新潟大学「科学研究費補助金ガイダンス」のいい加減さ

 

 2001年9月20日午後、新潟大学で 「科学研究費補助金ガイダンス」 なるものが開かれたので出てみたが、ふざけた催しだと言うしかない。

 最初に清水副学長から、もっとたくさんの方が来られるかと思ったがという意味の挨拶があった。 つまり、従来大学に自動的に降りてきていた研究費が減少気味で、科研費などの資金獲得額で大学評価がなされる時代が来たのに、教員の意識がそれに対応していないのでは、と言いたいらしい。

 その後、法学部のK教授が 「科学研究費をめぐる諸条件」 という題で話をされた。 質問が求められたので、私は2点ほど疑問点を問いただした。

 その一つは、K教授の話だと科研費採択には人脈による有利不利はないということだったが、それは数字で論証できるのか、というものであった。

 ところがこれにはまともな答が返ってこない。 K教授は、採択は文部科学省が学会に委託して行うもので、人脈による有利不利があるということは自分が属している学会がインチキだということになり、それは 「天に唾するようなものだ」 とおっしゃる。 つまりその学会を作り上げているのはお前なのだから、自分で自分の不備を指摘しているようなものだろう、ということらしい。

 しかし、これは明らかにおかしい。 学会は私が自分で作ったわけではない。 私が専門的な勉強を始めた頃にすでに学会は存在したのである。 その学会に不満があっても学会に入らなければ学者として必要な情報も入手できない以上、嫌でもその学会には入らざるを得ないのだ。

 そもそも、そういう学会のあり方がおかしかろうがなかろうが、 「人脈による有利不利はない」 という結論がどうして出てくるのだろうか? 「そうあるべきだ」 と 「そうである」 の間には大きな径庭があるはずだ。 私は重ねて、「人脈が採択に関係しないと数字で論証できるか」 と問うたところ、そこで清水副学長からストップがかかり、質疑応答はうち切られてしまった。 私の疑問には、なんらの答も与えられなかったのである。

 私はかねてからK教授の学識の深さ (実際にご助力をいただいたこともある) や学内政治面での縦横無尽のご活躍ぶりには敬意を払っている者ではあるが、このような学者にあるまじきいい加減な言説をなされることはまことに残念と言うしかない。

 そして、なおいけないのは清水副学長の態度であろう。 科研費獲得のガイダンスにあまり教員が集まらないことに皮肉めいた口吻を漏らしていたが、このようにいい加減で没論理的なガイダンスが大学教員に信用されると考えるなら、その方がよほどおかしいのである。 反省を促すべきは、自分自身のナアナア主義そのものではないのか。 新潟大の教員に皮肉を言う前に、自分自身にその百倍の批判を加えるべきであろう。

                                                                                      (2001年9月25日掲載)

 

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