忙しかったこともあるが、見たいと思う映画がなかったのが一番の理由。 新潟市のスクリーン数は、シネコン3つの乱立で増えている。 ポルノ専門1つを除いても、27スクリーンあるのだ。 ところがその割りには上映されている映画の種類は少ない。 ハリウッドの人気作や、日本製の子供向けアニメなどはシネコン3つで競演しているし、それどころか同じシネコン内でもスクリーンを2つ使ってやっていたりする。 私に言わせれば無駄もいいところで、もっと多様な映画を、特にヨーロッパ系やアジア系の映画を取り上げて欲しいのだが。 一方で、単館系を中心にしているシネ・ウインドは、どうもマイナー色が強く、特に同性愛だとか性転換だとかの映画だと取り上げられやすかったりして、傾向に片寄りが見られる。 もっとも運営側の好みだけでなく、上映したくてもフィルムを確保するのが大変というような実際的な問題もあるようだが、言い換えれば容易にフィルムが確保できる映画、すなわちマイナーで他の地方都市であまり需要のない映画が来やすい、ということでもある。 要するに、新潟市では大衆受けするハリウッド映画やお子さま向け映画と、マイナー・オタク向け映画に挟撃され、その中間の領域がなおざりにされがち、ということなのだ。 そうした中、115の 「8人の女たち」 が東京とあまり時間差がなくUCI新潟で取り上げられたのは、称賛に値すると思う。 新潟市内の映画関係者のいっそうの努力を希望したい。

114.「たそがれ清兵衛」 UCI新潟。 評価★★★☆ 山田洋次の映画だというので二の足を踏んでいたが、評判がいいという話なので見に行ってみた。 なるほど、悪くない。 筋書きや登場人物の発言などには山田ならではの通俗性が感じられるのだが、その通俗性が鼻につかずつつましく全体を支えているところが買いだ。 映画ってのは、やっぱりこういうところがないと人気が出ないもんだよな、と、必ずしも皮肉でなく感じたことでした。 宮沢りえが好演。 ただ残念なことにワタシは彼女のファンではない。 水野真紀だったらもうちょっと点数を上げたんですけど。

113.「ガルシアの首」 シネ・ウィンド。 評価★★☆ 30年近く前の映画だが、ウィンドの17周年記念祭で上映されたので見に行ってみた。 最初と最後は面白いんだけど、中途が退屈。 「ガルシアの首」をめぐってもう少し筋書きの工夫ができなかったものかと思いました。

112.「トリック――劇場版」 UCI新潟。 評価★★★ テレビドラマの映画版だそうである。 私はテレビの方は未見だが、こちらは結構笑えて喜劇として悪くない出来だ。 最初、阿部寛のエリート同窓会でトイレの宝探しが決まり、国土交通省で企画をたて財務省で予算を付けるというところが抱腹絶倒。 売れない奇術師の仲間由紀恵もコメディエンヌぶりが様になっている。 全体としていじましいネタをそうと自覚しつつやっているところが、87との根本的な相違と言えよう。

111.「チェンジング・レーン」 WMC新潟。 評価★★ 裁判所に急ぐ白人の若きエリート弁護士と離婚調停所に急ぐ黒人の中年男が、クルマの接触事故を起こす。 動かなくなった中年男のクルマを置き去りにして弁護士はその場から遁走。 しかし事故現場に大事な書類を置き忘れていた。 離婚調停所に遅れて到着したために不利な判決を受けた中年男は、弁護士への復讐をもくろみ・・・・・。 というような、クルマの接触事件をきっかけとした二人の報復合戦を描いた映画かと思って見に行ったのだが、むしり合いよりもむしろ二人の家庭や仕事の背景に重きがおかれた作品でした。 後味は悪くないけど、二人の描写がハリウッドの定型を抜けておらず、物足りない。

110.「なごり雪」 Tジョイ新潟万代。 評価★★★ 109の直後、口直しにということで見てみた。 大林宣彦監督の最新作。 九州は臼杵を舞台に、例のごとく感傷的な青春ドラマが繰り広げられるのだが、大林監督の映画の臆面のなさはいつもながら非難する気にならず、こういうのもアリだなと思えてくるから、これはこれで力量というものなのであろう。 主演の三浦友和は私と同年で、ここでは臼杵で高校時代までを過ごしその後東京の大学に進学した過去を回想する男の役を演じているが、同時代人のよしみ(?)で言わせていただきますと、あの頃でも学生服を着ている大学生なんて応援団員か右翼くらいのものだったし、まだ大学が紛争で荒れていた時代だったはずだがその影が全然ないのはなぜかなあ、なんて思ってしまうのだけれど、ま、時代を超越した青春映画として楽しむべきものなのでしょう。 タイトルはむかし流行った伊勢正三の歌からとったもので、最初に伊勢がこの曲を歌っているけど、でも映画の筋書きからするとむしろ 「木綿のハンカチーフ」 って感じなんですけどねえ。

109.「ユマニテ」 シネ・ウィンド。 評価★ フランス映画。 1999年のカンヌ映画祭で審査員グランプリをとった作品だそうだが、退屈の一言に尽きる。 こういう無内容な映画に賞を与えてしまう映画祭や審査員は撲滅すべきだろう。 ハリウッドと正反対のことをやりゃゲージツになるってもんじゃなかろうが、莫迦ども!! 「サイン」 と並んで今年見たワースト映画の候補作である。 ウィンド17周年祭の上演作品だけど、これで他の17周年記念上映作品を見る意欲がなくなりました。

108.「モンテ・クリスト伯」 日比谷スカラ座。 評価★★★☆ デュマの著名な小説を映画化したもの。 私としてはあの長い作品をどう切りつめて映画化したのかというところに興味があったのだが (上映時間は2時間少々で、とりたてて長くない)、結構よくできている。 主人公のダンテスが無実の罪で監獄にぶち込まれ、老囚人と知り合って脱獄するあたりまではおおむね原作通り。 伯爵としてパリにデビューしてからはさすがにかなり原作を削っているが、さほど不自然さもなく、楽しめる映画に仕上がっている。 ただしヒロインがメルセデス一人で、エデが登場しないのは、原作を知る者にはもの足りないが、その一方でアルベールの設定に工夫がこらされているのが見所と言えよう。

107.「至福のとき」 ル・シネマ(渋谷)。 評価★★☆  中国映画。 「初恋のきた道」 のチャン・イーモウ監督の最新作ということで期待して行ったのだが、イマイチだった。 実の父に捨てられ、継母からいじめられて暮らしている盲目の少女が、ふとしたことから貧しい中年男と知り合い、男がカネのなさにもかかわらず必死で彼女の面倒を見るという話であるが、最初の継母との関係がいかにもマンガちっくで厚みがない。 最後も尻切れトンボのよう。 少女役のドン・ジエが好演しているだけに惜しい。

106.「マドモワゼル」 ル・シネマ(渋谷)。 評価★★ フランス映画。 30代のキャリアウーマンが、出張先で偶然知り合った劇団員と一緒にアカの他人の結婚式に出席したあげく、彼と一夜だけの関係を持つという話。 フランス映画らしく小技は利いているが、あまり後に残るものはない。 なおタイトルは、最後近くでカフェの給仕からヒロインが 「マドモワゼル」 と呼びかけられる、というところから来ている (こういうタイトルの付け方もフランス的?)。 

105.「群青の夜の羽毛布」 新宿東映パラス。 評価★★★☆ 厳格な母親に抑圧されて自立できずにいる若い女性 (本上まなみ) と年下の健康な青年 (玉木宏) との関係を描いた映画。 本上がfemme fragileの役どころをうまくこなしていてなかなか見せている。 コワい母親役の藤真利子、さばけた次女役の野波麻帆もいい。 ただ、筋書き面では父親の扱いにもう一工夫欲しい気がした。

104.「太陽の雫」 銀座テアトルシネマ。 評価★★★ 19世紀末から20世紀末にいたるまでの時代、ハンガリーに生きたユダヤ人一家を数代に渡って描いた3時間に及ぶ大河ドラマ風の映画。 大河ドラマ特有の大ざっぱさを免れていないが、帝政・共和制・ナチズム・共産主義とめまぐるしく変化する時代に順応しようとしながら、ユダヤ人であるが故にどこかで蹉跌を味わうことになる一族の姿が映画チックに浮かび上がってきて、まあまあ楽しめる作品になっている。 私としてはハンナ役のモリー・パーカーが好みに合っていました。

103.「鏡」 イメージ・フォーラム(渋谷)。 評価★★★ 東京に出張したらタルコフスキー特集が組まれており、この作品は未見だったので見に行ってみた。 廃墟趣味や火や水のイメージがタルコフスキーらしいと思ったが、特に新しい発見があったというほどではない。 強いて言えば祖母の描写が面白い。

102.「トスカ」 渋谷シネマ・ソサイアティ。 評価★★★ プッチーニのオペラを映画化したもの。 名ソプラノであるアンジェラ・ゲオルギユーが主演し、他にロベルト・アラーニャとルッジェーロ・ライモンディが共演。 演奏はアントニオ・パッパーノ指揮のコヴェントガーデン・ロイヤル・オペラハウス管弦楽団。 オペラの醍醐味を映画の料金で気軽に楽しめるようになっている。

101.「tokyo.sora」 シネセゾン渋谷。 評価★★ 現代の東京を舞台に、漠然とした不安を抱えながら生きている若い女たちの姿を描いた作品。 トレンディドラマの逆を狙った日本私小説風リアリズムの映画だと思うんだけど、それ故に面白さが希薄。

100.「落穂拾い」 シネ・ウィンド。 評価★★☆ 「幸福」 で知られるフランスの女流監督アニエス・ヴァルダの新作。 古来ヨーロッパに見られた落穂拾いという習慣を手始めとして、ゴミ場で食品や物品をあさる人々にいたるまでの類似の現象を追ったドキュメンタリー風の映画。 なるほどと思うところもあるが、やや物足りない印象が残る。 10月26日、100本到達。 昨年はたしか11月だったから、今年の方が早いペース。 シネコン3つの並立 (乱立?) で新潟市での上映作品自体が増えていることが大きいと思う。

99.「クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア」 WMC新潟。 評価★★★☆ 永い眠りからさめたヴァンパイア (スチュアート・タウンゼント) が、掟を破って自分の正体をさらしつつロック歌手として活躍するという型破りのヴァンパイア映画である。 筋書きは、ヴァンパイアの女王 (アリーヤ) がやがて目覚めて彼と恋に落ちるが、一方で人間の女性 (マーガリート・モロー) も彼に思いを寄せ・・・・・・というようになっていくのだが、最初の設定が斬新なところが買いだと思う。 また主演のタウンゼントは大変な美青年で、人気が出そう。 これに比べると、この映画撮影直後に事故死したというアリーヤは、人気歌手なんだそうだが、あまり魅力を感じなかった。

98.「宣戦布告」 Tジョイ新潟万代。 評価★★★ 麻生幾原作、石侍露堂監督作品。 敦賀湾に外国の潜水艦が座礁。 北東人民共和国 (・・・・笑。 拉致問題で話題のあの国であることは明らかだが、匿名じゃないとマズイんですか) の武装兵士が上陸して付近に潜伏する。 最初は警察力で対応できると考えていた官邸は、やがて自衛隊出動を決意するが、北東人民共和国はミサイル発射準備にかかり・・・・・・・というお話。 有事の際にどうするかを戦後半世紀まともに考えてこなかった日本人にカツを入れるようなストーリーで、まあまあ面白いが、どうせなら戦争に突入させちゃった方がエキサイティングになったのではと思わないでもない。 白鳥靖代を 『桜の園』 以来久しぶりに見て、あいかわらずチャーミングだなあと思いました。 彼女を主演にして映画を作る監督っていないですかねえ。

97.「Dolls」 WMC新潟。 評価★★★ 北野武の最新作。 筋らしい筋はなく、社長の娘と結婚するために捨てた婚約者 (菅野美穂) が自殺を図ったのを機に彼女と放浪する人生を選んだ若者 (西島秀俊) の姿をメインに、老いたヤクザの親分 (三橋達也) と彼が遠い昔に捨てた恋人 (松原智恵子!)、交通事故で顔を損傷して引退したアイドル歌手 (深田恭子) とその追っかけをしていた青年の話がサブとしてからむ。 アイドル歌手とその追っかけの話は谷崎潤一郎の『春琴抄』みたい。 全体としてイメージ重視の映画だけれども、サブの2カップルの話はもう少し工夫が必要じゃないのかな。 あと、個人的には吉沢京子がほんの少し登場したのが懐かしかった。 それにしても彼女も老けたなあ。 最後の配役紹介の字幕では他の役者と並べて二列で表示されるとは、元祖アイドルだった彼女も落ちたものだ、ううむ・・・・・・・・・。

96.「ショーシャンクの空に」 UCI新潟。 評価★★★★☆ 1994年の作品だが、UCI新潟3周年を記念して1週間だけ上映されたもの。 名作と評価されている映画ながら、私は8年前は見損ねていて今回初めて見たのだが、評判に違わぬ傑作であった。 『モンテ・クリスト伯』 を下敷きに (作中にその暗示もある)、20世紀のアメリカを舞台とした映画に書き換えたような趣きがある。 妻とその愛人を殺したという無実の罪を着せられて終身刑を食らったエリート銀行員が、刑務所の中で様々な体験を積みながら、やがて脱獄に成功するまでを描いている。 囚人同士の友情や確執、刑務所長の冷酷さなどのエピソードがきわめて巧みに配置されており、また主演のティム・ロビンス、彼と友情を結ぶベテラン囚人のモーガン・フリーマンの二人がはまり役で、実にいい。 未見の方はビデオでもいいから是非見て欲しい。 それにしても邦題はもう少し何とかならなかったのかという気がするけど・・・・・。 

95.「阿弥陀堂だより」 WMC新潟。 評価★★ 小泉堯史監督作品。 売れない作家 (寺尾聰) とその妻である女医が、都会暮らしをやめて作家の故郷の田舎村に移り住むというお話。 樋口可南子が中年美人女医役でチャーミングだが、どうも全体として物足りない。 田舎の捉え方ががあまりにきれい事で、登場人物も皆善人ばっかり。 子供たちがいくら田舎だからといって昔風の遊びばかりやっているのはいかがなものか。 テレビゲームはやらないのか、と変な心配をしてしまう。 要は田舎が単なるユートピアとして見られているので、浅い印象しか残さないわけである。 農水省が推薦しているんだけど、まあお役所が推薦するような映画でしかないのですね。

94.「いとこ同士」 シネ・ウィンド。 評価★★★☆ 下に続いて見た映画。 1959年のクロード・シャブロル監督作品、モノクロ。 田舎からパリの従兄を頼って出てきた青年が、その不器用さ故にガールフレンドを従兄に奪われ、大学の試験にも落第してしまい (遊び呆けていた従兄はカンニングで及第)、最後には死んでしまうというクラいお話。 田舎育ちと都会育ちの二人の青年の描き分けが見事。

93.「ロシュフォールの恋人たち」 シネ・ウィンド。 評価★★★☆ フランスのヌーヴェルヴァーグの特集がウィンドで1週間だけ組まれた。 これはジャック・ドゥミの代表作。 1965年、シネマスコープサイズ。 色彩豊かなフランスの田舎町を舞台にしたミュージカル仕立ての映画。 私はミュージカルは筋が単純なのでさほど好きではないのだけれど、これは舞踏への意志とでも言うべきものに作品が支配されていてそれなりに見られる映画に仕上がっている。

92.「サイン」 UCI新潟。 評価★ 「シックスセンス」 「アンブレイカブル」 に続くシャマラン監督の第3作だが、はっきり言って 「空振り」 という言葉の見本のような作品だ。 作る側の思い込みが、見る側をシラケさせてしまう最悪の映画。 もともと私は 「シックスセンス」 もあまり買っておらず、「アンブレイカブル」 はまあ悪くないという程度の評価だったが、これじゃ今後シャマランの映画は見る気がしないですね。 見に行ったのが男性サービスデーで千円だったんだけど、千円でも高すぎる。

91.「記憶のはばたき」 日比谷スカラ座2。 評価★★★ オーストラリア映画。 夏休み、少年は寄宿舎から生まれ故郷の田舎町に帰り、足の悪い幼なじみの少女と再会して楽しい時を過ごす。 淡い恋の感情が二人に芽生える。 しかし、ある晩、少年は少女を誘って川に入るが、少女は流されて行方不明になってしまう。 自責の念に駆られる少年。 彼はやがて都会に出て精神医学の学者となるが、父の訃報で久しぶりに故郷に帰る途中、汽車の中で不思議な女性と会って・・・・・・。 筋書きは悪くなく、また少年少女の淡い恋を描いた前半部分はかなり印象に残るのだが、主人公が成長してからの部分が物足りない。 キャスティングがまずいのだと思う。 特に不思議な女性を演じるヘレナ・ボナム・カーターが完全なミスキャスト。 もともと私はこの女優が嫌いなのだが、それを別にしてもこまっしゃくれた顔立ちの彼女はこの役に合っていない。 もっと素朴な美しさをもつ女優を探すべきだった。 なお、人が消える設定のオーストラリア映画ということで、「ピクニック・アット・ハンギング・ロック」 を想起した。 

90.「ムーランルージュ」 新文芸坐(池袋)。 評価★★★ 春に評判になった映画だが、見損ねていた。 秋に出張で上京したらやっていたので行ってみた。 かなりけばけばしい作品だが、まあまあ面白い。 大画面で見るべきタイプの映画であろう。 なお、私は文芸坐が新しくなってから入ったのは初めてだが、ずいぶんキレイになったものだと感心した。 2本立て1300円 (『ぴあ』提示で1200円) という良心的な価格設定もいい。 (ワタシは併映の 「アメリ」 はすでに見ていたので、今回は 「ムーランルージュ」 しか見なかったのだけれど。 でも1本だけでも安い!)  

89.「まぼろし」 シネマライズ(渋谷)。 評価★★★★ フランス映画。 フランソワ・オゾン監督作品。 初老の夫婦が夏のバカンスを海辺の別荘で過ごす。 ところが夫は海で姿を消してしまう。 自殺か事故か? そして妻は、言い寄ってくる同年輩の男が現れたにもかかわらず、夫のいない日常生活に耐えきれず・・・・・・。 妻を演じるシャーロット・ランプリングが素晴らしい。 ベッドシーンも含めて、50代半ばの女性の魅力を、そして夫を失った悲しみと不安とを存分に表現。 ラストシーンでじわっと泣けてくる。 新潟でも上映して欲しい。 もっとも、若い人には分かりにくい映画かも。

88.「千年女優」 シャンゼリゼ(有楽町)。 評価★★★★ 今敏による大人向けのアニメ映画。 往年の大女優を、かつて大ファンでありうだつの上がらない俳優でもあった男が訪ねるところから話は始まる。 今は老いた女優が若く美しかった頃に追い求めていた対象とは何だったのか・・・・・・。 アニメならではの奇想天外の展開と縦横無尽の映像で観客を魅了してくれる傑作である。 日本のアニメ映画の高水準を実感。 新潟でも上映して欲しい。

87.「竜馬の妻とその夫と愛人」 UCI新潟。 評価★☆ 坂本龍馬の未亡人 (鈴木京香) と、竜馬を知る男たちのシガラミを描いた喜劇。 ・・・・・のはずだが、まったく笑えなかった。 日本映画ってどうしてこうなのかね。 月並み、凡庸、ありきたり、平板、いじましさ・・・・・・・。 ああ、やだやだ。 日本人をやめたくなっちまう。 

86.「きれいなおかあさん」 シネ・ウィンド。 評価★★★ 中国映画。 難聴の息子をかかえた30代の母親が夫と別れて必死で子供を育てる話。 中国の山口百恵と言われた (こういう表現ももう古いかも) コン・リーが母親役をやっているのが話題。 日本語のタイトル、うまいですね。 英語のタイトルはbreaking the silenceだそうだから、日本でこういうタイトルをつけたら入りが悪くなったでしょう (笑)。 見ていて、何となく昭和30年代の日本では母子ものと言われる映画や少女マンガが流行っていたのを思い出した。 

85.「インソムニア」 UCI新潟。 評価★★ アラスカの小さな町で殺人事件が起こる。 ロサンゼルスから派遣されたヴェテラン刑事 (アル・パチーノ) は、白夜故の不眠症に悩まされつつ犯人の後を追うが、追跡の際に霧の中で誤って同僚を射殺してしまう。 やがて犯人から電話がかかってきて・・・・・・。 というような話だが、面白みを感じなかった。 犯人のロビン・ウィリアムスはなんか役に合っていないし、現地の女刑事役のヒラリー・スワンクは人相が悪くて悪役 (悪女役じゃないですよ。 悪女になるには彼女は魅力がなさ過ぎる) じゃないと説得力がない。 

84.「穴」 シネ・ウィンド。 評価★★☆ イギリス映画。 学校や親の監視の目を逃れて地下室に隠れた高校生4人。 しかし何者かによって入口には鍵がかけられ閉じこめられてしまう。 犯人はだれか、また地下室で何が起こったのか・・・・・・・。 面白そうな設定ではあるのだが、筋書きの展開のさせ方、謎解きの提示の仕方がイマイチうまくいっていない。 作り方次第でもっと面白くなりそうではあるのだが。

83.「青い春」 シネ・ウィンド。 評価★★☆ 松田龍平主演の不良映画。 といっても不良同士のぶつかり合いだとか、無軌道な青春の放埒さだとかに眼目があるわけではない。 底辺高校に通う少年たちの、希望のない毎日が描かれている。 作中いたるところに寄る辺のない漠然たる不安が漂っている。 ある意味、純文学的な映画とも言えるだろうが、そういう映画が面白いかどうかとなるとまた別問題。 しかし、この絶望感は・・・・・・・・・・・・。

82.「ドッグス」 P.PROJECTS。 評価★★★ 長崎俊一監督によるヴィデオ作品。 水島かおり扮する女刑事が、ふとしたことから犯罪者をかばったために自らも追いつめられていく、というお話。 水島みたいな美人がロングヘアをまとめもせず殺人犯人のあとを追ったりするのはリアリティに欠けているような気もするが、彼女の表情がセクシーだし、筋書き自体はなかなか面白いので、赦しちゃおう。

81.「援助交際撲滅運動」 P.PROJECTS。 評価★★★ 鈴木浩介監督によるヴィデオ作品。 カネ目当てに体を売る女子高生に憤激した男二人が、援助交際を撲滅する運動に乗り出す。 といっても、自分たちも女子高生を抱いて、ただし金は払わずヤリ逃げすることで教訓を残そうという方針で、要はタダで女子高生とセックスしようというムシのいい話なのである。 その結果何がどうなったかというと・・・・・・・。 可愛い女子高生のセックスシーンがたくさん出てくるので見ていて楽しい映画です。 最後もちゃんとオチがついているし。 ただしR18指定。

付け足し。 遠藤憲一映画祭が8月31日から9月6日にかけてシネ・ウィンドとP.PROJECTSで開催され、私は下の80と上の81及び82の三作を見たのだが、8月31日、80と81の間に遠藤憲一氏本人と、「RESET」 「援助交際撲滅運動」 の監督をした鈴木浩介氏によるトークショウが30分間行われた。 お二人は共に1961年生まれの41歳だが、よれよれのシャツにGパンという格好の鈴木氏はありきたりの冴えないオッサン (失礼!) という感じなのに対し、遠藤氏は髪型と服装をばしっと決めて年齢より若く見え、いかにも俳優という印象で、対照的な二人ではあった。 また鈴木氏は尾道からこのショウのためにはるばる来られ、とんぼ返りでまた尾道に帰るのだそうで、ご苦労様でした。 ショウでは会場からの質問に対して鈴木氏が映画監督ならではの興味深い話を披露するなど、私も教えられるところがありました。 30人ほどの聴衆の大部分は若い女性で、カメラをしきりと遠藤氏に向けていました。 今後の遠藤氏と鈴木監督のご活躍を祈ります。

80.「RESET」 P.PROJECTS。 評価★★ 鈴木浩介監督によるヴィデオ作品。 自殺の名所に集まった5人の男女が会話を交わしながら、死ぬか生きるか考えたり相手の様子をうかがったり・・・・・・・・・。 大まかな枠組みだけ決めてあとは俳優の即興で作った作品だそうだが、出演者の発言が聞き取りにくいし、全体として今ひとつ面白さが感じられなかった。 

79.「鬼が来た!」 シネ・ウィンド。 評価★★★☆ カンヌ映画祭でグランプリを取った作品。 日中戦争に材をとった中国映画。 ある日、中国の村に日本人捕虜と中国人通訳が何者かの手で連れ込まれる。 村人たちは二人の面倒を見る。 最初は 「殺せ!」 と叫ぶばかりだった日本人もやがて彼らの親切心に心を開いていくのだが・・・・・・。 ユーモラスな展開が途中から戦争の非道さの描写に変わっていくあたり、なかなか計算された筋書きと言えるが、中程がやや冗長なのが惜しまれる。 また、人によっては現代中国のイデオロギー宣伝の臭いを感じるかも。 ヒロインのチアン・ホンポー(姜鴻波) が美しい。

78.「ピンポン」 WMC新潟。 評価★★★ 卓球ファンの私としては楽しみにしていた映画であった。 主人公星野を演じる窪塚洋介より、月本を演じるARATAが私好み(って変な意味じゃないですよ)。 窪塚って、武田鉄矢みたいな顔であんまり見たくないな。 月本のシラケぶりが前面に出ている前半はなかなかいい展開だと思ったが、後半の試合の描写はどうしてもありきたりになりますね。

77.「猫の恩返し」ほか WMC新潟。 評価★★ 小2の娘を連れて見に行ったアニメ。 内容的にいって小学校程度までだろう。 中学生以上の鑑賞には物足りないと思う。 筋書きが単純すぎるし、手抜きもある。 例えば、ヒロインを救う猫男爵にはドイツ貴族風の名前があるのに、悪役の猫の王様は単に 「猫王様」 なのだ。 いくら悪役だって名前くらいちゃんと付けてやらないとかわいそうじゃないですか。

76.「怪盗ブラック★タイガー」 渋谷シネクイント。 評価★★★★ タイ映画。 西部劇をキッチュを承知で模倣し、身分違いの男女の悲恋をからめて縦横無尽に展開させた爽快な映画だ。 映画ってこういうもんだよなあ、と見ていて痛感しました。 最近の日本映画にはなぜこういう面白さが出せないのだろう。 「そういう時代じゃない」 って言い訳が通用しないことは、この作品の意識的な遊び方を見れば一目瞭然だと思うんだけど。

75.「es(エス)」 渋谷シネセゾン。 評価★★★★ ドイツ映画。 大学の心理学研究室からアルバイトで雇われた男たちが、囚人役と看守役に分かれて刑務所を想定した空間に押し込められ、2週間の予定で暮らし始めた。 ところがやがて思いがけない事態が・・・・・・。 人間心理の暗黒をえぐるスリリングな作品で、お勧めである。 

74.「エトワール」 シネ・ウィンド。 評価★★☆ パリ・オペラ座のバレリーナや、バレエ学校の生徒たちの活動を追ったドキュメンタリー映画。 エトワールとは星の意味で、オペラ座のバレエ・ダンサーの最高位を示す称号である。 なるほど、バレエをやる人はこういう日常を送っているのか、こういうシステムでバレリーナが養成されるのかとは思ったが、何かもう一つ物足りない感じが残った。 作品を全員で創り上げていく過程のようなものがもっと映像化されていれば、という気がする。

73.「とらばいゆ」 シネ・ウィンド。 評価★★★ 瀬戸朝香と市川実日子が女流棋士姉妹を演じている。 二人とも結構はまり役で、将棋やオトコをめぐる姉妹の確執が見もの。 ただ、男 (亭主、恋人、元恋人) の方がやさしい人間ばっかりなのが気になる。 ワタシが作中人物なら、彼女たちをぶん殴っているだろうな。 女向けの映画だから 「都合のいい男」 しか出てこないんでしょうけどね。

72.「海は見ていた」 Tジョイ新潟万代。 評価★★ 黒沢明の脚本を熊井啓監督により映画化したという作品。 江戸時代、海辺の町でしがない娼婦業を営んでいる女たちの物語。 うーん、全体的に薄味で物足りない。 ヒロインの遠野凪子もどうもイモっぽいし。 テレビをほとんど見ない私はこの映画で初めて姿を拝見しましたが、凪子ってイメージじゃないんだな。 浪子ならいいかもしれない。 若い頃の遠山景織子あたりがヒロインなら良かったと思うんだが。

71.「SPY N」 Tジョイ新潟万代。 評価★★☆ 藤原紀香が香港のカンフー映画に出ているというので評判になっている作品。 しかし彼女の出番は案外少ない。 他の部分は並みのカンフー映画だから、彼女をもう少し活躍させないと面白みが出ない。 映画サービスデーに見たので千円だったんだけど、まあ千円くらいの出来かな。

70.「タイムマシン」 WMC新潟。 評価★★☆ ウェルズ原作の著名なSF小説の映画化だが、イマイチだった。 時間旅行に出かけるまでの経緯に時間をとられたせいか、80万年後の世界での冒険譚の部分が物足りない。 上映時間が1時間半程度と比較的短めだからかもしれない。 ただ、主人公の恋人役で最初に出てくるシエナ・ギロリーが、最近のアメリカ映画には珍しい 「佳人薄命」 的なイメージの女優で、注目される。 

69.「アレクセイと泉」 シネ・ウィンド。 評価★★★ ソ連のチェルノブイリ原発事故のあと、ほど近い村から退去勧告を受けながら、村に残って生活を続ける老人たちと30代のアレクセイの生活を描いた作品。 監督は日本人。 清澄な泉から水を汲みながら農作業などに日々を費やす村の暮らしを淡々と追う、派手さはないが充実した内容のある映画である。 20年ほど前の映画 『木靴の樹』 を想起させる。

68.「アモーレス・ペロス」 シネ・ウィンド。 評価★★★ メキシコ映画。 「許されない愛」 をテーマとした3つのストーリーが交錯する物語。 最初、「作中の動物は虐待されておりません」 旨の断り書きが出て、こういう掲示はふつう映画が終わってから出るものなのにといぶかしく思ったが、作品を見て納得した。 動物愛護協会のオバサンが憤激しそうな映画ではある。 犬好きの人は見ない方がいいかもしれない。 まあ、それはともかく、私としてはやはり最初の、兄嫁に狂おしい愛情を覚える若者の物語が印象的であった。 若者役のガエル・ガルシア・ベルナルがいいし、兄嫁役のバネッサ・バウチェも私好みの美人。

67.「マジェスティック」 WMC新潟。 評価★★★ 第二次大戦の余韻が消えない時代、マッカーシズムが荒れ狂っていた頃の米国が舞台。 若い映画脚本家 (ジム・キャリー) は共産主義者の嫌疑を掛けられて仕事を失い、恋人にも振られてしまう。 ヤケになった彼はドライブ中に橋から転落して流され、小さな町に打ち上げられるが、記憶喪失で自分が誰なのか分からない。 やがて彼を戦時中行方不明になった息子だと思いこんだ元映画館主の老人に引き取られ、映画館 (作品タイトルは、この映画館の名) 再建に手を貸して生きる力を取り戻して行くのだが・・・・・。 背景となっている時代もさることながら、非常に古典的な作りの映画だ。 「記憶喪失」、そして 「マッカーシズムと映画界」 となれば、それぞれこれまでにも映画化されたテーマではあるが、それを組み合わせたところが新しいとはいえ、全体として古き良き時代の米国映画を再現しようとしたかのような趣きがある。 それを良しとするか、キッチュすれすれととるかは、観客次第だろう。 なおヒロイン (ローリー・ホールデン) が美人でないのが困る。 下の66でも同じようなことを書いたけど、最近のハリウッドは女優に対する審美眼が低下しているのではないか。     

66.「ニューヨークの恋人」 WMC新潟。 評価★★★ 1876年、ニューヨークに滞在していた若き公爵 (ヒュー・ジャックマン) が、時間の裂け目に転落して現代のニューヨークに出現。 キャリアウーマンのメグ・ライアンと恋に陥る・・・・・というようなメルヒェンチックな話。 いかにもハリウッドといった感じの映画だが、過不足なく2時間楽しめるようにできていて悪くない。 ただ、私の好みを言わせてもらえば、最近のメグ・ライアンは寄る年波に勝てず頬がやせてきており、かつてのような愛くるしさが消失しているので、もうちょっと若い女優を起用してほしい。 公爵役のヒュー・ジャックマンが品のあるハンサムなだけに、その落差がなお目立つ。 もっとも女性向け映画と考えれば、「ワタシでも公爵と恋愛できそう」 という幻想を与えるためにもヒロインはあまり美人でない方がいいのかもしれないけれど。 

65.「ルーヴルの怪人」 Tジョイ新潟万代。 評価★☆ ルーヴル美術館を舞台とするミステリアスなフランス映画、というので期待して行ったのが、大ハズレ。 何考えてんだ、と言いたくなるシロモノ。 いや、退屈はしません。 しませんけど、退屈しなきゃいいってもんじゃないんだよ。 大人が納得する練れた筋書、あっと驚くような効果、唸るような大団円・・・・・が何もない。 子供だましって言葉がぴったり。 その割りには登場人物は老けた俳優ばっかりですけれど。 筋はエジプトがらみだから、ハリウッド作でヒットした 「ハムナプトラ」 を意識して作ったけど物の見事に失敗した、といったところですかねえ。

64.「ペパーミント・キャンディ」 シネ・ウィンド。 評価★★☆ 韓国映画。 90年代末に自ら命を断った男の、70年代末から死ぬまでの生の軌跡を、近過去から大過去へとさかのぼる遡及的手法で追った作品。 まあまあだとは思うが、遡及的手法でなければならない必然性が感じられないし、この作品・この監督ならではといった独自性も希薄。 しいて言えば鉄道がライトモチーフ的役割を果たしているところが面白いか。 韓国のここ20年ほどの歴史がからんでくるので、韓国人でない私には痛さが分からないのかもしれないが。

63.「模倣犯」 WMC新潟。 評価★★ 若い女を誘拐しては殺し、マスコミに挑戦的な電話をかける犯罪者と、彼らに立ち向かう被害者遺族のお話。 宮部みゆきの原作はどうなのか知らないが、どうにも中途半端。 作品の焦点が犯罪の知能性や謎解きにあるのか、犯人の生い立ちや心理にあるのか、被害者遺族の戦いにあるのか、判然とせず、どの側面も不十分なのだ。 犯罪者が悪に徹し切れていないのも日本的甘さだと思うし、だいたい兵役経験のある老豆腐店主 (山崎努) が 「愛」 なんて言葉を使うはずがないじゃないですか、森田芳光監督サン。 でも最後に日野てる子の歌が出てきて懐かしかったなあ・・・・・(トシが分かっちゃう)

62.「華の愛」 テアトル新宿。 評価★★☆ 香港で活躍するヨン・ファン監督作品 (私はこの人の映画を見たのは初めて、だと思う)。 1930年頃の中国蘇州を舞台に、没落してゆく名家の第五夫人に迎えられた芸妓 (宮沢りえ)と、彼女と同性愛的関係に陥る親戚の進歩的女性 (ジョイ・ウォン) の物語。 筋書きらしい筋書きは希薄で、どちらかというと映像イメージや豪華or瀟洒な衣装やインテリアなどによって見せる映画である。 そういう作品が好きな人、或いは宮沢りえが好みだという人にはいいかもしれない。 私としてはやや物足りない感じがしたのだが。

61.「暗い日曜日」 日比谷シャンテ・シネ。 評価★★★ ドイツ・ハンガリー合作。 第二次大戦前夜、ブダペストのレストランが舞台。 経営者とその愛人、そしてピアニストとして雇われた青年は奇妙な三角関係を保っている。 やがて青年は 「暗い日曜日」 を作曲して大ヒット、レストランも大繁盛するのだが、ナチス時代が到来すると・・・・・・。 当時大流行し、また自殺を惹起するというので実際に演奏禁止となった暗いメロディーをダシに使って時代相を描いた映画。 さほど深みがあるとは思われないが、2時間をヨーロッパ映画的ムードにひたりながら過ごせる作品である。 

60.「トンネル」 日比谷シャンテ・シネ。 評価★★★★ ドイツ映画。 ベルリンが東西に分断され、東独によって壁が築かれて (いわゆるベルリンの壁ですね) 自由な行き来ができなくなった60年代初頭、東ベルリンに残された家族を西に脱出させようとひそかにトンネルを掘る人々がいた・・・・・。 実話をもとにした映画で、2時間50分近い長さだけれど、飽かずに最後まで見ることができる力作である。 一見するとハリウッドのスパイもの風だが、作り物になり過ぎず、人間の苦悩や労苦が生き生きと描かれているところがいい。 新潟でも上映してほしい作品だ。 

59.「日本侠客伝・決斗神田祭」 中野武蔵野ホール。 評価★★★ 下記に続いて見たもの。 これは出演者が超豪華メンバー。 高倉健と藤純子に加えて、鶴田浩二、野際陽子、里見浩太朗、そして藤山寛美まで登場する。 健さんは火消しの役で、ヤクザとはちょっと違った役どころだが、行き着く先は同じです。 

58.「緋牡丹博徒・お竜参上」 中野武蔵野ホール。 評価★★ 新宿武蔵野館がなくなってしまったが、ここが最近はヤクザ映画をよくやっているようだ。 というわけで見に行ってみました。 これは藤純子主演の有名なシリーズの一作だが、筋書きはややスムースさに欠けるきらいがある。 準主演の菅原文太の登場のさせ方ももう一つ。

57.「裸のマハ」 銀座テアトルシネマ。 評価★★ フランス・スペイン合作映画。 ゴヤの著名な絵画 「裸のマハ」 を題材に、この絵のモデルが誰なのかという問題に挑んだ評判作。 ・・・・・ということで期待して見に行ったのだが、イマイチでした。 理由は、宮廷の人間関係に重きが置かれすぎて、ゴヤの芸術家としての野心や苦悩にほとんど目が向けられていないからだ。 陰毛が描かれたことと当時の宮廷婦人の陰毛を剃るという流行の関係も大事ではあろうが、同一ポーズで着衣と裸体の二種類の人物画を残したゴヤの意図や、王侯貴族たちの中における芸術家の位置が無視されているのでは、いかに豪華な衣装等で当時の宮廷を再現してもむなしいのではないか。

56.「翼をください」 シネ・スイッチ銀座。 評価★★ カナダ映画。 寄宿舎に入れられた女子学生。 同室の先輩2人はレズの関係であった。 しかしやがて一人が裏切ってボーイフレンドを作ったことから仲がもつれだし・・・・・。 ヒロインが誰なのか曖昧だし、裏切られた女子学生が怪我で飛べなくなった鷹を飼っていることがラストシーンに関わってくるのだが、このシーンと全体とのつながりの必然性が感じられない。 寄宿舎ものって割りに好きなんだけれど、期待はずれでした。 

55.「光の雨」 シネ・ウィンド。 評価★★★★ 1970年代初めの連合赤軍リンチ殺人事件に題材を得た映画であるが、当時の左翼学生運動を扱った作品としてよくできている。 あの時代の学生運動をテーマとした映画では先日 「突入せよ! あさま山荘事件」 が公開されたが、作品の出来では 「光の雨」 の圧勝と言えよう。 何より、劇中劇の形式をとっていることが成功につながっている。 もともと陰惨な事件が題材なので、そこに距離をおくということと、若い俳優があの時代の学生にとりついていた観念と自分なりに対決・対話を行う、という二つの点で作品の重層性が確保されている。 途中で全共闘世代である(劇中の)監督が失踪する、なんてハプニングも用意されていて、監督と俳優の世代的な距離もそれなりに表現されていたし、また若い俳優が演技するうちに全共闘的思考が一部乗り移ってきてしまうシーンも秀逸。

54.「ナースのお仕事 ザ・ムービー」 UCI新潟。 評価★★☆ テレビの人気シリーズの映画化。 私はテレビをほとんど見ない人間なので、テレビドラマの方は残念ながら見ていない。 なぜ残念ながらかというと、観月ありさは好きなので、テレビじゃなく映画に出てくれないかなとかねがね思っていたのである。 ようやく念願かなって映画に登場してくれた。 彼女としては 「超少女Reiko」 「7月7日、晴れ」 に続く映画第3作。 12年間に3作じゃ少ないなあ。 はっきり言って、第1作 「超少女Reiko」 を超える映画に彼女は出会えていない。 もっと頻繁に映画に、それもシリアスな役で挑戦して欲しいと願う私なのでありました。 

53.「およう」 Tジョイ新潟万代。 評価★★★☆ 関本郁夫監督作品。 鬼団六原作。 大正時代、貧しい生まれながらその美貌故に、藤島武二や竹下夢二などの画家からモデル兼愛人として愛された女性の生き方を描く。 画家役の熊川哲也、里見浩太朗、竹中直人がそれぞれの個性を発揮している。 また、この映画でデビューを果たしたおよう役の渋谷亜希がたいへん美しい。 欲を言えば色気が足りないような気もするけれど。 なお渋谷亜希や熊川哲也の写真入り葉書セットがサービスとして付いている。 加えて、パンフレットは、作品のキーとなるシーンが豊富に収録されていてお買い得 (600円)。 (パンフレットってのは、肝心のシーンが抜けてる場合が多いことは、映画ファンなら分かるよね。) というように悪くない映画なのだが、私が見に行ったときは私を入れて2人しか客がいませんでした。 おまけに男性サービスデーなのに男は私だけ。 新潟ではここでしかやっていないのに、どうなっておるのだ。 男性映画ファンよ、渋谷亜希を見るために映画館に行きませう!   

52.「突入せよ! あさま山荘事件」 Tジョイ新潟万代。 評価★★☆ 原田真人監督作品。 30年前に起こった事件を映画化したもの。 管理人夫人を人質にして山荘に立てこもった過激派を相手に、警察が事件を解決するまでを描く。 実在の事件をどういうふうに映画化するのかに興味があったが、東京の警視庁から派遣された役人と地元警察との縄張り争いが結構リアルに描かれているものの、全体としてごちゃごちゃしていてすっきりしない。 それが現実だと言われればその通りだが、映画化にはもう少し整理も必要じゃないかと思いました。 それと、日本って国は責任の所在とか物事の一元的管理とかが昔も今も全然なってないんだな、ってことがこの映画を見るとあらためて痛感されるのでした。 その意味で、日本のダメさ加減をえぐり出している作品、という見方もできなくはないか。 逆に、あの時代の左右の思想的対立は、ほとんど出てこない。

51.「キューティ・ブロンド」 UCI新潟。 評価★★★ エリート候補生の集まるハーヴァード大学ロースクールに進学が決まったボーイフレンドから、金髪で知性がなさそうというだけの理由で捨てられたヒロインが、一発念起して同じ大学に進み、猛勉強して教授たちに認められ、裁判でも立派に弁護士の役目を果たすまでを描くコメディ。 アイデアと筋立ては悪くなく、2時間を楽しい気分で過ごせる映画だ。 唯一の欠点は、ヒロイン (リーズ・ウィザースプーン) が金髪ではあるけど美人じゃないこと。 筋書きから言ったら美人じゃないといけないと思うんですけど、今のハリウッドには金髪美人が払底しているんでしょうか。 私としてはむしろヒロインのライヴァルを演じるセルマ・ブレアに惹かれました (こういうキツめの美人、好きなんだなあ)。

50.「KT」 UCI新潟。 評価★★☆ 30年近く前に起こった金大中拉致事件を映画化したものである。 が、出来はイマイチだ。 特に日本人俳優にあの時代の緊迫感がうかがえないし、日本人と韓国人(または在日)の2組のカップルの描き方も図式的で浅い。 金大中を誘拐する韓国大使館員の情念に満ちた表情がかろうじて作品を救っている。

49.「名探偵コナン――ベイカー街の亡霊」 UCI新潟。 評価★★★☆ 連休中に子供を連れて見に行ったもの。 プレイヤーの意識コントロールによるコンピューター・ゲームでシャーロック・ホームズ時代のロンドンにタイムスリップし、切り裂きジャック事件に挑む、という面白い趣向。 またゲームの裏側にもう一つの事件が絡み、大人も十分楽しめる内容となっている。

48.「ビューティフル・マインド」 WMC新潟。 評価★★★ やはり映画サービスデーに行ってみました。 アカデミー賞受賞作をようやく見ることができた。 天才肌の数学者だが人付き合いの不得手な男 (ラッセル・クロウ) が、業績を認められ理解ある伴侶 (ジェニファー・コネリー) も得て順調満帆の人生を送るが、やがて彼のもとに暗号解読の仕事が来たことから波風が立ち始める・・・・・・。 ジェニファー・コネリーが今どきのアメリカ女優には珍しく良妻ぶりを巧みに演じてチャーミングだし、ラッセル・クロウの演技も悪くないが、作品そのものにはさほど感心しなかった。 俳優の演技と作品のコンセプトがやや齟齬を来しているような印象がある。

47.「アザーズ」 WMC新潟。 評価★★☆ 映画サービスデーに行ってみました。 戦後まもない時代、出征して帰らぬ夫を待ちながら二児と人里離れた館に暮らす人妻 (ニコール・キッドマン) のところに、求めていた使用人3人がやってくる。 やがて館には奇妙な出来事が・・・・・・。 3年前に評判になった某作品と同じオチで、新鮮味がない。 キッドマンも、キレイだけど全然色気のない人だと私は以前から思っていたが、変わらず。

46.「光の旅人」 UCI新潟。 評価★★☆ 駅で保護された正体不明の浮浪者風中年男 (ケビン・スペイシー)。 自分は琴座付近にある星から地球に来たのだと言い張る。 最初笑っていた担当の精神科医も、やがて彼が地球人には知り得ない知識を持っていることに驚愕し本当に宇宙人かもしれないと思い始めるが・・・・。 なんとなくジュブナイルを大人向けの映画に直したという趣きがあって、作り方次第では面白くなると思うんだけど、ハリウッドの定型 (家族賛美だとかなんとか) に収まってしまっていて、薄味の作品になっておりました。 例えば精神科医が中年男に対してする質問はきわめて生ぬるい。 ジュブナイルならこれでいいだろうが、大人向けの映画の場合はもっと細部にわたる厳しい質問をしてこそリアリティが出てくるんじゃないかな。

45.「カンダハール」 シネ・ウィンド。 評価★★★ アフガニスタンの現状を知らしめるべく、著名な映画監督マフマルバフが制作した作品。 アフガンからカナダに移住した女性ジャーナリストが、妹の危機を知って故郷に戻り妹を助けようとする旅路を描いている。 落下傘で義足が投下されるシーンが印象的。 ヒロインはなかなか美人だが、アフガンを旅していて大丈夫だったのかな、と余計な心配をしてしまった。

44.「狼やくざ――殺しは俺がやる」 新宿昭和館。 評価★★☆ 43に続いて見たもの。 ぜんぜん知らない作品だったけど、まあまあか。 千葉真一主演。 1972年作。 それにしても、新宿昭和館は 「禁煙」 なのに観客が上映中に平然とタバコを吸うので、3本立てを通しで見ると喉によろしくない。 女性は入りにくい場所だと思っていたけど、今回、亭主やボーイフレンド連ればかりか、一人で見に来ている若い女の子がいて、驚きました。 いや、タバコは吸ってもそこは日本人、皆さん礼儀正しくて、映画の中のチンピラみたいに女の子にちょっかい出す男客はいませんでしたけどね。

43.「仁義なき戦い」 新宿昭和館。 評価★★ 42に続いて見た。 これも有名なシリーズの第一作で、私は以前にも見たことがあるのだが、あんまり好きじゃない。 「網走番外地」 などに比べて物語性が希薄で、殺伐たる印象が強く、単なる殺し合い、という感じなのである。 ヤクザ映画だから殺し合いも必要だろうけど、それだけじゃね。

42.「緋牡丹博徒」 新宿昭和館。 評価★★★ たまたま出張で上京したので 「ぴあ」 を買ってみたら、新宿昭和館が4月限りで閉館すると書かれていた。 安い料金でヤクザ映画の3本立てを上映する映画館で、私も時々時間つぶしなどに利用していた。 最近はご無沙汰だったが、なくなると聞くと淋しい。 で、見納めにと入ってみた。 これは藤純子主演で有名なシリーズの第一作だが、私は見たのは初めて。 1968年作。 やはり藤純子の美しさを堪能する映画である。 高倉健が準主役で出ているが、若かりしころの健さん、頬がこけていて鋭角的だったな、と改めて思った。

41.「トゥーランドット」 渋谷シネ・セゾン。 評価★★★ 指揮者ズービン・メータが中国の映画監督チャン・イーモウに演出を依頼して北京でプッチーニのオペラ 「トゥーランドット」 を上演するまでのさまざまな苦労を映画化したもの。 チャン・イーモウが作中語るとおり、「映画では私がこうしろと言えばその通りになるが、オペラは部署により沢山の人が絡んでいるので、そうならない」 ということで、対立や妥協を重ねながらオペラの上演がなしとげられていくさまが非常に興味深く描かれている。 中国語、イタリア語、英語、ドイツ語など、いくつもの言葉が飛び交う現場はまさしく国際化時代ならではの混沌を示しているようだ。

40.「山の音」 渋谷シネマ・ソサエティ。 評価★★★ 成瀬巳喜男作品。 昭和29年制作。 川端康成原作。 老年の男 (山村聡) は妻、および息子夫婦と暮らしている。 しかし息子 (上原謙) が放蕩者で若妻 (原節子) をかえりみないので、彼女にやさしく接しているうちに一種の交情が芽生える・・・・・というようなお話。 原節子の若妻ぶりと山村聡のやさしい舅ぶりが見もの。 私、年のせいか最近、昭和20〜30年代の日本映画が面白く感じられるようになってきたんだけど、これも悪くなかった。 

39.「寵愛」 銀座シネ・ラ・セット。 評価★★☆ 韓国映画。 白い部屋に住む青年を訪ねてきて泊り込む若い女。 セックスはするものの、彼女には愛する男が他にいる。 そこで青年は・・・・・・。 若い韓国美人が出し惜しみしないで裸身をさらしセックスシーンを繰り広げるところがいいけれど(日本の女優も見習うべし)、筋書きはやや単調。 青年 (金城武みたいでカッコいい) はのらくらして暮らしているけどお金はどっからもってきてるのだろう・・・・などと余計な心配をしてしまう。

38.「まぶだち」 シネ・ウィンド。 評価★★☆ 古厩智之監督作品。 長野県飯山市を舞台に、自分の生き方が定まらない中学男子生徒の心情と行動を描く。 私は最近の中学生の実態に触れられるかなと思って見に行ったのだが、エグい中年教師を演じる清水幹生に感服した。 彼によってこの映画は成り立っているようなもの。 あとは大したことない。 ロッテルダム映画祭で賞をとった作品だそうだが、最近は映画祭も多くて、あんまりアテにならないんじゃないか。 最終日の最終回に見たのだけれど、観客は私一人でした。

37.「ロード・オブ・ザ・リング」 UCI新潟。 評価★★★ トールキンのファンタジー小説を原作とした、話題の大長編シリーズ映画の第一作。 悪を呼び込む指輪を処分するために旅に出た小人族の若者と彼を守る者たちの冒険を描く。 3時間に及ぶ大作だが、まああんまり退屈せずに見られそう。 ・・・・・見られそうって、おまえ実際に見たんだろうと叱正を受けそうですが、トシのせいか、こういう映画を素直に楽しめなくなっている自分を発見したのでした。 ま、一緒に連れてった高2の長男は面白いと言ってました。

36.「プライベート・レッスン――青い体験」 銀座シネパトス。 評価★★★ 18歳未満お断りの韓国映画。 原題は「青春」。 若者の性体験を描いた作品である。 一人は高校時代に美少女に誘惑されて童貞を失うが、その後彼女を拒んだため、彼女は自殺してしまう。 それがもとで彼は大学生時代は好色の徒と化す。 もう一人のヒーローは彼の友人で、高校時代に新任の女教師に思いを寄せて・・・・・・というような筋書きです。 まあ、気張らずに韓国美人の姿を楽しめばいいわけであります。 

35.「ピアニスト」 シネスイッチ銀座。 評価★★★★ 2001年のカンヌ映画祭でグランプリを取ったという作品。 音楽院ピアノ科教授を務める中年女性エリカは、いつまでも自分を子供扱いするヒステリックな老母と二人暮らし。 独身の彼女は、教鞭をとるに際しても厳格無比で優しさのかけらもなく、また夜は猟奇的な方法で満たされぬ性的欲求を鎮めようとしている。 そんな彼女に、ピアノに卓抜した技巧を持つ美青年が言い寄ってきて・・・・・・・。 ううう、何とも情け容赦のない描写が純文学的。 中高年の男が若い娘に熱を上げて滑稽な役回りを演じるという話はよくあるけど、これはその男女を逆転させているだけでなく、ヒロインであるイザベル・ユベールのうるおいのない表情が作品の比類ない過酷さを高めている。 芸術として映画を見る人にはお勧めだが、映画を娯楽と考えている人には勧められない。

34.「不思議惑星キン・ザ・ザ」 シネ・ウィンド。 評価★★ ソ連末期に作られたというカルト的SF映画。 街角で出会った不審な人物の持つ機器をいじった中年男と若者は、銀河系を遠く離れた星に瞬間移動してしまう・・・・というような話だが、正直言ってあんまり面白いとは思わなかった。 まあ、こういう変な映画が許容されていたんじゃ、ソ連も崩壊するしかないかな、という気はしたんだけれども。

番外ニュース。 古町通にある新潟ピカデリーと松竹が、今年の5月半ばで営業をやめるという。 ついに新潟島 (信濃川と分水路と日本海に囲まれた、新潟市の中心街を言います) から映画館が姿を消すわけである (ポルノ専門館を除く)。 最近の郊外型シネマコンプレックス3館の激しい競争のあおりを受けた形だが、これで古町近辺の再開発が急務だということが改めて明らかになったと言えよう。 私としては、とにかく無料駐車場が古町付近にないと衰退は止まらないと思う。

33.「テルミン」 シネ・ウィンド。 評価★★★ 今世紀初頭、先進的な電子楽器がアメリカで発明された。 発明した科学者の名を取ってテルミンと名付けられたこの楽器にまつわるエピソードと、やがてKGBに誘拐されてソ連に連行されたテルミン博士の運命を追ったドキュメンタリー映画。 消え去った一時代の雰囲気が、演奏会や、この楽器による音楽を利用した映画などをもとに描き出されている。

32.「ドラえもん――のび太とロボット王国、ほか2編」 UCI新潟。 評価★☆ 春休みに子供を連れて見に行ったもの。 偉大なマンネリ・ドラえもん・・・・・・・と思っていたが、どうも偉大さはなくなりつつある。 この2年ほど衰退の兆候を感じていたけれど、今回の作品はかなりヒドイ。 筋書が練れていなくて行き当たりばったりだし、ディテイルがきわめて大ざっぱ。 例えば、最後に悪役の正体が正義派科学者の弟だと判明するが、科学者に兄弟がいることを含め、悪役の正体が問題だと暗示するものは筋書きの中に全然ないのである。 そもそも、その科学者がなぜ隠遁して横暴な政府への対抗勢力として活動しているのかの説明もない。 ジャイアンやスネ夫や静香ちゃんといった脇役は集団で右往左往しているだけで、彼らの個性に合わせた活躍は全然しない。 最後に悪役がやっつけられる場面も偶発的で安易。 要するに、質がものすごく低下しているとしか言いようがない。 ドラえもんよ、もっと危機意識を持たないと観客に見捨てられちゃうぞ!

31.「ミスター・ルーキー」 Tジョイ新潟万代。 評価★★☆ 昼間はフツーのサラリーマンである男 (長嶋一茂) が、夜は阪神タイガースの覆面ストッパーとして活躍するというお話。 まあ、ふだんは軟弱そうな男が実は覆面の正義の騎士・怪傑ゾロだった、というあのパターンですね。 アイデアとしては悪くないと思うんだけど、日常と夜の顔との落差をもうちょっと面白く描けないものか、というのが感想です。 あと、長嶋クンの演技力もイマイチのような気が。 阪神の現役選手が出ているほか、バースが奇抜な役どころで登場するので、阪神ファンには見逃せないかも。

30.「空の穴」 シネ・ウィンド。 評価★☆ 北海道でドライブインを営む男 (寺島進) と、たまたまボーイフレンドと旅行に来て男に捨てられた女の、一夏の関係を描いた作品。 率直に言って、全然映画になっていない。 私はたまたま予告編でヒロイン菊地百合子 (今どきの若い女優にしては古典的な名前ですね。 ワタシはこの手の名前、好きですけど) の姿を見て、タイプだなあと思って見に行ったのだが、実際、彼女以外は全然見るところがなかった。 彼女には日本のクラウディア・カルディナーレ (古いか) を目指してほしい。 見に行ったとき、客は私を入れて二人だけ。 この出来じゃ、しゃーねえよな。

29.「オー・ブラザー!」 シネ・ウィンド。 評価★★★ コーエン兄弟監督作品。 アメリカ1930年代を舞台に、脱獄した三人の男たちの逃避行と、道中出会うおかしな人々を描いた作品。 マンガチックという言葉があるが、それに倣うなら映画チックな映画だ。 映画でしか見られないようなシーンを意図的にコミカルに作り出しているところが楽しめる。 最終日の夜6時50分からの回に行ってみたけど、客は結構入っていた。 よかったですね、ウィンドさん。

28.「みす」 シネ・ウィンド。 評価★★★  童謡詩人・金子みすヾの生涯を描いた作品。 まあまあか。 田中美里のにやけた顔は好みではないが (友人役の小嶺麗奈のほうが好みです、はい)、この詩人の浮遊した感じを出すには悪くないのかも。 断片的な映像を積み重ねる手法は、凡庸な伝記映画になることを避けるためだろうが、そのせいで、あらかじめ配られたパンフをあとで見て初めて前後の脈絡がつかめた箇所もあった。 上映は3週目のはずだが、日曜午前ということもあってか、客はかなり入っていた。 よかったですね、ウィンドさん。

27.「キリング・ミー・ソフトリー」  UCI新潟。 評価★☆ ヒロインはふとしたことから著名な登山家と知り合いになり電撃結婚する。 しかし彼にはどこか不気味な影が・・・・。 非常に底の浅い作品。 人物描写も粗雑なら、筋の展開も性急で説得力がない。 最後のどんでん返しもミエミエ。 18歳未満お断りの作品だけれど、セックス描写も単調。 ヒロインのヘザー・グラハムもイマイチ美形度が足りない。 というわけで、いいところなしの映画でした。 男性サービスデーに行ったのだけれど、観客は私を入れて5人だけ。 この出来じゃ仕方ないよな。

26.「マルホランド・ドライヴ」 UCI新潟。 評価★★★ デイヴィッド・リンチ監督最新作。 ハリウッドのそばの道路マルホランド・ドライヴでの交通事故で記憶を失った若い女が、女優になる夢を持って田舎からやってきた同年輩の女性と出会って自分が誰であるかを解明しようとするが・・・・・。 と、一応の筋書きはなるのだが、後半錯綜してきて、登場人物が二つの次元にわたって存在して、みたいな話になり、よく分からなくなる。 分からないなりに面白いんだけれども。 主演女優ふたり、ナオミ・ワッツとローラ・エレナ・ハリングはいずれもチャーミングだが、特に記憶喪失の女を演じるハリングは 「すごい」 の付く美人。

25.「化粧師(けわいし)」 Tジョイ新潟万代。 評価★★★☆ 化粧を生業とする男の話というので、どことなくエロチック、あるいは倒錯した話を予想して見にいったのだが、意外や意外、健全そのものな作品だった。 学問の勧めあり、「役人=悪、貧しい庶民=善」 の図式ありの、いい意味できわめてオーソドックスな、安心して見られる映画である。 「役人=悪」 がなきゃ文部省推薦でもいいくらい (笑)。 背景となっている明治の風俗もどことなく懐かしい。 登場人物も、無口なヒーロー=化粧師の椎名桔平をはじめ、彼に恋しながら泣く泣く見合い結婚する天ぷら屋の跡取り娘・管野美穂、女中ながら向学心に燃え女優をめざす池脇千鶴、写真館主の佐野史郎、善意の上流夫人いしだあゆみ、などなど、はまり役が揃っている。 映画サービスデーに見に行ったのだが、客は割に入っていた。 しかし新潟ではこの日が最終日。 3週間で終わるのは惜しい。

24.「メメント」 WMC新潟。 評価★★★ 何者かに妻を殺され、自分も頭に打撲を負い、そのせいで新しい記憶が10分程度しか続かない男。 その彼がメモをとったり、大事なことは体に入れ墨として彫りつけたりしながら犯人のあとを追う・・・・。 なかなか面白い設定で、やがて設定自体に罠があることも分かってきて悪くないが、注意深く見ていないと筋書きが分からなくなる、というか、注意して見ていても分からないところが残る作品です。

23.「ロシアン・ブラザー」 新潟市音楽文化会館(にいがた国際映画祭)。 評価★★★ 97年ロシア映画。 兵役を終えた青年が、田舎では仕事もないので、兄を頼ってペテルブルクに出るが、そこで殺し屋になってしまう話。 ソ連崩壊後のロシアの殺伐たる状況と若者の心情を描いて当地では圧倒的な支持をうけたそうである。 私としては市電が何度も出てくるのがいいなと思った。 前後の運転席の間が荷台になってる市電もある。 私、一度市電を運転してみたいと思っているんです。 それがどうしたって? まあ、映画の見方には色々ありますんで・・・・・。 ふー、これで今年の映画祭は見納め。 今年は8本見たぞ〜。 例年は5本程度だったから、がんばったね。

22.「オルフェ」 シネ・ウィンド(にいがた国際映画祭)。 評価★★☆  99年ブラジル映画。 ギリシア神話のオルフェウスとエウリディーケの物語を、現代のブラジル・リオのカーニヴァルを背景に描いた映画。 というとかの有名な 「黒いオルフェ」 が思い出される。 もっともあの作品も、音楽を別にするとどうってことのない映画だったと私は思うが、この作品も、現代ブラジルの著名ミュージシャンがヒーローを演じているそうだけど、内容的にはとりたてて新鮮味もない。 音楽も、クライマックスでは 「黒いオルフェ」 のあの有名なメロディーが出てきたりして二番煎じの感。 ヒロインは美形だが、南米美人って、年をとるとキツくなりそう・・・・・。

21.「ふたりの人魚」 シネ・ウィンド(にいがた国際映画祭)。 評価★★★ 99年中国映画。 上海を舞台とした恋物語だが、独特な語りとヒロインの魅力で悪くない作品に仕上がっている。 ヒロインはキレイだけど女と言うよりは少女っぽくて、日本なら葉月里緒奈みたいな感じ。 話は変わるが、私はずっと言い続けているけど、ウィンドは狭いから映画祭には向かないよ。 今日も上映7分前に入ったら後方はいっぱいだったので前の方の平土間(?)に席をとったら、上映直前に来た座高の高い女の人がすぐ前に座ってしまって(座高が高い奴は、後ろに気を遣って座るべし!)見づらくなった。

20.「マリー・アントワネットの首飾り」 Tジョイ新潟万代。 評価★★★ フランス革命の引き金になったというルイ王朝の宮廷陰謀事件を扱った映画。 実話をもとにしているそうである。 当時の宮廷の様子や王侯貴族たちの描写など悪くはないが、何かもう一つ作品の焦点がボケている気がする。 それとヒロインのヒラリー・スワンクはミスキャストじゃないか。 いくら没落した自分の家を再興しようという野心に燃えているといっても、元名門貴族の令嬢なんだからそれなりに気品も必要だと思うのだが、どうあがいても下層階級の娘にしか見えない容姿。 一方、マリー・アントワネット王妃を演じるジョエリー・リチャードソンは実に美しい。 私は映画で見るのはたしか4回目だが、いつ拝見してもノーブルで正統的で甘やかな美貌に感心してしまう。 私としてはヒロインより王妃を中心にして映画を見てました。 反動的か?

19.「助太刀屋助六」 Tジョイ新潟万代。 評価★★ 岡本喜八監督作品。 助太刀屋を自称するおっちょこちょいな男が、ふとしたことから実の父の仇を討つことになり・・・・・というような話だが、物足りない。 殺陣で見せるわけでもなく、喜劇的タッチも不十分だし、どこに面白さを求めたのか不明。 男性サービスデーに見に行ったのだが、観客は私を含め3人だけ。 新潟じゃここでしか上映していないというのに。 でも、この出来じゃ当然かな。

18.「深紅の愛 Deep Crimson」 新潟市民プラザ(にいがた国際映画祭)。 評価★★★ 96年フランス・メキシコ・スペイン合作。 美男だが禿頭なのでカツラを着用していることがトラウマになっている結婚詐欺師が、ふとしたことから肥満体の女に惚れられて、一緒に仕事をするが・・・・・。 喜劇調の話かと思って見に行ったのだが、人生の哀歓、ではなく、人生の悲哀と惨めさをこれでもかと見せつけられる作品でした。 音楽もセンチメンタル。 こういう映画は場末の、座席がかび臭い映画館で見て、そのあと薄汚い飲み屋で安酒を飲んで、安宿の冷たい布団にもぐり込んだりすると、ちょうど良さそう・・・・・ううう。  なお、上映中3回トラブルで中断があり、また画面は周縁部が鮮明なのに中心部分がピンぼけしていた。 いくら映画祭で格安料金とはいえ、少し考えてほしい。

17.「キシュ島の物語」 新潟市民プラザ(にいがた国際映画祭)。 評価★★★ 99年のイラン映画。 短篇3作を合わせたオムニバス形式。 ペルシャ湾に浮かぶ島を舞台にした3つの物語は、観客をどことなく哲学的な気分にさせてくれる。

16.「アンジェラの灰」 新潟市民プラザ(にいがた国際映画祭)。 評価★★ 99年のアメリカ・アイルランド合作。 アラン・パーカー監督作品。 北アイルランドに住む極貧の少年の暮らしぶりと、彼が学校を出て米国に渡るまでを描いた映画だが、部分的に面白いところもなくはないものの、概して退屈。 原作は某作家の自伝的ベストセラー小説なんだそうだが、文学との違いを考えて制作しないと映画は失敗するという好例であろう。 小説なら沢山の要素をぶちこんで幼年期を描くことも可能だが、映画はどこかに核を設けないと虻蜂取らずになってしまう。

15.「ひかりのまち」 新潟市民プラザ(にいがた国際映画祭)。 評価★ 14に引き続いて上映された1999年の英国映画だが、退屈の極。 カネ返せと言いたくなるシロモノでした。

14.「イルマーレ」 新潟市民プラザ(にいがた国際映画祭)。 評価★★★☆ にいがた国際映画祭初日2回目の上映を見に行ってみた。 2000年の韓国映画だが、最近の韓国映画はなかなか粒ぞろいだ。 これも、2年間の時間の隔たりをもって暮らす男女が、なぜか郵便受けを通して文通が可能となって、親愛の情を深めていくというSFちっくな話だが、結構面白い。 お互いの過ごす時間の交差がよく分からないところもあるが・・・・・・。 ヒーローはイ・ジョンジェで下の8に同じ。 最近人気だとか。

13.「プリティ・プリンセス」 WMC新潟。 評価★★★ サンフランシスコに暮らす内気で運動神経も鈍い女子高生。 ところが実は死んだ父がヨーロッパの某国の皇太子であったため、その国の第一王位継承権者であることが判明。 迎えに来た祖母=女王を前に、王位を継承するかどうか悩む彼女・・・・・。 おとぎ話風の展開で、筋書きも大体読めるし、色々なエピソードも新奇さはなくてお馴染みという感じがするが、その分安心して2時間楽しめる作品ではある。 ヒロインのアン・ハサウェイがもう少し可愛ければいいのだが、でも平凡な女子高生がある日突然プリンセスに、という話だからこの程度でいいのかしらん。 女王のジュリー・アンドリュースは極め付きのはまり役で、映画が様になっているのは彼女の存在感のためと言える。 

12.「ジェヴォーダンの獣」 UCI新潟。 評価★★★☆ 大革命を25年後に控えた時期のフランスを舞台に、ある地方に女子供を襲う正体不明の動物が出没する。 その正体やいかに・・・・・というような筋書きだが、内容的にはアクションあり、恋あり、オリエンタリズムあり、当時の貴族の風俗描写あり、と盛りだくさんだ。 すこし整理したほうがよさそうな気もするが、ともあれカネと手間暇をかけた映画で、それなりに楽しめることは確か。 「マレーナ」 でその美貌を世界的に知られたモニカ・ベルッチが娼婦役で、「ロゼッタ」(私は残念ながら未見)で十代ながらカンヌ映画祭主演女優賞をとったエミリエ・デュケンヌが初々しい貴族令嬢役で出ているなど、女優陣の充実ぶりも見もの。

11.「耳に残るは君の歌声」 日比谷シャンテ・シネ。 評価★★ ロシアに住むユダヤ人の父娘。 歌手である父はカネを稼ぐために幼い娘を老母に預けて米国に渡る。 しかしユダヤ人居住区が襲撃に会い、娘は父の写真と僅かのカネを携えて米国に渡るはずだったのが、どういうわけかイギリスに上陸してしまい、そこで子供のない夫婦に育てられるが、父を探すために渡米する資金を蓄えようとパリに行く……。 最初、愛する父と別れた挙げ句、ユダヤ人狩りにあってさすらう娘役を愛らしい幼女が演じるので、その辺をウリにした感涙ものの作品、つまり 「父を訪ねて三千里」 といった感じの映画なのか、と思っていた。 実際、ポスターにも、金券ショップで買った割引チケットにもこの女の子が写っていたからだ。 ところが、幼女時代はあっと言う間に終わってしまって、成人時代が始まり、また、父を探すためにさっさと渡米するのかと思いきや、なぜかパリでぐずぐずしており、第二次大戦が始まってようやく渡米したときは映画の時間が終わりに迫っていて、アメリカではあっけなく父が見つかってしまうので、拍子抜けしてしまった。 なんか、コンセプトを誤った作品という気がする。

10の付け足し。 ル・テアトル銀座はいつから映画館としても使うようになったのだろう? 本来は演劇用らしい。 私は今回初めて入った。 同じ建物内の銀座テアトルシネマは昔からあって私も何度か来ているが、このル・テアトル銀座のほうは、たまたま手元にあった昨年6月に学会で上京した時の 『ぴあ』 映画表には載っていないから、少なくとも普段から映画を頻繁にやっているわけではないことは確か。 (六本木の俳優座だと、以前からちゃんと映画欄に載っている。) で、いくつか文句を。  (1)上映前に幕が下りているが、スクリーンがかなり後方にあり (これは演劇兼用ホールにはありがちなこと) しかも幕に比べてかなり小さい。 そのため、幕を基準に座席を決めると、スクリーンが小さすぎる感じがしてしまう。 映画の時は最初から幕を上げておいて欲しい。 (2)座席がお粗末すぎる。 幅が狭いばかりか、奥行きが浅いのに驚いた。 少なくとも私の記憶では、こんなに奥行きの浅い座席には未だかつてお目にかかったことがないというくらい。 場末のアングラ劇場ならいざしらず、銀座というとびきりの立地条件を備えた劇場がこんなお粗末な椅子でいいのだろうか? (3)男子トイレが狭すぎる。 座席数700余りといえば、映画館としては最大級である。 なのに小用3、大用1しかないのである! (ただし下のフロアにもトイレがあるらしいが。) 最低、この3倍くらいのトイレが必要。 ここに限らないが、トイレのスペースをケチらないことこそが映画館やホールの高級感を演出するための必要条件である!  

10.「ベン・ハー」 ル・テアトル銀座。 評価★★★★ 有名な映画だが、見たことがなかった。 たまたま上京したらリプリントによるロードショーをやっていたので行ってみました。 手間とカネをかけて作ってあるだけあって、ガレー船の戦闘や競技場の馬車レースのシーンなど圧倒的な迫力だ。 また、最初、画面に何も出ないまま序曲として音楽がしばらく流れること、途中休憩のあとの後半も同様に画面が出ないまま少々音楽が流れることなど、オペラを意識して作られているようで、オペラと映画の関係について考えさせられた。 それと、「レプラ」 を字幕で 「業病」 と訳しているのが、最近の差別語問題との絡みで面白かった。

9.「コンセント」 テアトル新宿。 評価★★★ 中原俊監督最新作。 心の病を患いアパートで餓死してしまった兄の精神状態を調べているヒロインが、学生時代の師(心理療法専攻)や友人たちとの付き合いの中で自分を発見していくお話。  ヒロインの市川実和子がサカナみたいな顔で、一種独特の雰囲気を出しているのが悪くない。 最後のあたりはやや安易な感じもするけれど。

8の付け足し。 新幹線早朝割引の切符を買って上京したので朝9時に東京駅に着いて、井の一番に見に行ってみた映画である。 ちょうど封切り日の第一回上映であった。 そのためか、上映後、雑誌 『ぴあ』 のアンケートにご協力を、と乞われて映画の感想を言わされ、顔写真まで撮られてしまった。 『ぴあ』 の映画欄の初めのところに封切り直後の映画の人気度と観客の感想を載せるコーナーがあることは知っていたが、まさか自分がその対象になろうとは・・・・・。 もっとも、単館公開の作品であり、写真入りで感想が載るのは2人だけだそうだ。 取材対象は数人に及んでいたから、私の分はボツになる可能性の方が高い。 ちなみに取材協力のお礼は、「ぴあ」ポストカード1枚でした(笑)。――(後記) ボツになると思ってたら、オイ、本当に載っちゃったよ〜。 私の顔写真が拝みたい方は、『ぴあ』2月18日号50ページを参照して下さい。 なははは。

8.「情事 An affair」 シネ・リーブル池袋。 評価★★★☆ 98年の韓国映画だが、近年この国の映画制作が好調であることを裏付けるような作品だ。 40歳を目前にした人妻が妹の婚約者とフリンの関係になる話であるが、着実な筋の運び、言葉の過剰を戒めて人物の表情や動作に語らせる画面、風景の美しさ・映像の巧みさなど、なかなかよくできている。 ヒロインのイ・ミスクが中年女性の慎ましさと色気をうまく出していて魅力的。 なんでも、いったん女優業を結婚退職したあと、実生活でもフリン騒動が起きてこの映画で女優復帰したとかいういわく付きの作品なんだそうな。

7.「息子の部屋」 WMC新潟。 評価★★ イタリアのナンニ・モレッティ監督の作品で、昨年カンヌ映画祭でパルムドールを受賞したというので話題になった映画だが、退屈そのもの。 個々の登場人物はイタリア人だけあって美形だし、その意味で見て楽しめる面はあるんだけど。 映画祭の審査員というのはどうしてかくもつまらない作品に賞を与えてしまうのだろうか。 審査員に対する審査も必要なんじゃないか。

6.「仄暗い水の底から」 UCI新潟。 評価★★☆ 鈴木光司原作・中田秀夫監督という、あの 「リング」 のコンビによるホラー映画だが、底が浅くてあまり感心しない。 ただ黒木瞳は、離婚して心理的に不安定ながら娘の親権を夫にとられまいと必死になる役を演じてなかなかいいと思うが。

5.「フロム・ヘル」 UCI新潟。 評価★★ 19世紀に英国の帝都ロンドンを震撼させた切り裂きジャック事件を材料にした映画。 しかしイマイチだ。 探偵役が見た夢が現実を暗示するという設定だがそれが事件の解決に役立っているのかどうか分からず、といってシャーロック・ホームズのごとき快刀乱麻の名推理でスパッと一件落着になるわけでもない。 「JFK」 みたいなに構造に問題がある風な展開になるんだけど、どうも真犯人の実像が納得行かないまま終わってしまう。 消化不良のようで、不満足感が残る作品だ。

4.「アメリ」 UCI新潟。 評価★★★ 評判の高い作品である。 フランス映画特有のシニシズムと人間模様、それと細かい芸が合わさった映画。  悪くはないなと思う。 ただ、大々的に誉めるほどかなという気もした。 美男美女が全然出てこないところは面白い。

3.「千年の恋――ひかる源氏物語」 Tジョイ新潟万代。 評価★★ 昨年末、見損ねたのをやっと見ることができた。 しかしTジョイってのは駄目だと改めて思う。 詳しくはこちらに書いておいたので読んで欲しいが、作品について言うと、脚本が浅いのが気になる。 変に現代的な視点が入っているんだけど、こういうのって大昔の、現代とは隔絶した意識を下手に歪めてしまって良くないと思う。 (現代風にするなら、いっそ徹底的にやった方がよろしい。) プレイボーイであるが故の苦労とか哀しみってのもまたあるはずなんだけどねえ (ワタシは残念ながら味わったことがないけれど)。 フェミニズムに冒されていると、そういうことが見えなくなるんですよね。

2.「ヴィドック」 UCI新潟。 評価★★★★ 1の口直しに2日後行ってみた。 うん、やっぱり自分の予感は信じるべきだ! 近代初めのフランスを舞台に、謎の殺人犯と、それを追いながら殺された探偵ヴィドック、そして事件の真相を突き止めようとするヴィドックの伝記作家が絡むミステリー。 きびきびした筋の展開と効果的な映像、そして最後のどんでん返しなど、十分に楽しめるエンターテインメントである。

1.「バンディッツ」 WMC新潟。 評価★★ 今年の初映画だったんだが、あまり買えない作品だった。 ケイト・ブランシェットのちょっとおかしな人妻が銀行強盗にからんだりしてユーモラスな味が多少はあるんだけれど、それが型破りの面白さを生むところまでは行っておらず、結局凡庸なところに収まってしまう感じ。 最後も割にミエミエだし (「スティング」みたいだぞ)。 実は新潟の某映画サイトでほめていたので見てみたのだが、やっぱり他人の評価はアテにならないですね。 自分の予感を信じないと――と新年早々反省してしまいました。

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