映画評2005年

 

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 2005年に見た映画をすべて紹介。 5段階評価と短評付き。

  評価は、★★★★★=すぐ映画館に駆けつけるべし (大傑作につき見ないと一生の損)。 ★★★★=十分な満足感が得られる (いい作品だから見てごらんよ)。    ★★★=平均的 (見て損はない)。 ★★=劣る (カネと時間が余ってたらどうぞ)。 ★=駄作 (カネをドブに捨てるようなもの)。 ☆は★の2分の1。

 

145.「ディック&ジェーン 復讐は最高!」 12/30、Tジョイ新潟万代。 評価★★☆ サラリーマンのジム・キャリーが、昇進を告げられて喜んだのもつかのま、社長がトリックを使い会社を倒産させ、資産を持ち逃げ。 妻 (ティア・レオーニ) と四苦八苦するものの、カネは底をつき、ついには強盗に変身する・・・・。 コメディなのだが、あまり笑えない。 筋書き全体としてはまとまりがよく、後味も悪くないのだが、笑えないコメディでは点は辛くならざるを得ない。 ただし、私のお気に入りのティア・レオーニが出ているところだけはよろしい(笑)。 実は彼女を観たくて行ったのですがね。

144.「スクラップ・ヘブン」 12/30、シネ・ウインド。 評価★★★ 李相日監督作品。 警察に勤めながら自分を発散する場所がなく鬱屈しているシンゴ(加瀬亮)は、バスジャック事件で偶然一緒に乗り合わせた男(オダギリジョー)との再会を機に、復讐代行サービスを開始する。 そこに、やはりバスジャックで乗り合わせた薬剤師の女サキ(栗山千明)がからみ・・・・。 アナーキーな心情が現代においてどういう表現形態をとるか、という点で、一定水準に達した作品だとは思う。 オダギリジョーと栗山千明には雰囲気もある。 ただ、映像作品としてそうしたものを全的に表現できているかどうかとなると、ちょっと?マークが付くような気もする。

143.「バッシュメント」 12/28、シネ・ウインド。 評価★★★ 布川敏和監督作品。 土屋アンナと要潤主演。 幼い頃、父母を兄が殺した現場を目撃したヒロイン (土屋アンナ) は、そのトラウマを抱えて生きていた。 一方、兄 (要潤) はギャングの知恵袋として活動していたが、やがて二人の人生行路は複雑に絡み合って・・・・という筋書き。 時間的構成に工夫があって、日本映画の安っぽさをうまく回避している。 要潤は、私は初めて観たが、なかなか格好いい男優ですね。 一方、土屋アンナは、そろそろ 『下妻物語』 でのスゴむ演技から脱却すべき時ではなかろうか。 この映画みたいに、ギャングのおじさん相手にスゴんでも、可愛いだけで、リアリティを欠いていると思うんだけれど。

142.「SAYURI」 12/21、UCI新潟。 評価★★★ ロブ・マーシャル監督作品。 昭和初期から戦後まもなくにかけての日本を舞台に、幼くして芸者置屋に売られた少女が芸者となり周囲の注目を集めていく様子を描いている。 芸者の描写が不正確だという批判が一部から出ている作品だが、監督自身が言っているように写実的な映画としてではなくファンタジーとして楽しめばそれなりのものだと思う。 ただ、主演のチャン・ツィイーは色気がなく、美しさでは脇役のコン・リーに負けているし、少女時代を演じる大後寿々花 (おおご・すずか) にも魅力とけなげさで負けているみたい。

141.「Mr. & Mrs. スミス」 12/14、Tジョイ新潟万代。 評価★★☆ ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリー主演。 偶然出会った南米で熱烈な恋に落ち結婚した夫婦が、実はそれぞれ別組織で働く殺し屋であった、というお話。 そこからついに二人は壮絶なバトルに至るが、実は・・・・。 アイデアとしては面白いと思うし、それなりに工夫もあるのだが、大物二人を主役に据えてハリウッドのメンツ(?)にかけて作り上げた娯楽作品としては、意外に冴えないという印象。 特にコミカルな部分はもっと工夫が必要では。 ベッドシーンももう少しセクシーに描いて欲しい。

140.「ALWAYS 三丁目の夕日」 12/12、UCI新潟。 評価★★★☆ 昭和33年の東京を舞台に、平凡ながら懸命に生きる人々の姿を描いている。 自動車修理工場経営者、そこに集団就職で青森からやってきた中卒の女の子、駄菓子屋をやりながらせっせと小説を書く文学青年、ワケアリで飲み屋をやっているきれいなお姉さん、などなどが入り乱れて、経済水準は今よりはるかに低いながらもそれなりに明るい未来を信じて暮らしていた当時の世相がかなり正確に再現されている。 一方で貧富の差がまだまだ激しく、そこから生まれる家族小説がたくみに織り込まれているところが、また昭和30年代らしい。

139.「同じ月を見ている」 12/7、Tジョイ新潟万代。 評価★★☆ 深作健太監督作品。 小学生の頃から幼なじみだった男2人 (鉄矢、ドン) 女1人 (エミ) の物語。 エミ (黒木メイサ) は心臓に病気を抱えている。 鉄矢 (窪塚洋介) は医者になって彼女を治そうとしている。 やや知能に問題があるドン (エディソン・チャン) は、しかし近未来の予言、そして絵画を描く才能に恵まれている。 やがて彼らは・・・・という筋書きで、ドンが奇妙な動き方をするので先が読めない映画なのだが、他の二人がわりにありきたりだし、そこから生じる三角関係もとりたてて面白みがなく、作品全体が腰砕けになってしまっているのが残念である。 エミは除いて、男二人のお話にした方がよかったのではないか。 黒木メイサ、美形と言うにはためらいがある。 もっと綺麗な女優いなかったの?

138.「大いなる休暇」 12/7、シネ・ウインド。 評価★★☆ フランス語圏のカナダ映画。 2003年制作。 かつては漁業で栄えたが今は生活保護で暮らす住民が大半という、人口百人そこそこの島。 工場を誘致しようとするが、それには医者が住んでいることが必要なのに医者がいない。 そこでたまたまこの島を訪れた医者を島に定住させようとして島民たちは様々な工作をもくろむ・・・・。 設定は面白いのだが、仕掛けがわりに平凡だし、工夫が足りないので、イマイチ盛り上がらない。 作中青年医師と仲良くなりかけるヒロインはキレイなので、もう少し出番を作ってほしい。

137.「埋もれ木」 12/2、シネ・ウインド。 評価★★☆ 小栗康平監督の最新作。 物語性を排してイメージを重視する方向性が非常に強くなっている。 強いて言えば、小さな町に住む女子高生が互いに童話的なお話をしてみたり、住民が昔風の店を守っていたり、お祭りをやったり、ということになるが、映像の詩的世界を楽しむというのが本来的な鑑賞の仕方であろう。 ただし鯨イデオロギーを無批判的にとりこんでいるので、減点。

136.「奇談」 12/1、WMC新潟。 評価★★★ 小松隆志監督作品。 諸星大二郎のマンガにヒントを得て作られた映画だという。 キリスト教の聖書に題材をとり、1970年代に時代を設定して、隠れキリシタンが今も住むという東北の寒村を民俗学者が訪ねるというお話である。 画像に雰囲気がある。 筋の進行も、荒唐無稽ではあるけれどそれなりに面白い。 最終的に解かれないで残る謎があるのがどうかとは思うが。 なおヒロインはもう少し可愛い子を選んで欲しい。 作中、失踪した少年に再会して 「きれいになったね」 と言われるんけれど、どうもそうは思われないので(笑)。

135.「SAW2」 11/28、UCI新潟。 評価★★★ 刑事の息子が誘拐され、数人の男女と一緒にどこかに監禁されている。 ガンで余命幾ばくもない老人は、ゲームという形で刑事に謎をかける。 いったい息子と一緒に監禁されている男女は何者なのか、場所はどこなのか、究極的な目的は何なのか・・・・・いささか血まみれの映像に食傷するが、ミステリー・タッチの内容はまあ悪くない。 1時間半と、長すぎないのもいい。 

134.「ジャマイカ楽園の真実」 11/22、シネ・ウインド。 評価★★★☆ 2001年、アメリカ映画。 ステファニー・ブラック監督作品。 観光客には「地上の楽園」と銘打たれているジャマイカの実態を映像を通して報告したドキュメンタリー映画。 英国から独立したが、経済が頓挫して多くの人々が失業に悩んでいる有様がヴィヴィッドに捉えられている。 IMFの融資が発展途上国の実情を勘案していない様子、いわゆるグローヴァル化がジャマイカの国内農業を壊滅させ、アメリカ企業の有利にしか働いていない現実など、色々と考えさせられる内容である。 むろんこの映画も一つの見方ではあるが、IMF融資のあり方など、私は経済にはうとい人間だが、少し勉強してみようかと思った。 

133.「灯台守の恋」 11/15、シャンテシネ(日比谷)。 評価★★★ フランス映画。 フィリップ・リオレ監督作品。 1960年代、ブルータニュ地方の閉鎖的な雰囲気の田舎町を舞台に、夫が灯台守の仕事をしている子供のない夫婦のもとに、新入りとしてやってきたよそ者の青年が起こした波紋を描いている。 筋書き的にはまあ普通だが、たんねんに描かれている灯台守たちの仕事の様子がなかなか面白い。 ただ、作品の枠として使われている小説が、誰によって書かれたのか、いささかも言及がないのが、ちょっと不親切というかいい加減な気がする。 

132.「ロゼッタ」 11/15、恵比寿ガーデンシネマ。 評価★★★☆ 本年度のカンヌ映画祭で2度目のパルムドールを受賞した「ある子供」の公開に先立ち、ジャン=ピエール&リュックのダルデンヌ兄弟の監督作を恵比寿ガーデンシネマで特集している。 その中から、1999年にやはりパルムドールをカンヌで受賞したこの映画を見てみた。 当時は新潟に来ず、東京でも上映期間が私の出張時期にかからず、見損なっていた作品である。 アル中の母親とキャンプ地で暮らす貧しい少女ロゼッタが、仕事を探しながら必死に生きていく様を描いている。 アップが多くて見ていると疲れる映像だが、ヒロインのエミリー・デュケンヌの思い詰めたような表情が、ちょっとロリコン心理をくすぐるような微妙な可愛らしさ (可愛すぎないところがいいのである) で、よく考えられたキャストだなと感心した。 プア・ホワイト (フランスではこうは言わないだろうが) の生活ぶりも興味深い。

131.「ヴェニスの商人」 11/15、テアトルタイムズスクエア(新宿)。 評価★★★ シェイクスピアの有名な喜劇の映画化。 マイケル・ラドフォード監督作品。 アメリカとヨーロッパの合作。 筋書きは原作に忠実。 当時のヴェネチアの様子もなかなかよく再現されているようだ。 ただキャストは、シャイロックを演じたアル・パチーノを除くとイマイチである。 特に女優陣は、絶世の美人でなければならないポーシャ役を初め、どうにも冴えない。 今どきの欧米にはまともな美人女優がいないのかなあ、と大ざっぱなことを言いたくなってしまう。  

130.「傷だらけの人生」 11/14、浅草名画座。 評価★★★ 1971年製作、小沢茂弘監督、鶴田浩二主演。 昭和初期の大阪を舞台に、ヤクザたちの権力争いと、主人公の父親探しを組み合わせた映画。 鶴田浩二のヤクザらしからぬ穏やかな表情や、その女房役の工藤明子の風情が何とも言えずいい。 その他、悪役も悪役らしく、まあ典型的な筋書きではあるが、それなりにまとまりよくできている。 

129.「餓狼の群れ」 11/14、浅草名画座。 評価★★☆ 2000年製作。 渡辺武監督作品。 麻薬捜査でいわれなき汚名を着せられて辞職した刑事 (松方弘樹) が、ある裏仕事に絡むうちに、当時自分の部下で何者かに殺されながらやはり麻薬取引に関わったという汚名を着せられた若い刑事の姉 (高島礼子) と知り合い、事件の深層に迫っていく・・・・・というお話。 ほどほど面白いが、決定的なキメを欠いている印象もある。

128.「新網走番外地・嵐を呼ぶ知床岬」 11/14、浅草名画座。 評価★★ 1971年製作。 降旗康男監督作品。 言うまでもなく高倉健主演のシリーズ物のひとつ。 東京での妹の結婚式に出ようとして列車に乗っていたヒーローは、あるアクシデントのために北海道の小さな町で降りてしまい、そこの牧場に滞在するはめに。 そこでは名馬をめぐって、地元の悪徳業者がまっとうな経営をしようとする牧場主に圧力をかけていた・・・・・。 健さんが3日だけ猶予をもらって東京に急行し妹の結婚式をその日のうちにやってしまうという無茶苦茶が 『走れメロス』 的な設定でおかしいが、全体としての構成はやや杜撰だし、健さんの活躍もイマイチの印象がある。 シリーズ第16作ということでネタ切れだったのか? それと腑に落ちないのは、健さんが降りる駅は静内で、静内といえば日高本線沿いであり、襟裳岬はともかく知床岬からは遠く離れているはずだが、何でタイトルが 「嵐を呼ぶ知床岬」 なんだろう?????

127.「青い棘」 11/13、ル・シネマ(渋谷)。 評価★★★ ドイツ映画。   アヒム・フォン・ボリエス監督作品。 両大戦間のドイツを舞台に、ギムナジウム生同士のアモルフな友情意識と、そこから来る破壊衝動を描いている。 実際にあった事件が材料となっているらしいが、高踏的であろうとしながらどこか危うい若者たちの素顔がよく捉えられており、特に男子を演じる俳優たちがいい。 女子はそれに比べるとやや落ちるというか、美しさがもう少し欲しい気がする。 

126.「理想の女(ひと)」 11/12、シネスイッチ銀座。 評価★★★ オスカー・ワイルド原作 『ウィンダミア卿夫人の扇』(私は未読) の映画化。 マイク・バーカー監督作品。 1930年代の南イタリア保養地を舞台に、男性遍歴を重ねてきた中年女と結婚したての純真無垢な女を対比的に描くと同時に、両者の意外なつながりがオチとして用いられている。 無垢な女を演じるスカーレット・ヨハンソンがはまり役。 一方、男性遍歴を重ねた中年女のヘレン・ハントは、もう少し中年の色気みたいなものがほしい。 全体として時代的な雰囲気もよく出ているし、それなりに楽しめる映画ではあるが。 

125.「TAKESHIS’」 11/8、UCI新潟。 評価★☆ 北野武の最新作であるが、何というか、まあ、はちゃめちゃな映画です。 ハチャメチャで面白いというのではありません。 ハチャメチャでつまらないのです。 無論、芸術ではありません。 単に撮っただけです。 作ったのではありません。 そんなところで。 

124.「ブラザーズ・グリム」 11/7、UCI新潟。 評価★☆ テリー・ギリアム監督作品。 グリム兄弟の名を冠しているけれど、かなりゲテモノな映画である。 グリム童話から借用した人間や妖怪や魔女などが散発的に登場するが、どれも断片的な引用であり、筋書きはいい加減で、三流妖怪映画といった出来栄え。 塔の女王役で出てくるモニカ・ベルッチが美しいのがわずかな救いだが、真面目なグリム童話ファンはもとより、映画ファンにもお薦めしかねるシロモノである。

123.「イントゥ・ザ・ブルー」 11/7、UCI新潟。 評価★★☆ ジョン・ストックウェル監督作品。 ダイバー仲間が海の底に沈んだ船と飛行機を発見し、船には宝が、飛行機には密輸品の麻薬が積載されていたことからそれを狙う一味とのゴタゴタに巻き込まれ・・・・・といったお話。 ヒロインのジェシカ・アルバがチャーミングな水着姿をたっぷり見せてくれるところと、水中のシーンがなかなか美しいところが魅力的だが、筋書きはあまり凝っておらず、宝探しのドキドキ感だとか、麻薬がらみのヤバい怖さみたいなものはない。

122.「ノスフェラトゥ」 11/4、シネ・ウインド。 評価★★★ ドイツ映画祭のクロージング作品。 1922年、ムルナウ監督によるモノクロ・サイレント映画。 ここで上映されたのは英語版だそうで、字幕が英語で出る。 あらかじめ日本語訳がプリントで配られ、それを読んでおけば字幕英語もそう難しくないので、理解はまあ容易。 吸血鬼映画の嚆矢と言える映画で、特に前半、古城の様子が何とも言えず風情(?)があっていい。 この映画を上映するにあたってのウインド・スタッフの方々のご苦労を称えたい。

121.「春の雪」 11/4、Tジョイ新潟万代。 評価★★★☆ 三島由紀夫の遺作 『豊饒の海』 第1部の映画化。 行定勲監督作品。 大正時代を舞台に、公爵家の御曹司・松枝清顕 (妻夫木聡) と、伝統ある公家の家系の伯爵家令嬢・綾倉聡子 (竹内結子) との悲恋を描いている。 大正時代の貴族の生活をカネと手間をかけて再現しており、映像も美しく、また主人公たちを取り囲む面々のキャストが素晴らしい――若尾文子、大楠道代、岸田今日子、榎本孝明などなど――ので、見て損はない。 ただ、私の好みから言うと、ヒロインの竹内が物足りない。 綾倉聡子をやるには美しさと凛とした品位の双方が足りないのである。 今どきの日本、女優もたくさんいるはずだが、これはという人材は意外に不足気味なのだろうか。

120.「クレイジー」 11/3、シネ・ウインド。 評価★★★ ドイツ映画祭上映作品。 2000年、ハンス=クリスティアン・シュミット作。 原作はベンヤミン・レーバートの自伝的小説だそうな。 左手足が不自由なベンヤミンが、寄宿学校に転校して、そこで同級生たちと色々な体験をしながら成長していく、という、いわば古典的なドイツらしさ (?) を裏切らない筋書きである。 今回のドイツ映画祭メイン3作品の中ではもっとも映画らしい映画であり、その意味で安心して見ていられると言える。

119.「芝居に夢中」 11/2、シネ・ウインド。 評価★★★ ドイツ映画祭上映作品。 2003年、アンドレス・ファイエル監督作。 ベルリンの演劇大学に入学した4人の俳優志望者 (男1人、女3人) の軌跡を6年に渡って追ったドキュメンタリー。 演劇大学の試験の様子や、指導、教師と生徒の確執、外部への売り込みなど、ドキュメンタリーならではの興味深さに満ちた映画であり、悪くないできばえだ。

118.「シュルツェ、ブルースへの旅立ち」 10/30、シネ・ウインド。 評価★★★ ドイツ映画祭上映作。 2003年、ミヒャエル・ショル監督作品。 ヴェネツィア映画祭でコントロコレント監督賞 (って、何なんでしょうね) などを受賞とか。 鉱山を解雇されたシュルツェは、仲間たちと過ごしたり、ぼけて施設に入っている母を見舞ったりして毎日を送るが、今ひとつ元気が出ない。 しかし彼唯一の趣味アコーディオンの芸が功を奏して、アメリカはテキサスの音楽会に派遣されることになり・・・・・。 前半は地味であんまり面白くないが、後半、アメリカに出かけるあたりからなかなか悪くない作品になってくる。 もっとも娯楽映画ではないので、そのつもりで見ること。 映画を真面目に受け取る人には、退屈しない作品だと言っておこう。

117.「さよならみどりちゃん」 10/30、シネ・ウインド。 評価★★☆ 古厩智之監督作品。 ヒロイン (星野真里) はバイト先で知り合った男(西島秀俊) と関係を持って半同棲状態になるが、男には別にみどりという恋人が沖縄にいるという。 別の昔のガールフレンドとデートしたり、バイトに新しく入った女の子に手を出したり、徹頭徹尾だらしない男に、それでも彼女はどうしようもなく恋着して・・・・・・というようなお話。 現代風俗物かなとも思うけれど、こういう狭い世界を扱った映画って、あんまり評価する気になれません。 ヒロインのハダカを見たい人にはいいかも (笑)。

116.「怪人マブセ博士」 10/29、シネ・ウインド。 評価★★★ 本日からシネ・ウインドでドイツ映画祭が催される。 オープニング作品として、フリッツ・ラングが1932年に作ったこの作品が上映された。 22年に作られて世界的なヒットとなった 「ドクトル・マブセ」 の続編である。 ・・・・・・しかし、ドイツ映画祭ということで借りてきたフィルムには字幕がなく、シネ・ウインドの専従がスライドで脇に字幕を映し出す方式で上映されたが、このスライドの字幕が完全訳ではなく、ほんのところどころを訳しているだけなので、専従も字幕を写すタイミングに苦労されたようである。 ご苦労様。 映画そのものは結構面白いと思うのだが、このお粗末な字幕ではいかんともしがたい。 ドイツ文化センターはドイツ語映画の普及のためにも一考してほしい。

115.「私の頭の中の消しゴム」 10/28、Tジョイ新潟万代。 評価★★★☆ 韓国映画。 イ・ジェハン監督作品。 裕福な家庭の令嬢であるヒロイン (ソン・イェジン) は、会社の妻子持ちの上司と駆け落ちしようとして相手に裏切られる。 失意の彼女はある日、父の会社の下級労働者 (チョン・ウソン) とふとしたことで知り合い、恋に落ちる。 家族の反対を押し切って結婚に至るが、彼女は若年性アルツハイマー病に冒されており、やがては夫のことも分からなくなる運命だった・・・・・。 身分違いの恋と若年性アルツハイマー病という二つのテーマをもつ映画だが、あまり重苦しくはなく、映画として楽しめるようになっているところがいい。 もっとも重苦しいのが好きな人にはやや物足りないかも知れないが、私としてはチョン・ウソンの、長身で美貌ながら下層階級の凶暴さをもうまく表現しているところに感心した。 ソン・イェジンも可愛い。

114.「ドミノ」 10/24、UCI新潟。 評価★★ 賞金稼ぎの若い女性の生き方を描いたアメリカ映画。 トニー・スコット監督作品。 実話に基づくそうな。 私は主演のキーラ・ナイトレイが見たくて行ったのであるが、彼女以外は見るところがあまりない作品だった。 話の筋がごたごたして分かりにくく、映像もスタイリッシュに決めようとして決め損ねた感があり、どうにもほめようがないのである。

113.「運命じゃない人」 10/17、UCI新潟。 評価★★★ カンヌ映画祭で脚本賞をとった作品。 内田けんじ監督作品。 生真面目なサラリーマン、その友人の私立探偵、婚約を破棄して家出した女、などなどが出会い様々な事件が起こる様子を、複数の人物の視点から繰り返し描き、一見なにげない事態の進行の裏に実は意外な事実が隠されていることを明らかにする手法がとられている。 たしかに脚本としてはよくできている。 ただ、見終えた後の充実感みたいなものは、あんまりないな、と思った。

112.「彼女を信じないでください」 10/15、UCI新潟。 評価★★★★ 韓国映画。 刑務所を仮出獄したヒロイン (キム・ハヌル) が、偶然の重なりから地方都市で薬局を営む旧家の跡取り息子の婚約者と誤解されてしまい・・・・という喜劇。 展開が奇想天外ながらなかなか良くできており、喜劇としての面白さもそれなりにあり、なおかつ最後はラブロマンスとしてめでたしめでたしで終わるので、気持ちよく見ていられる傑作映画である。 こういう優れた作品が新潟では首都圏に遅れること4カ月、しかも1日1回上映で2週間のみ、というのは実に残念である。 あと1週間しかないが、韓国映画ファンや喜劇ファンには必見と言っておこう。

111.「蝉しぐれ」 10/14、Tジョイ新潟万代。 評価★★★★☆ 藤沢周平作品 (私は未読) の映画化。 黒土三男 (くろつち・みつお) 監督作品。 江戸時代の地方小藩を舞台に、父が謀反に加わったという咎で死罪に処され貧しい暮らしを強いられつつ育った主人公 (石田卓也 → 市川染五郎) が、やがて父の旧碌に復するものの、代わりに家老の陰謀に加担させられ、奇しくも、幼なじみながら江戸屋敷に仕えるうちに殿様の子供を生んで側室となっている女性 (佐津川愛美 → 木村佳乃) と再会を果たす、という物語。 幼い頃から惹かれ合いながらも、ついに結ばれることなく終わる二人の出会いと別れが、切なくも淡々と描かれている。 また季節の移り変わりが美しい映像で表現されているのも魅力的だ。 ヒーローの大人役とヒロインの子供役にはやや不足を感じたし、筋書き上の難点もないではないが、長所が欠点を補って余りある作品であり、是非にとお薦めしたい映画だ。 

110.「この胸いっぱいの愛を」 10/14、Tジョイ新潟万代。 評価★★★ タイムスリップ映画。 2006年1月、東京から北九州市門司に向かう飛行機に乗った主人公 (伊藤英明) ら数名は、なぜか門司に着いた時点で20年前に戻ってしまう。 かつて子供時代に1年だけ祖母の経営する門司の旅館に預けられていた主人公は、当時ひそかに惹かれていた音大出たての美しい女性 (ミムラ) と再会する。 20年前、彼女は難病のためにほどなく死んでしまっていたのだが、20年前に戻った主人公は何とかして彼女の命を救おうと考えて・・・・・・。 非常に甘い、感傷的ムードに塗り込められた作品だが、まあ悪くはない。 私としては、脇役だが主人公と一緒にタイムスリップしたチンピラがかつて自分を生んですぐ死んでしまった母に会いに行くという設定で、母として登場する臼田あさ美に注目した。 この人、私好みの美形なのである。 今後に注目! 

109.「やさしくキスをして」 10/6、シネ・ウインド。 評価★★★☆ 英国映画(正確には英独西伊合作)。 ケン・ローチ監督作品。 グラスゴーを舞台に、音楽教師の白人女性と、父母がパキスタンから移住してきたイスラム二世の男性とが出会い、愛し合いながら、家族や宗教の桎梏から困難に向かい合うというストーリーである。 前半はわりにスムースに進むし、エロティックなシーンもあるので (なかなか刺激的)、異文化間の摩擦もあまり感じられないが、後半になると深刻な展開で、見応え十分な作品という印象である。 ヒロインのエヴァ・バーシッスルも魅力的。 ヒロインの近代主義的な恋愛観が、イスラム男性や英国教育制度のなかの宗教性によって或る程度相対化される、というところまで行くと、もっと見応えがある映画になったとも思うのだが・・・・・。

108.「鳶がクルリと」 10/1、Tジョイ新潟万代。 評価★★★ 観月ありさ主演の最新作。 会社で自分のアイデアが首脳陣に受け入れられず、とび職の説得の仕事に回されたキャリアウーマン (観月ありさ) が奮闘するお話である。 私は観月が好きだから見たのであるが、彼女を主演にした映画はどうしていつも作りがまずいのかと慨嘆した。 とび職の職人を演じる面々はなかなかいい。 特に塩見省三が出色。 宇津井健と哀川翔も好演。 そこを買って★3つにしたわけだが、肝腎の観月ありさがよろしくないのである。 いや、ありさ自身がよろしくないのではなく、役柄や筋書きの作りがナッテイナイのだ。 彼女のように器量の大きな存在を活かせる日本の映画人って、いないんだろうか。 中途半端にお色気路線、中途半端にコメディエンヌ、中途半端にシリアスなのである。 どうして日本映画はこうなのか、と言いたくなってしまうのである。 

107.「オペレッタ 狸御殿」 10/1、シネ・ウインド。 評価★★☆ 鈴木清順監督の最新作。 人間のサムライ(オダギリ・ジョー)と狸姫(チャン・ツィイー)の恋物語をオペレッタ風に映画化した作品。 ううむ、軽く楽しんでおけばそれでいい、という印象。 清順ワールドの芸術性を求めると、失望しそうである。

106.「四月の雪」 9/30、Tジョイ新潟万代。 評価★★★ ヨン様ことペ・ヨンジュン主演の最新作。 交通事故で男女のカップルが重体となる。 しかし彼らは不倫関係で、病院に駆けつけた女の夫 (ペ・ヨンジュン) と男の妻 (ソン・イェジン) は驚きと苦痛にみまわれる。 しかし二人はやがて・・・・・というような、時間軸をズラしたスワッピングみたいなお話である。 映画の作りは丁寧で悪くないとは思う。 主役二人の魅力も十分。 しかし、二人の行動が説得的か、というと、その辺が微妙な気がする。 もっとも、筋書きの説得性ではなく、雰囲気を重視して映画を見る人にはなかなかの作品だろうと思う。

105.「ルパン」 9/26、UCI新潟。 評価★★☆ かの有名なアルセーヌ・ルパン物の映画化。 原作でルパンが誕生して100年になるのを記念してフランスが総力を挙げて作った映画だとか。 彼の子供時代から始まって、青年期をへて、最後は中年に至るまでを描いている。 作中に登場する宝石類は全部本物だとか。 カネと手間をかけて作っているのは分かるのだが、肝腎のルパン役のロマン・デュリスが魅力に乏しい。 ルパンはもうすこしカッコよくなきゃあ。 一方女優陣はといえば、クラリス役のエヴァ・グリーンはまあまあだが、カリオストロ伯爵夫人役のクリスティン・スコット=トーマスがよくない。 妖艶な美女じゃなくちゃいけないのに、彼女は色気がないから、若い頃ならともかく、中年となった今は完全にミスキャストである。 というわけで、キャストのまずさが残念な映画となった。

104.「迷宮の女」 9/23、シネ・ウインド。 評価★★★ フランス映画。 多重人格の娘クロードは殺人を犯して逮捕されるが、犯人は自分の中に住む別人だと語る。 彼女の中には何人もの人間が住んでいるが、不思議なことに古代ギリシアの迷宮神話に登場するミノタウロスやテーセウスやアリアドネなどであった。 はたして真相は・・・・・というようなミステリアスな映画。 ただし語りが素直ではなく、進行そのものに罠が仕掛けられているので要注意――これは映画を見ているとだんだん分かっていることだけれども。 フランス映画らしいあざとさみたいなものが感じられる。

103.「深紅」 9/20、Tジョイ新潟万代。 評価★★☆ 「破線のマリス」 の脚本を書いた野沢尚の遺作。 月野木隆監督作品。 両親と弟2人を殺された娘 (内山理名) は、その殺人犯の娘 (水川あさみ) に興味を抱き、近づいて正体は隠したまま友だちになる。 被害者の娘と加害者の娘という正反対の立場のふたりはやがて或る殺人を計画するにいたるのだが・・・・・。 設定としてはなかなか面白いのだが、正反対の利害関係を持つ二人が付き合うという、本来心理的にスリリングな展開の部分があまりうまくできておらず、まあこれは主演の内山理名がボンクラだからということも大きいと思うが (水川あさみは悪くない)、そういうミスキャストと展開のまずさが、せっかくの設定の妙をぶちこわしにしているような気がする。 惜しまれる作品だ。 

102.「容疑者 室井慎次」 9/19、UCI新潟。 評価★★☆ 「踊る大捜査線」 シリーズの一本。 殺人容疑で取調中の容疑者が逃亡し、追われる途中で交通事故で死亡。 その遺族から違法な取り調べだとして告訴された室井慎次が逮捕される、というところから話が始まる。 背後には警察庁と警視庁の権力争い、そして 「人権」 を盾に富と名声を狙う弁護士の陰謀があった。 果たして彼は・・・・・というようなお話だが、脚本が十分に練れておらず、最後の解決も拍子抜け。 途中気を持たせるわりには 「ううむ」 な出来である。 もう少し考えて作って欲しいものだ。

101.「Dear フランキー」 9/16、シネ・ウインド。 評価★★★ 英国映画。 少年フランキーは赤ん坊時代に父から受けた暴力で耳が聞こえない。 夫と別れて暮らすフランキーの母は、そのことを隠し、あなたのお父さんは船員で世界中を航行しているのだと嘘を言って、自分で 「父親からの手紙」 を書いて息子宛てに出している。 ところがある日、彼らの住む港町にフランキーの父が乗っているはずの船が入港する。 追いつめられた母は、見ず知らずの男に一日だけの父親役を頼む・・・・・・。 やや意地の悪い言い方をすると感動を狙った筋書きが見え見えだが、よく考えるとちょっと腑に落ちないところが残る作品である。 ネタバレになるので具体的には書けないが、私は素直に感動できなかった。 まあ、悪くはない映画だとは思うけれども、あまり細かいことを気にしない人には感動作、と言っておこう。

100.「サマータイムマシン・ブルース」 9/16、Tジョイ新潟万代。 評価★★★ 上田誠原作・脚本、本広克行監督による作品。 某大学のSF研究会の部室の脇にタイムマシンが出現。 部員たちは、たまたまその直前にリモコンが壊れてしまってクーラーが作動せず暑いのに閉口していたため、リモコンが正常に動いていた昨日に戻ってリモコンを取ってこようとするのだが・・・・・。 もともとは演劇作品だそうで、筋書きはなかなかよくできている。 もっともタイムトラベルものなので矛盾を探せばいくつか見つかるけれど、まあ、あまり細かいことは詮索しないで、という雰囲気の映画である。 ただ、筋書きだけで勝負しているので、感激や感動と言ったものとは縁のない作品であるから、そのつもりで見ること。

99.「タッチ」 9/12、UCI新潟。 評価★★★ あだち充の有名なマンガの映画化。 犬童一心監督作品。 幼い頃から一緒に育った上杉達也と和也の双子 (斉藤祥太・慶太) と隣家の浅倉南 (長澤まさみ)。 南を甲子園に連れていこうと野球部で活躍する和也は、しかし交通事故で死んでしまう。 それまで落ちこぼれていた達也は、和也に代わって南を甲子園に連れて行くべく努力を開始する・・・・・・。 原作が長篇マンガなので、2時間の映画は当然ながらそのすべてを描ききることはできない。 その辺を割りきって見れば悪くない出来だと思う。 長澤まさみが可愛いし、脇役陣がなかなか個性的なので、飽きずに最後まで楽しめる。 原作そのままの再現を求める人には、向かない映画だろう。

98.「亀は意外と速く泳ぐ」 9/9、シネ・ウインド。 評価★★ 三木聡監督作品。 平凡な主婦 (上野樹里) がスパイに雇われる、というコメディなのだが、人により好き嫌いの別れる作品だろう。 私は買わない方。 日本映画的な安っぽさと安易さが目に付くからだ。 まず、スパイと言うけれど、ヒロインの与えられた使命は 「目立たないこと」 だけなのである。 何かを密偵するわけではない。 平凡な主婦が平凡で目立たなくあることを必死でやるところが面白いという意見もあるだろうが、私には思いつきの小ネタで映画を作ってしまう阿呆さ加減だけが目に付いた。 子供の学芸会ならともかく、カネとって見せる映画がこの程度でいいんでしょうか??? 深〜い疑問を覚えたのでした。 

97.「NANA」 9/9、Tジョイ新潟万代。 評価★★★★ 人気マンガの映画化だそうである。 大谷健太郎監督作品。 たまたま上京途中の列車の中で同席したことをきっかけに友だちになったボーカリスト志望の大崎ナナ (中島美嘉)と、好きな男の子のあとを追う小松奈々(宮崎あおい)の、二人のナナの物語である。 冷徹そうな中島ナナと、かわいらしさをウリにしている印象の宮崎ナナだが、二人の交流がなかなか説得的に展開し、女同士の友情で泣かせるところもあって、爽快な印象が残る。 原作未読なので、原作を好きな人がどう思うかは分からないが、映画そのものの出来としては高水準であり、お薦めできる作品だ。

96.「いつか読書する日」 9/6、シネ・ウインド。 評価★★★ 緒方明監督作品。 高校生時代交際していながら、或る事件がきっかけで分かれてしまい、今は50歳になっている中年男女。 女 (田中裕子) は独身を通して、朝は牛乳配達、昼はスーパーのレジ打ちの仕事をしている。 男 (岸部一徳) は市役所勤務で、妻 (仁科明子) は不治の病で死にかけている。 そんな二人の日常生活と、男の妻が死んだことがきっかけで起こった出来事とを描いている映画。 まず、舞台に使われているのが長崎で、作中そうは名指されていないが、坂が多く道の入り組んでいる、そして市電の走っている街の描写がたいへん丹念で優れている。 そうした描写を土台に、市民たちのふだんの暮らしや、ちょっとしたアクシデントなどが淡々として綴られており、主人公二人の秘められた心情はそうした背景のなかにあってこそ、自然なものと思われてくるところが、この映画の特徴だろう。 ただ、残念ながら私は田中裕子が好きではなく (ウマイのは分かりますが)、岸部一徳も、独特の雰囲気のある人だけれど、この作品に合っているのかどうか、よく分からなかった。 

95.「愛についてのキンゼイ・レポート」 9/5、UCI新潟。 評価★★★☆ アメリカ・ドイツ合作映画。 ビル・コンドン監督作品。 性についての調査で有名なキンゼイ博士の半生を描いたドラマである。 構成や運びに工夫が凝らされており、単なる学者の人生ものには終わっていない。 また、無論、名前はよく知られているがその生涯や人となりについては知識がない我々に、なるほど、あのキンゼイ博士とはこういう人だったのか、と納得させる学習的な効果もそれなりにある。 悪くない映画だと思う。 主演リーアム・ニーソンがはまり役、妻役のローラ・リニーもソフトな美しさがあって魅力的だ。

94.「リンダ リンダ リンダ」 9/1、WMC新潟。 評価★★ 山下敦弘監督作品。 女子高生が文化祭でエレキギターとドラムを使って歌を歌う企画をたて、それを実行に移す話。 全体として話にメリハリがなく、だらだらと日常を綴るという手法で、面白みが感じられない。 韓国女優ペ・ドゥナが留学生役で出ているが、彼女の魅力も活かされていない。 退屈でした。

93.「奥さまは魔女」 8/29、UCI新潟。 評価★★★ かつて米国のテレビドラマとして一世を風靡し、日本でも人気が高かった 『奥様は魔女』 の映画版である。 といっても、単なるリメイクなのではなく、落ち目の映画男優がテレビドラマに出演することになり、『奥様は魔女』 のリメイクを企画。 自分が目立ちたいがために相手の妻=魔女役には有名女優ではなくシロウトを起用することに決めるが、実は選ばれたシロウト女性 (ニコール・キッドマン) は本物の魔女だった・・・・・という凝った設定になっている。 全体としてあまりドタバタ調ではなく、滑稽味を主要目的に見る人にはやや物足りないかも知れないが、設定と進行が洒落ていて、私としては悪くない出来だと評価したい。

92の補足。 『Little Birds』 の最後のテロップで重信メイの名が出てくるのを見て、あれ、と思った。かつて極左の日本赤軍幹部として名を馳せた重信房子の娘である彼女は、パレスチナ側のスポークスマン的な立場で日本でも活動している。 彼女は日本の小学校で講演活動をして問題になった。    http://hp1.cyberstation.ne.jp/negi/DEMO/topic/t010.htm 
  私は母親が逮捕されており現在公判中だから娘のメイもケシカランと言いたいのではない。 良くは知らないものの、この映画がパレスチナ=アラブ的な思想的な背景のもとに、つまり反イスラエル=反米的なイデオロギーのもとに作られているのでは、という疑問を強く持った、と言いたいのだ。 特に映画の最後近くで子供に反米を語らせているところは、そうしたイデオロギーが濃厚に感じられる箇所だろう。
  実は重信メイの講演会が今年4月に新潟で行われており、映画館ウインドも 「協力」 という形で関わっている。 そうしたネットワークが今回の映画上映にも影響した可能性は高い。
  私は言論抑圧は嫌いだから、彼女の講演や 『Little Birds』 の上映がイケナイと言いたいのではない。 小学校ではないのだから、堂々と自分の見解を主張したり、そうした映画を上映したりするのは結構である。 ただ、上記の背景をちゃんと知っておいてほしいし、きちんと明らかにすべきだということなのである。 重信メイの講演会は、ウインドが毎月出している雑誌 『月刊ウインド』 の7月号でも報告されたが、報告者は 「先輩から聞いたところでは、彼女のお母さんはすごい美人だったという」 などと脳天気な文句を並べており、「お母さん」 である重信房子が日本赤軍に属し逮捕されている身の上だということには何も触れていない。 実は脳天気というより、政治的なのだろうが。
  逮捕されていようと日本赤軍だろうと、その思想的立場を支持するということはあってよい。 問題なのは、その事実を隠すようにして、母親の行動と無関係に純粋な自発性と善意から行動を行っているかのように見せかける欺瞞である。 事実ははっきりと提示しておのれの思想的な主張を行うべきではないか。

92.「Little Birds イラク戦火の家族たち」 8/26、シネ・ウインド。 評価★★☆ 綿井健陽監督作品。 アメリカの攻撃によりサダム・フセイン政権が崩壊した頃のイラクを映したドキュメンタリー。 米軍の爆弾によって一般イラク市民の子供たちが死んだり腕を失ったりする様が描かれている。 無辜の子供たちのそうした姿はたしかに痛々しい。 イラク人たちの反米感情もそれなりに分かる。 だが、それは半分の事実にすぎない。 残る半分はこの映画には描かれていない。 サダム・フセインとイラク人の関係はどうだったのか。 イラン・イラク戦争時の彼らはどんな様子だったのか。 またパレスチナとの関係についてはどう思っているのか。 映画の中に 「人間の盾」 として反米的な行動をとる人間の姿が描かれている。 しかし、彼らがこういうことをできるのは、相手がアメリカ軍や西側の軍隊だからだ。 つまり、(問題があるにせよ) 民主主義国の軍隊だからだ。 彼らはサダム・フセインの暴政に対して 「人間の盾」 を敢行することができただろうか? また、映画制作者は、アメリカ軍に対するのと同じように、フセインやその側近に 「なんでこんな暴政をするんですか?」 とぢかに尋ねることができただろうか? 抗議やきわどい質問をすることができるのは、実は相手が比較的まともな場合なのであって、そうでない場合は不可能なのだ。 そして抗議や質問が不可能な相手の方がむしろタチが悪いわけだが、映画はそこを決して描かない。 それは映画というジャンルの限界なのか、それとも制作者の姿勢の限界なのか。 なお補足 (↑) を参照。 

91.「恋する神父」 8/26、Tジョイ新潟万代。 評価★★★ 韓国映画。 神父になる目前の神学生が、奔放な女の子に出会って翻弄されるうちに、やがて彼女への愛を自覚していき・・・・・というラブコメディ。 何となく 『猟奇的な彼女』 を連想させる筋書きで、あまり新奇な印象はないが、その分安心して観られるとも言える。 ヒロインには別に婚約者がいるという設定だが、彼との関係がかなりご都合主義的にしか描かれていないのが、いくぶん傷となっている。

90.「ヒトラー 最期の12日間」 8/22、UCI新潟。 評価★★★ ドイツ映画。 『es』 で注目されたオリヴァー・ヒルシュビーゲル監督作品。 話題の映画である。 第二次大戦下、ナチスドイツが瓦解する直前の12日間に焦点を当てて、主として若い秘書の目を通してヒトラーやその周辺の幹部たちの人間模様を描いている。 ヒトラーの、戦争指揮においては狂気じみた、しかし愛人や秘書や愛犬にはきわめて優しく人間的な様子は、従来の悪魔イメージ的なヒトラー映画での描写とは一線を画しており、ヨーロッパでも物議をかもしたが、私に言わせれば独裁者というのはそもそもがこういうもので、人間的であるからこそ恐ろしいことを平気でするものなのである。 禁煙主義者で菜食主義者でもあったヒトラーの相貌も描かれていて、世界を清潔にしようという意志はナチズムやファシズムと類縁性が高いことを実感できるだろう。 映画としての面白さには多少欠けるところもあるけれど、歴史の見方を考えさせられるという点で悪くない作品だ。

89.「Mr.Boo」 8/18、UCI新潟。 評価★★☆ 76年の香港映画。 当地で喜劇王と呼ばれるマイケル・ホイ監督・脚本・主演作。 このたびシリーズ5作がまとめてDVD化され、その宣伝を兼ねて第一作である本作品がユナイテッド・シネマでDVDによる試写会という形で上映され、私もタダで見ることができました。 UCIに感謝します。 ビートたけし・きよしが吹き替えを担当している。 しかし、DVDをユナイテッドの広い画面に映すと、さすがに暗くて、普通のフィルム上映のような鮮明さはない。 むかし、万代シティの今はなき万代東宝がビデオ上映をやっていたが、あれを想起した。 閑話休題。 喜劇というのは難しく、人を一様に大笑いさせるのは大変なわけだが、本作もまあまあ面白いけれど、大笑いの連続とまではいかなかった。 悪くはないけれど、ほめるほどでもない。 話はちょっとずれるが、私の隣席にすわったのが小学校上級学年かと思われる女の子。 試写会の招待状は1人ごとにしか出されていないので、この子も同伴なしの一人きりだった。 夜7時からの上映だというのに、女の子一人で見に来ていいのか、と疑問を持った。 もっともこの子、私の3倍は笑っていました。 ワタシのような50代の人間より笑いの感受性が豊かなのかも知れませんね。

88.「亡国のイージス」 8/15、UCI新潟。 評価★★ 自衛隊の高性能イージス鑑が、自衛官と朝鮮人とに乗っ取られる。 彼らの日本政府への要求とは、そして彼らの究極の意図とは・・・・・という、なかなか面白そうな話なのではあるが、残念ながら出来がよろしくない。 肝腎なのは、自衛官としての職務を裏切った二佐 (寺尾聰) がなぜそうしたのか、また朝鮮人 (中井貴一) がいかなる経緯と工作によって自衛艦に乗り込むことができたのか、というところなのだが、その辺の説明や描写が弱く、したがって話全体の骨格に説得性が生まれてこないのである。 また、その後の展開にしてもヤワで、日本の映画ってこんなに作り方が下手だったのか、という気分にさせられてしまう。 登場人物を 「情」 で処理しすぎる。 情も悪くないけれど、自衛隊の話なんだから、その前に職務ってものがあるはずでしょうが。 職務をとことん突きつめた末の 「情」 なら分かりますけれど、そうじゃないので、困ってしまう。 というわけで、買えない映画と言うしかありません。

87.「MY FATHER」 8/12、シネ・ウインド。 評価★★☆ イタリア・ブラジル・ハンガリー合作映画。 ナチス時代、「死の天使」と呼ばれ恐れられ、数々の人体実験で名を馳せた医学者ヨゼフ・メンゲレが、敗戦後南米に逃亡して生き延び、ある時ドイツから訪ねてきた息子と再会したという実際にあったエピソードを元に、父のなした行為の意味を問おうとする息子 (トーマス・クレッチマン) と、あくまで自分の非を認めない父 (チャールストン・ヘストン) との対話を描いている。 作中、説明は若干あるが、あらかじめメンゲレのことについて多少知っておかないと分かりにくいし、映画としての面白みもやや足りないような気がする。 しかし、メンゲレ (映画内ではそう名指されていないが) を演じるヘストンの迫力は相当なものだ。 

86.「皇帝ペンギン」 8/8、UCI新潟。 評価★★☆ フランス映画。 南極に住む皇帝ペンギンが、いかにして出産・子育てをするかを撮影したドキュメンタリー。 あのヨチヨチ歩きで遠い距離を集団で移動し、決まった場所で交尾・卵生み・孵化をする。 最初メスが卵を抱き、次いでオスが抱き、その間メスはかなり離れた場所で魚などを食べて体力をつけ、帰ってくると今度はオスが・・・・・という涙ぐましい夫婦協力の末にやっと子供が生まれる様は、なかなか感動的ではある。 ただ、全体としてこのペンギンの生態を詳細に教えてくれるというほどでもなく、ナレーションが中途半端なのが惜しまれる。

85.「アイランド」 8/5、Tジョイ新潟万代。 評価★★★ マイケル・ベイ監督作品。 近未来SF。 汚染された地上を離れ隔離された環境で過ごす人類。 彼らの中から数人ずつが、定期的にくじ引きで 「アイランド」 に行くことが認められる。 夢のような暮らしができるというアイランド行きの可能性にすがりながら生きている人々。 しかしある日、主人公 (ユアン・マクレガー) は、自分たちが欺瞞的なシステムの中で生かされていることに気づき、仲良しの女性 (スカーレット・ヨハンソン) とともに逃亡を試みる・・・・・。 私としてはあまり食指が動かないタイプの映画だが、スカーレット・ヨハンソンが出ているというので見る気になった。 前半でヒーローとヒロインが脱出を完了してしまうので、この後どうするのかなと思ったけれど、まあまあうまく展開している。

84.「トニー滝谷」 8/5、シネ・ウインド。 評価★★★ 村上春樹の短篇小説を市川準が映画化したもの。 孤独に慣れた主人公 (イッセー尾形) が、愛する女性 (宮沢りえ) とめぐり会って結婚するが、妻はやがて洋服購入中毒症 (?) となり、それが間接的な原因で交通事故を起こして死ぬ。 ふたたび孤独に戻った主人公はやがて・・・・・・というようなお話。 軽いタッチで話が進むので、下手をすると映画自体の感銘も軽くなりそうだが、それを防いでいるのはヒロインの宮沢りえの卓越した演技であろう。 私は残念ながら彼女が好みではないのだが、うまさは認めざるを得ない。

83.「宇宙戦争」 7/29、Tジョイ新潟万代。 評価★☆ ウェルズの著名な小説の映画化。 スピルバーグ監督作品。 トム・クルーズ主演、ダコタ・ファニング共演。 うーん、面白くない。 いくらカネをかけて宇宙人による建物破壊だとか恐怖シーンだとかを撮っても、人間ドラマや全体の構成をおろそかにしていては、子供ならいざしらず、ワタシのような50代の人間を納得させることはできないのである。 と書けば、どういう出来かは分かるでしょう。

82.「初恋白書」 7/25、UCI新潟。 評価★★ 韓国映画。 95年製作。 ヨン様ことペ・ヨンジュンが映画に初登場した作品ということで今頃になって日本で上映されたらしい。 ただし彼は脇役である。 物語は、不良高校生のボス (キム・ギョン) が赴任してきた美人教師 (キム・グミョン) に恋をするという話である。 筋の展開がかなり破天荒で、そこが韓国流なのかもしれないが、伏線もなしに色々なことが起こるので、ちょっとどうか、という気はした。 そもそもヒロインは膝上25センチくらいのミニスカートで教壇に立ち、これが保守派 (?) の教師から批判される一因になるわけだが、なんでそんな格好をしなければならないのかよく分からないし、観客サービス (笑) ならばもう少しきわどいシーンも必要だと思われ、どうも行き当たりばったりに作られた感が否めない。 まあ、そこが韓国風でいい、という人もいるかも知れませんが。 あと、美人教師は美人度がもう少し欲しい気が (笑)。

81.「姑獲鳥(うぶめ)の夏」 7/22、Tジョイ新潟万代。 評価★★★ 京極夏彦の小説を映画化したもの。 私は原作は未読だが、昭和27年の日本を舞台に、20カ月ものあいだ妊娠している大病院の娘、そして人が密室内で消えるという謎をめぐって、かなり大時代的なセリフをまじえながら物語が進行する。 こういう雰囲気はわりに私は好きで、楽しんで見ることができた。 ただし謎自体はかなり……であり、また女優陣がイマイチ (原田知世と田中麗奈、ちょっと合わない気がするねえ) なのが残念。 男優は、探偵役の京極堂・堤真一、探偵なのに探偵役を果たさない榎木津・阿部寛など、なかなか悪くない陣容だが。

80.「コーヒー&シガレッツ」 7/16、シネ・ウインド。 評価★★☆ ジム・ジャームッシュ監督作品。 モノクロ。 タイトル通り、喫茶店などでコーヒーとタバコを媒介にして友人等が語り合う短篇11編を集めている。 ジャームッシュ監督の肝いりで、ロベルト・ベニーニ(「ライフ・イズ・ビューティフル」の主演兼監督)、ケイト・ブランシェット、イギー・ポップなど、映画界や音楽界の著名人が多数登場。 というわけで話題性は小さくない映画だが、設定の都合上、小ネタの連続という印象が強く、ヒネリもさほど効いていない場合が多くて、全体の印象はイマイチであった。 中で印象に残ったのは、「ルネ」 のヒロインであるルネ・フレンチ。 大変な美人だが、どういう人なのだろう。 それにしても、この映画では喫茶店のテーブルって大抵は市松模様なんですね・・・・・。

79.「海を飛ぶ夢」 7/15、UCI新潟。 評価★★★☆ アレハンドロ・アメナーバル監督作品。 スペイン映画。 アカデミー賞外国語映画部門賞、ゴールデングローブ賞外国語映画部門賞などを受賞している。 若い頃に崖から浅瀬に飛び込んで頭を打ち、首から下が不随となった主人公(ハビエル・バルデム)。 二十数年間を兄夫婦の世話になって寝たきりの生活を送っていて、自ら尊厳死を望むがかなえられない。 しかしその件で病気持ちの中年美人弁護士 (ベレン・ルエダ) と知り合いになったのをきっかけに、展望が開けてくる・・・・・・。 重いテーマの作品ではあり、あまり筋書きの展開もなさそうなので、なんとなく行くのをためらっていたが、新潟では2週間の限定上映ということもあり、楽日にようやく見にいってみた。 しかし、展開は軽やかで、ユーモアもあり、決して悲愴さや深刻さが強調されてはおらず、観客を飽きさせずに最後までもっていく手腕は相当なものだ。 自裁の結末でありながら、大げさにならず淡々として時間が進行し人間関係が展開していくなか、作中人物に素直に共鳴していくことが可能となっている。 客の入りも悪くなかったので、2週間限定は惜しい。 

78.「female フィーメイル」 7/12、シネ・ウインド。 評価★★★ 日本映画。 5人の女性作家の手になる原作を、5人の映画監督 (こちらは女性とは限らず) がそれぞれ短篇映像化したオムニバス映画。 ワタシの主義として、特にこういう 「おんな」 を扱う映画であるからにはヒロインは美人でないと、という条件からすると、合格点を上げられるのは最初の 「桃」 と第3作の 「女神のかかと」 であろう。 「桃」 は、長谷川京子が、かつて中学時代に教師と関係していて、久しぶりに故郷に帰ってかつての同級生たちと話をするヒロインを魅力的に演じている。 ちなみにヒロインの中学時代を演じる野村恵里もHシーンを大胆に見せていて、なかなかいい。 タイトルに負けず、桃の使い方もエロティック。 「女神のかかと」 は、同級生のお母さんである美しい人妻 (大塚寧々) に憧れる小学校高学年の男の子の心情を描いた作品で、大塚が非常にキレイ。 欲を言えば、もう少し露出してほしいけれど (笑)。

77.「猟人日記」 7/9、シネ・ウインド。 評価★★★ 英国映画。 デヴィッド・マッケンジー監督作品で、2003年のカンヌ映画祭の 「或る視点オープニング作品」 なのだそうである (それがどうした、ってもんだけれどね)。 1950年代のグラスゴーを舞台に、貨物船で働く青年(ユアン・マクレガー)が水に浮かぶ女の死体を発見し、その女と青年の関わりがフラッシュバック手法で明らかになる一方、青年が貨物船の主である中年女性(ティルダ・ウウィントン) と関係を持つようになるというような映画である。 セックスシーンがやたら出てくるが (18歳未満お断りの映画なのです)、あまりその気 (?) にならない。 私としてはグラスゴーの運河地帯の風景が、この映画の一番の見どころだろうと思いました。

76.「バットマン・ビギンズ」 7/8、Tジョイ新潟万代。 評価★★★☆ バットマンがいかにしてバットマンになったか、という映画。 といってもそれだけで終わると物足りないので、後半はちゃんと悪をやっつけるお話になるし、前半が後半にリンクしていることがおしまいのあたりで分かるようになっているなど、かなり工夫の跡が見られる作品である。 エンターテインメントとしてそれなりに楽しめる。 ただ、日本人としては渡辺謙の出番が、騒がれたわりには少ないのが残念。 あと、ヒロインのケイティ・ホームズ――最近トム・クルーズと婚約してニュースになっている――が全然可愛くないのが、何とも興ざめではあるが。

75のついでに(1)。 ユナイテッドシネマでは、新しいポイントカード制を開始した。 従来は1000円で1年間有効、最初に1200ポイントをくれ、平日は1000ポイント、土日祝日は1200ポイントで無料鑑賞、有料鑑賞すると1割がポイントになり、カード提示で300円引き、という内容だった。 それが、新しい制度では、入会金1000円で1年間有効、(平日と土日とを問わず)1本無料鑑賞、カード提示で300円引き、有料鑑賞1回で1ポイント加算、6ポイントで無料鑑賞、となった。 これは私のように原則としてメンズデーか毎月1日のサービスデーにしか映画を見ない人間にはありがたい制度である。 従来はメンズデーなどに1000円で映画を見ると1割の100ポイント加算、平日無料鑑賞の1000ポイントをためるには10回見ないといけない計算だったわけだが、今度はとにかく有料鑑賞すれば1ポイントだから、メンズデーで6回見れば1回無料鑑賞となる。 つまり、従来は10000円で11本 (1本あたり909円) だったものが、今度からは6000円で7本 (1本あたり857円) となったわけである。 ただし旧カードからの切り替えには300円かかるが、そのかわりポイントの切り替えには配慮がなされていて、私が持っていた旧カードには1000ポイント残っていたのだが、これを7ポイントに読み替えてくれた。 つまり、旧カードでは平日1本見るとポイントが全然残らない計算だったのが、今度は無料鑑賞しても1ポイント残っている計算である。 うん、ユナイテッドのサービス向上は評価に値する! 詳しくはこちら(→)をどうぞ。 http://www.unitedcinemas.jp/niigata/index.html  それにひきかえ、という話を次 (↓) に・・・・・

75のついでに(2)。 ワーナーマイカルのサービスの悪さが際だつこの夏。 最近、ワーナーマイカルでは以下のような文章をサイトに掲載した。 《今夏の謝恩祭 「サマー サンクス フェスタ」 の一環としてご案内して参りました 「スタンプカード」 についてのサービスを、6月8日をもって中止させていただくこととなりました。 皆様には大変ご迷惑、ご不便をお掛けいたしますことを慎んでお詫び申し上げます。なお、既に 「スタンプカード」 をお持ちのお客様につきましては、8月末日までの間に 「3つのスタンプ」 を獲得された場合、代替のサービスをご用意いたします。》  どういうことなのかというと、ワーナーでは感謝祭と称して、6月からスタンプカードを配布し、3回映画を見たら1回無料鑑賞、というサービスを用意したのである。 ところが、それが配給会社の圧力か何かでダメになったという次第。 そうでなくともサービスがユナイテッドやTジョイより悪いのに、これじゃあ新潟ではワーナーマイカルに行く人はますます少なくなるでしょうねえ。 今でもユナイテッドやTジョイと違ってポイントカードがないし、メンズデーもない、という具合に明らかにサービスで劣っているんですから。 

75.「ダニー・ザ・ドッグ」 7/1、UCI新潟。 評価★★★ リュック・ベッソンの脚本、ルイ・レテリエの監督になる映画。 孤児だったのを借金取り立て屋(ボブ・ホスキンス)に拾われて育てられ、戦闘のみを仕事とする犬のように育てられたアジア系青年(ジェット・リー)。 ある時青年はふとしたことから盲目のピアノ調律師(モーガン・フリーマン)と知り合い、やがて一緒に暮らすようになる。 調律師の亡き妻の連れ子である少女 (ケリー・コンドン) とも仲良くなっていき、人間性を取り戻していく青年に、しかし取り立て屋の魔手が迫る・・・・・・・。 まあ、退屈せずに見られる映画ではある。 ただ、モーガン・フリーマンなどの人間味は、あくまでエンターテインメントの範囲内で描写されており、過度に文芸的でないところがいいとは言えるけれど、映画に芸術を求めて見る人にはやや物足りないかも。 逆に言えばあくまで映画チックな作品なのである。  

74.「マラソン」 6/28、Tジョイ新潟万代。 評価★★★☆ 韓国映画。 試写会に当たって一般公開前に見ることができました。 NSTに感謝します。 さて、知的障害者が長距離走に精進し、ついにフルマラソンで3時間を切るタイムを出すまでを描いている。 私は実を言うとこういう、障害者ものって余り好きではなく、試写会に当たったから見たようなものなのであるが、意外に悪くないのである。 まず、主人公の知的障害者を演じるチョ・スンウが絶妙にうまい。 あの笑顔がぴったりなのである。 母親のキム・ミスクが劣らずいい。 単に献身的な母親ではなく、エゴイズムに駆り立てられ、夫や次男との関係がいびつになりながらも、強引に生き抜いていく普通の人間としての役を見事に演じきっている。 コーチ役も、型どおりの熱血漢ではないところが見事で、この辺の作りが巧みだと思う。 絵に描いたような障害者の感動ドラマに終わらず、深みのある人間ドラマになっているところが、買いなのである。

73.「村の写真集」 6/25、シネ・ウインド。 評価★★★ 三原光尋監督作品。 ダムの建設で水中に消える村の姿を残しておこうと、村で写真館を長年営業していた男 (藤竜也) が役場の依頼を受け、村の家族を一軒ずつ訪ねて写真を撮っていく。 彼に反発して上京し写真家として売り出そうとしていた息子 (海東健) がたまたま帰郷していて父の手伝いをいやいやするうちに、やがて父子は和解への道を・・・・・というようなお話。 特に目新しさはないけれど、四国のひなびた村の様子がなつかしく、父子の葛藤はもとより、海東健の妹役の宮地真緒、一人山奥に住む老婆役の桜むつ子など、個々の人物もなかなか魅力的だ。 なお、この映画、先頃、上海国際映画祭で最優秀作品賞と主演男優賞 (藤竜也) を受賞したそうな。 

72.「サイドウェイ」 6/19、シネ・ウインド。 評価★★☆ アメリカ映画。 2年前の離婚による傷心が癒えない中年男。 たまたま結婚することになった親友と一緒にワインを試飲する旅に出るが、親友は結婚直前だというのに女漁りに精を出し、彼はその尻拭いに右往左往するばかり。 しかしワインが縁で離婚歴のある美しい女性と知り合いになり・・・・・というような、ユーモラスな純文学風の作品だ。 笑えるところも少なくないし、主人公の心の傷がなかなか丁寧に描写されているが、2時間を超える映画であり、やや長すぎて退屈するところもある。 15分か20分削ればそれなりの傑作になると思うのだが。 

71.「電車男」 6/17、UCI新潟。 評価★★★ 話題のベストセラーを映画化したもの。 実は韓国映画 「同い年の家庭教師」 を見るつもりでシネコンに行ったら、チケットが売り切れだと言われて、こちらにしたのである。 「同い年の・・・・」 は1週間限定公開でこの日が楽日であるのに加え、当日はレディスデーで、韓流ファンのオバサンたちが多数押しかけたためであろう。 というわけで 「同い年の・・・」 は見損なってしまいました。 もっとも、「電車男」 も来週あたり見ようかな、とは思っていたのだが。 閑話休題、肝腎の 「電車男」 のほうである。 彼女いない歴22年 (生まれてこの方ずっと) という秋葉原オタクの青年が、偶然電車内で酔漢にからまれていた美しい女性を助け、彼女と交際したいと願うがどうしていいのか分からない。 そこで2ちゃんねるの住人たちに助力を求めて・・・・・というような話。 女性と付き合いつけていないオタクを演じる山田孝之がなかなか悪くないし、相手女性役の中谷美紀も、ちょっと年齢差がありすぎる感じはするが、女神的なパーソナリティをうまく出している。 実話ということになっているが、リアリズム映画というよりは童話か寓話と思って見た方がよい。 じーんと来るところもあり、まあ一見に値する映画であろう。

70.「ファースト・キス」 6/13、UCI新潟。 評価★★★ 韓国映画。 64に続き、チェ・ジウ主演だからということで見に行ってみました。 俳優のインタビューなどを仕事とする雑誌女性記者 (チェ・ジウ)。 堅物でまだキスの経験がないことに内心コンプレックスを持っている彼女が、雑誌社に入ってきた一見プレイボーイ風の、しかし実は純情な男性カメラマンに好意を抱くものの、気持ちを素直に表現することができず・・・・・・というコメディ。 チェ・ジウのトンデモナイ記者ぶりが笑える。 まあ、あの調子でやったのでは、現実にはすぐクビになるんじゃないかと思いますが、そこは映画ですから・・・・・・。 

69.「四日間の奇蹟」 6/10、Tジョイ新潟万代。 評価★★★ 佐々部清監督作品。 将来を嘱望されるピアニストだった吉岡秀隆は、発砲事件に巻き込まれた際に、脳に障害のある少女 (尾高杏奈) をかばって手を銃弾でうち砕かれ、キャリアを断たれる。 しかし両親を殺されたその少女と暮らすうちに彼女のピアニストとしての才能に気づき、彼女を育てることに生きがいを見出す。 やがて2人は、かつて高校時代吉岡にひそかな思いを寄せ、今は養護施設に職員として勤務する女性 (石田ゆり子) に招待されて施設に演奏をしに出かける。 演奏会終了後、石田が尾高と野外で遊んでいると、落雷にあって、不思議な現象が・・・・。 というような筋書き。 最近流行?の純愛感動もの、のようであり、「いま、会いにゆきます」 とちょっと似ているようなところがある。 全体としてまあまあかな、という気がするが、やや後半展開が間延びしていて、もう少し削った方がいいと思うし、ヒロインの石田ゆり子がイマイチ魅力に乏しく、少女役の尾高杏奈ばかりか、脇役の中越典子や松坂慶子にも完全に食われているのが、いけませんね。 特に中越典子の美貌が際だつ映画であり、彼女に主役をやらせたかったなあ。 

68.「バタフライ・エフェクト」 6/6、UCI新潟。 評価★★★ アメリカ映画。 時々記憶喪失に襲われる少年。 長じて大学で心理学を専攻するが、ある時自分が過去に体験した事柄を書き記したノートを読むと、その時代に遡行して過去を変えられることに気づいて、かつて迎えに行くと約束した幼なじみの少女の境遇を改善しようとするが・・・・・・。 或る時点で違う選択をしていたら自分や周辺の人間の生涯も変わってしまうという話で、アイデア自体はそう新しくもないが、構成の妙でそれなりに見せる作品になっている。 ラストシーンがなんとも切ない。 幼なじみを幸せにするには、彼女から遠ざかるのが最善の道だという結末が、どことなく身につまされる感じがしないでもないので・・・・・・。

67.「カナリア」 6/2、シネ・ウインド。 評価★★★ 塩田明彦監督作品。 ある新興宗教団体から脱出した12歳の少年 (石田法嗣) が、祖父に引き取られた妹を取り戻すべく、たまたま知り合った同い年の少女 (谷村美月) と旅をするお話。 少年と少女が道中出会う人々、少年の宗教団体内での体験、そこから脱出した人たちの生き方、などなどが綴られていく。 出来は悪くはないが、ほめるほどでもない。 私としては、むしろ宗教団体内での体験に絞ったほうが作品としてのまとまりとインパクトが出せたのではないか、と感じた。 なおヒロインの谷村美月は、私好みの美少女で、将来が楽しみだ。  

66.「クローサー」 6/1、UCI新潟。 評価★★☆ ジュード・ロウ、クライブ・オーウェン、ナタリー・ポートマン、ジュリア・ロバーツという、男女4人の豪華俳優がそろった注目の映画。 英国を舞台に、アメリカから旅してきたストリッパー (ナタリー) とジャーナリスト (ジュード) が知り合うところから物語は始まる。 そこに、彼の著書の写真を撮る写真家 (ジュリア) と医師 (クライブ) が絡んで、四角関係が成立する・・・・・・。 モーツァルトの 「コジ・ファン・トゥッテ」 が流れていることからも、男女交換の物語であることは分かるが、どうもイマイチ面白さが感じられない。 遊びとしての恋の面白さでもなく、本気の恋のドロドロでもない。 中途半端でインパクトが薄くなってしまっている。 どこか、計算違いがあったのだろうけれど。 ナタリーのストリッパー姿は悪くないと思うが。

65.「最後の恋のはじめ方」 5/31、Tジョイ新潟万代。 評価★★★ 試写会に当選したので一般公開前に無料で見ることができました。 NSTに感謝します。 さて、ウィル・スミス主演で、恋に不器用な男たちを助ける仕事をしていた主人公が、自分自身恋に落ち、しかし相手の女性ジャーナリストから詐欺師と誤解されてしまい、さて、その行き着く先は・・・・・・というようなお話。 いかにもハリウッド的で、途中の展開もまあ面白いし、締めくくりも洒落てはいるが、やや中だるみの印象がある。 もう少し削ってテンポ感を出せばかなりの傑作になったと思うのだが。

64.「ピアノを弾く大統領」 5/30、UCI新潟。 評価★★★★☆ 韓流ブームに乗って、ユナイテッド・シネマでは韓国映画をまとめて上映している。 週替わりで2、3本ずつ、ほぼ一カ月にわたってやるので、とても全部は見られないが、「映画は女優で見るものだ」 という信念 (?) にしたがって、チェ・ジウ主演のこの映画を見に行ってみた。 若い高校教師のウンス (チェ・ジウ) は新しい高校に赴任したばかりだが、クラスの不良女生徒と衝突して親を呼び出す。 ところが、この生徒の母はすでに亡く、父は韓国大統領であった・・・・・。 というところから始まるラヴ・コメディだが、チェ・ジウがたいへん愉快で活気ある役を演じており、大統領役のアン・スンギも味があって、極め付きの面白さである! 新潟では6月3日 (金) までしかやらないのが残念だが、韓国映画ファンはもとより、そうでない人にも薦められる快作であるから、是非時間を捻出して見に行っていただきたい!  

63.「英語完全征服」 5/26、シネ・ウインド。 評価★★★ 韓国映画。 勤務先の役場に外人が来たときに誰もうまく対応できなかったという理由から、英会話学校に派遣されたヒロイン (イ・ナヨン) は、そこで出会った気障な青年 (チャン・ヒョク) に恋をしてしまう。 さて、英会話力向上と恋の行方はどうなるのか・・・・・というコメディ。 英語コンプレックスから来る喜劇という、立場上似たものの同士の日本人としては分かりやすい設定であることもあり、それなりに楽しめる映画だ。 韓国映画らしく、途中 「えっ?」 という筋の飛躍もあるし、今の日本人には使えないベタな展開 (青年の妹を恋人と取り違えるなど) もあるけれど、マンガチックな作品だという前提で見るならば、ほどほどよくできた作品と言えるだろう。

62.「ザ・インタープリター」 5/24、UCI新潟。 評価★★★ 幼少時代を政情不安定なアフリカの某国で過ごしたヒロイン (ニコール・キッドマン) は、長じて国連の通訳として活躍している。 ところがある日、ふとしたことから、その某国大統領が国連で予定している演説の際に暗殺を行う計画があることを知ってしまう。 彼女の身辺を守るためにシークレットサービス (ショーン・ペン) がつくが、彼は彼女の経歴に疑問を抱く。 ・・・・・というような筋書きで、なかなかよくできた脚本だと思うし、主演の2人も悪くないのだが、北欧系のキッドマンがアフリカを故郷だと言うあたりが、どうも違和感を誘う。 容姿はおいてもいいが、そもそも幼少期にアフリカで過ごしたなら黒人の友人知人がいてもよさそうなのに、そうではないのである。 良識だとかタテマエが先行した作品のような気がしてしまうのは、そのせいではなかろうか。

61.「コーラス」 5/23、UCI新潟。 評価★★★☆ フランス映画。 戦後間もない頃、不良少年ばかりの寄宿制学校に奉職した中年男が、少年たちに合唱を教えることで生きがいを見出させていく物語。 熱血教師が生徒を救う、という定番のストーリーではあるが、フランス映画らしくシニカルなところもあって、不良のまま立ち直らない少年もいるし、また冒頭のシーンが最後近くのオチに使われるなど洒落たところもあって、並みの教師ものとはひと味違った映画になりおおせている。

60.「キングダム・オブ・ヘヴン」 5/20、Tジョイ新潟万代。 評価★★★ 『ロード・オブ・ザ・リング』 で一躍人気者になったオルランド・ブルーム主演。 12世紀のエルサレムを舞台に、キリスト教徒とイスラム教徒の対立と戦争、そして和解を描いている。 歴史物として衣裳や風俗の味わいや、戦闘シーンの迫力は十二分にあり、それなりに映画としての満足感が得られる作品だが、主人公の思考形式や行動様式があまりにポスト・コロニアルで、つまり現代民主主義風で、これが12世紀のキリスト教徒なのかなあ、と疑問が湧いてくるのを押さえきれない。 イスラム教徒はかなり好意的に描かれているが、逆に言うとあくまで 「善意の他人」 に過ぎない、という気もする。 いささかイデオロギーがかった言い方をするなら、ヨーロッパ中心主義はその意味でちゃんと貫徹されているのである。

59.「大統領の理髪師」 5/16、UCI新潟。 評価★★☆ 韓国映画。 朴大統領時代の韓国を舞台に、大統領ご指名の理髪師として勤務した男と、その息子との物語である。 当時の韓国庶民の生き方、そして激動の時代の流れが、ユーモアとペーソスを交えて描かれている。 まあまあの作品だと思うが、欲を言えば、大統領の意外な一面が理髪師との交流から明らかになるというようなところがあれば深みが出たのではないか。 また、反共政策と下痢の関係がよく分からなかった。 

58.「戦争のはじめかた」 5/13、シネ・ウインド。 評価★★★ 2001年の英国・ドイツ合作映画。 本来はもう少し早く公開されるはずが、出来た直後に9.11があったために延び延びになったといういわく付きの作品である。 ベルリンの壁崩壊直前のドイツを舞台に、そこに駐留しているアメリカ軍兵士たちの堕落した日常をコミカルなタッチで描いている。 ホアキン・フェニックスがひそかに麻薬の精製に従事する享楽的な兵士を演じているのをはじめ、エド・ハリスが昇進し損ねるドジな大佐を好演。 その他、ヴェトナムで人を殺す快感を覚えてしまったアブない曹長など、一癖ある軍人が多数登場。 ヨーロッパ側からの米国軍隊への風刺がきいている作品だ。 悪くない出来だが、もう少しコミカルな側面を強調しても良かったのでは、という気もする。

57.「交渉人 真下正義」 5/13、Tジョイ新潟万代。 評価★★★ 「踊る大捜査線」 の外伝的な映画。 首都の地下鉄路線に試作車が何者かの手で入り込み、乗客が多数乗った車両にぶつかりそうになる事件が続発。 試作車を操る物は誰か、そして彼の真の狙いは・・・・・・というような筋書きで、犯人の正体と意図を主人公が電話での交渉によって明らかにしようとするところがミソ。 話の展開や様々な人物の活躍ぶりはかなり面白く飽きずに見ることができるのだが、しかし肝腎のラストが物足りない。 ネタバレになるので詳述は控えるけれど、犯人の正体や、その他途中で謎として提示された事柄が、明快な説明を与えられないままに終わってしまうのは、脚本が悪いと言うしかなかろう。 また、タイトルの 「交渉人」 としてヒーローがどれほど活躍しているか、ちょっと心許ない。 その辺がちゃんとできていれば、★一つ増なんですけれどね。 

56.「ワンダフルデイズ」 5/12、シネ・ウインド。 評価★★☆ 韓国のアニメ映画である。 22世紀、人類の大半が滅亡し、一部が 「エコバン」 という都市の内部と、エコバンに拒まれてその周辺部で生きているという設定で、エコバン側と周辺部の抗争を、かつては幼なじみとして育ちながら今は双方に引き裂かれて生きている男女の愛をからめて描いている。 作画などには問題がないが、全体としての満足度はわずかに足りない気がする。 私の見るところ、幼なじみ同士の愛情をもっと前面に押し出すべきなので、エコバンをめぐる未来図のスケールや細かい内部事情などはそうでなくとも不足気味なのだから、結果として虻蜂とらずになってしまっている。 ヒーローとヒロインの印象が強くなれば、その辺の弱点はカバーできたはずなのだが。

55.「炎のメモリアル」 5/10、UCI新潟。 評価★★★ 試写会に当たったので一般公開前に無料で見ることができました。 ユナイテッドシネマに感謝します。 さて、これは消防士の生涯を描いた映画である。 火事場で危機に陥り、まさに生涯を終えようとする消防士の回想の形で話は進行する。 自らの命を省みずに人命を救ってきた数々の体験、職場の仲間たちとの友情、妻との出会いと愛情などなどが、適度のユーモアを交えて描かれる。 正統的なハリウッド映画という感じで、退屈はしないが、しかしとりたてて新機軸を打ち出すでもなく、まあ普通の出来かな、と思う。

54.「ニュースの天才」 5/6、早稲田松竹(高田馬場)。 評価★★★☆ 日本では昨年の晩秋に封切られたアメリカ映画。 伝統ある雑誌編集部に勤務する若い記者がでっち上げの記事を書き、それが次第に暴かれていく様を描いている。 この映画のポイントは、詐欺やそれが暴かれる過程よりも、デタラメの記事をものした青年の性格描写にある。 社内の仲間への気配りを忘れず、しかし、或いはだからこそ嘘をつかざるを得ず、そうしたなか、人間関係を基盤にしてのし上がっていこうとする虚飾に満ちた主人公のようなタイプは、よく考えるなら我々の身近なところにもいるはずであり、主演のヘイデン・クリステンセンが実によくその味を出している。 彼が母校のハイスクールで成功者として後輩たちを前に記者の心得を語る枠部分も、最後に来てどんでんがえしがあり、構成の妙が光る作品ともなっている。

53.「約三十の嘘」 5/6、早稲田松竹(高田馬場)。 評価★☆ 高田馬場駅から早大に向かう途中にあった早稲田松竹は、一時期閉館していたが、改装して復活したよう。 私は復活してから入ったのは初めてである。 椅子が綺麗になって快適。 さて、これは昨年公開の日本映画。 関西から北海道行きの特急 「トワイライトエクスプレス」 に乗った詐欺師たち (椎名桔平、中谷美紀、妻夫木聡、ほか) が、持ち込んだ現金をめぐってトラブルを起こし・・・・・というような筋書き。 うーん、日本映画はだからダメなんだ、と言いたくなっちゃう出来ですね。 詐欺やトリックの妙で見せる映画かと思いきやそうでもなく、中途半端に 「愛」 が入り込み、しかしその線でつっぱしるわけでもなく、万事にぬるま湯的で、「こんなネタ、映画にするなよ」 と罵声を浴びせかけたくなるのでありました。 作った人、何か勘違いしてません?

52.「恍惚」 5/5、ギンレイホール(東京・飯田橋)。 評価★★ 51の併映作。 やはり2003年のフランス映画。 夫 (ジェラール・ドパルデュー) の浮気を知った中年女性 (ファニー・アルダン) が、夫の性的嗜好を知ろうと、たまたま知り合ったホステス (エマニュエル・ベアール) に夫を誘惑するように頼む。 やがて・・・・というような筋書きだが、話が単調だしオチが見えやすいので、あまり満足度は高くない。 エマニュエル・ベアールも、『愛と宿命の泉』 でデビューした頃はたいへん初々しかったし、『美しき諍い女』 で抜群のプロポーションを披露したあたりまでは華があったけれど、最近は頬が痩せてきて美貌が大幅に衰えており、そろそろフランス映画界も別の女優を探して欲しいという気がする――別段フランス映画をよく知っているわけではないが、なんとなくいつも同じような顔ぶれなので。 

51.「ボン・ヴォヤージュ」 5/5、ギンレイホール(東京・飯田橋)。 評価★★★★ 2003年のフランス映画。 日本では昨年暮れに公開され、私は半年遅れで二番館で見ることができた。 ナチに占領された頃のフランスを舞台に、たいへんな美貌を誇り幾人もの男から求愛されているもののちょっとおかしな女優 (イザベル・アジャーニ)、彼女を愛する余り彼女の殺人罪をかぶってしまう幼なじみの青年 (グレゴリ・デランジェール)、彼女の庇護者である大臣 (ジェラール・ドパルデュー)、老教授の研究をナチの手から守ろうとする女性助手 (ヴィルジニー・ルドワイヤン) など、さまざまな人物が織りなすドラマ。 多数の俳優が自分なりの魅力を披露しているし、時代背景もよく描かれており、映画を見たという満足感を十分与えてくれる。 ただしこの映画の主眼は、個々の人物の関係にはない。 言うならば 「時代と群衆の映画」 なのである。

50.「ベルリン、僕らの革命」 5/5、ル・シネマ(渋谷)。 評価★★☆ ドイツ映画。 『グッバイ、レーニン!』で世界的に知られるようになったダニエル・ブリュール主演。 第三世界の恵まれない人々に心情的に共感し、先進国の金持ちを批判する若者たち。 彼らは金持ちの邸宅に留守中に侵入し、家具類の配置を変えるなどのいたずらをしてしていた。 ところがある日、邸宅のあるじと顔を合わせてしまい、彼を誘拐する羽目に・・・・・。 誘拐された中年男がかつて学生反乱の盛んだった68年世代という設定が皮肉で、全体の構図としては悪くない映画だと思うのだが、展開がイマイチという気がする。 今どきの若者たちとかつて反体制を気取っていた世代の中年男の対比をコミカルに際だたせると、より説得性を増したのではなかろうか。

49.「ベルンの奇蹟」 5/4、シャンテ・シネ(日比谷)。 評価★★★ ドイツ映画。 敗戦のショックが尾を曳く1950年代半ば、サッカーのワールドカップ・スイス大会で、ドイツ代表が優勝し、自信を失っていたドイツ人たちに勇気を与えた実話を背景に、長いソ連抑留生活から帰ってきた中年男と家族の軋轢と和解を描いている。 話の展開に派手さはなく、ハリウッドあたりならもう少しうまく作るだろうという気もしないでもないが、あまり作為的にならずに、当時の世相や世代間対立を淡々として描いているところはまあ悪くないと思う。 

48.「さよなら、さよならハリウッド」 5/3、恵比寿ガーデンシネマ。 評価★★ ウッディ・アレンの最新作。 私はアレンは好きではない。 なのになぜ見たかというと、ティア・レオーニが出ているから。 私に言わせれば現在の欧米系女優の中で最も美しいのが彼女であるが、アレンはその彼女を生かし切れていない。 もともと駄目インテリの見本みたいなアレンのことだから、さほど期待もしていなかったけれど、ここまでひどいと、ちょっとどうかなと思う。 誰か、『天使がくれた時間』 に続いてティアの魅力を完全に開花させる映画を作ってくれないだろうか?

47.「愛の神エロス」 5/2、ル・シネマ(渋谷)。 評価★★ イタリアの名匠アントニオーニ監督の提唱により、自身とウォン・カーウァイとソダーバーグの3人の監督が 「エロス」 をテーマに競作したオムニバス映画。 それぞれエロスに別の方面から光を当てるということのようだが、最初のカーウァイのものは分かりやすいしそれなりに面白いが、あとの2作はどうかな。 ソダーバーグのものは、多分時間が足りなかったのだろうと思う。 もう少し展開しないと分かりにくいし、「エロス」 が妄想や空想の中で芽を出すという側面が観客に説得力をもって迫ってこない。 最後のアントニオーニのは、観光名所案内みたいで、女優2人が全裸を披露するというのもあんまり芸を感じさせない。

46.「エレニの旅」 5/2、シャンテ・シネ(日比谷)。 評価★★★☆ ギリシアの巨匠アンゲロプロス監督の最新作。 ロシア革命後に故国を追われてギリシアに移ってきたユダヤ人たちの運命を、象徴的な手法で映像化している。 詩的かつ静的な作品であり、3時間近い長尺の映画であるがそれなりに観客を惹きつけて離さない魅力が備わっている。 リアリズムとは別の場所が映画のためには用意されているのだ、ということがよく分かってくるところが買いであろう。

45.「大脱走」 4/30、シネ・ウインド。 評価★★★☆ 60年代に作られた有名な映画が、ニュープリントで上映された。 もっとも私は見るのは初めて。 「プライヴェート・ライアン」 以降の戦争映画を知っている身からすると、かなり牧歌的だし、ドイツ軍のナチ的な危うさは (描かれてはいるけれど) 前面には出ておらず、なんかゲームを楽しんでいるような脱走劇である。 無論、最後はかなり悲惨だけれども。 時代の差を感じさせられた映画でした。

44.「ウィンブルドン」 4/25、UCI新潟。 評価★★★☆ 英国映画。 30を過ぎて引退を目前にしながらウィンブルドンに出場する英国人の男子選手 (ポール・ベタニー) と、米国から出場する若い女子選手 (キルスティン・ダンスト) の恋愛コメディ。 彼女が父からテニスを仕込まれ父の監視がきつい中でヒーローと恋愛をし、2人が試合で勝ち進んで行くところが、結構面白い。 特に変わった趣向だとか目新しい工夫だとかはなく、きわめてオーソドックスな作りだけれど、それがかえって成功していて、見終えた後ケレン味のない満足感が残る。

43.「名探偵コナン――水平線上の陰謀」 4/24、UCI新潟。 評価★★☆ 名探偵コナン・シリーズの劇場アニメ版もかなり回数を重ねた。 例年のごとく子供連れで行ってみた。 前回は推理物としては不満の残る出来だったが、今回もその点では大同小異である。 倒叙推理風に展開して、実は・・・・という運びになっているが、トリックや意外性が不足していて、最終的には 「タイタニック」 風の大団円で締めくくらざるを得ないのは、物足りないと言うしかありません。  

42.「恋に落ちる確率」 4/23、シネ・ウインド。 評価★★★☆ デンマーク映画。 クリストファー・ボー監督作品。 ちょっと 「去年マリエンバードで」 を思わせる作品で、主人公の青年が人妻と出会い恋に落ちる物語が主筋だが、人物関係が異次元の世界ででもあるかのごとくに倒錯していて、何が真実なのか、そもそもこれが映画内の真実の物語なのか劇中劇のような仮定の物語なのかすら、分からないような進行となっている。 こういう映画、嫌いじゃないんですね、私は。

41.「変身」 4/19、シネ・ウインド。 評価★★★ カフカ原作の有名な小説の映画化。 ただしドイツ語圏ではなくロシアの製作で、ワレーリィ・フォーキン監督によるものである。 主演のエヴゲーニイ・ミローノフもロシア人。 ザムザが変身せずに変身した虫を演じるところがミソ。 全体としてイメージが重視された作りで、芸術的な映画としてそれなりによくできていると思う。 ただ後半がやや単調な感じ。 原作が、冒頭部分を別にすればさほど起伏に富む筋でもないからやむを得ないが、一工夫あっても良かったような。 

40.「春夏秋冬そして春」 4/16、シネ・ウインド。 評価★★★☆ 韓国映画。 キム・ギドク監督作品。 今年初めの 「にいがた国際映画祭」 でも上映されたが、私は時間が合わなくて未見だった。 この監督の作品としては以前に 「魚と寝る女」 があったが、イメージ的に近いところがある。 湖上の小さな寺に住む僧侶と子供。 そこを出発点として、四季が人間の成長期に即応して物語が展開されていく。 単純と言えば単純だが、象徴的な筋書きと画像とがうまくマッチしていて、全体として静謐さを秘めた悪くない映画に仕上がっている。 「夏」 に登場する少女役のハ・ヨジンが魅力的だ。

39.「透光の樹」 4/14、シネ・ウインド。 評価★★★ 高樹のぶ子の小説 (私は未読) を映画化したものだそうである。 秋吉久美子と永島敏行主演。 金沢に住む離婚歴のある美しい中年女性 (秋吉) は、ぼけた老父と娘を抱えて経済的に困窮していた。 そこに、昔仕事の関係で一度だけ会ったことのあるCM製作会社経営の中年男 (永島) が現れて、カネの提供を申し出る。 そして二人は・・・・というような、きわめて分かりやすい通俗的なお話。 秋吉が中年ヌードを大胆に披露しているのと、金沢の観光案内みたいなところがウリの、要するに娯楽作品であります。 そのつもりで見れば値段分の価値はありそう。 くれぐれも 「芸術」 を期待しないように。

38.「インファイナル・アフェア III 終極無間」 4/12、Tジョイ新潟万代。 評価★★☆ 試写会に当たって一般公開前に無料で見ることができました。 NSTに感謝します。 さて、実は私は第一作は見ているものの、第二作は未見である。 また第一作も必ずしもよく覚えているわけではない。 というわけであんまり責任ある評価はできないが、ケリー・チャンの出番が比較的多かったので、その点はよろしかった。 生硬さがとれてすっかり大人の女になりましたね。 ただ、アンディ・ラウが警察組織の中でやろうとしていることが最終的には彼自身の幻覚に還元されていくところが、あんまり説得的ではないような気がしました。 これから映画館に行く人は、前2作をビデオで見てから行った方がいいと思います。

37.「世界で一番パパが好き」 4/8、Tジョイ新潟万代。 評価★★ 妻に産褥で死なれ、残された幼い娘を抱えて奮闘するパパ (ベン・アフレック) の物語。 残念ながら出来はイマイチである。 この映画のテーマは、都会の中心部で働いていた主人公が、妻に死なれ、幼い娘を抱え、またそれまで勤めていた事務所をクビになって、郊外でやもめ暮らしをしていた老父のところに引っ越し、そこで生きがいを見つけるという筋書き――つまり、郊外の暮らしと家族讃美が一体になっているはずのテーマなのだが、肝腎の家族や地域社会が魅力を持っておらず、逆に貶められるべき都市中心部の「虚飾性」もまたそのように描かれていない。 主人公に接近する女子大学院生 (リヴ・タイラー) の性格付けや行動も変。 要するに脚本と設定がナッテイナイと言うしかない映画なのである。

36.「エターナル・サンシャイン」 4/7、WMC新潟。 評価★★ 喧嘩別れしてしまった恋人 (ケイト・ウィンスレット) の思い出を記憶から消してもらおうとした青年 (ジム・キャリー) をめぐるお話だが、見ていて楽しくないばかりか、非常にいらいらした。 物語の展開がきれぎれになっており、また記憶を消す作業をする側のドタバタも喜劇風に織り込まれているのだけれど、それで面白くなっているかというと、逆で、作品全体の統一性が損なわれており、また喜劇的な要素もさほど笑えるわけでもなく、結果として駄作になっている、という印象でした。

35.「運命を分けたザイル」 4/2、テアトルタイムズスクエア (新宿)。 評価★★★★★ 英国のセミドキュメンタリー映画。 南米の高峰に前人未踏の西壁からアタックした登山家二人が、頂上をきわめたあとの帰路で遭難し、それぞれが別のルートでふもとにたどり着くまでを描いている。 特に片足を骨折してクレバスの中に転落し、仲間からも死んだと見なされた男の帰還がすさまじい迫力! ドキュメンタリーらしく、無駄な枝筋はいっさいなく、雪山で数日間にわたり展開される人間と自然の格闘はスクリーンから目を離す余裕を与えない。 未見の方は是非! 新潟でも上映して欲しい。

34.「ビヨンドtheシー 夢見るように歌えば」 4/2、シネスイッチ銀座。 評価★★★ 日本ではもっぱら俳優として知られるケビン・スペイシーの監督・脚本・主演による映画。 60年代にアメリカで活躍したミュージシャンであるボビー・ダーリンの生涯を描いている。 この種の映画は成功譚が前面に出てあまりスマートな出来になりにくいが、才人スペイシーは語りや構成に工夫を凝らして、適度な芸術性を持たせた映画作りに成功している。 作中の歌も吹き替えではなく本人が歌っているとか。 というわけで、まあ悪くない出来だけれど、私としては程々の感興しか得られなかったのは、多分こういう伝記映画があまり好きではないからでしょう。 

33.「サマリア」 4/1、恵比寿ガーデンシネマ。 評価★★ 韓国映画。 前半と後半でかなり分裂模様の作品で、「はあ?」 という感じなのである。 前半は少女売春の話で、まあそれ自体はどうってことないのだが、二人の少女の、自分たちだけで世界を作って生きています、みたいなところが、昔の日本語で言うとSっぽくて、それなりに面白くなくもない。 ところが、後半になると一方の少女が死に、残された少女と父親の話になるのだけれど、これが変な展開なのだ。 変な面白さがあるというのではない。 変で、面白くないのである。 韓流ブームの昨今だけれど、ブームに乗じて質の悪い映画まで輸入してはいませんかね?

32.「ビューティフル・デイズ」 4/1、恵比寿ガーデンシネマ。 評価★★★☆ 日頃あまり見る機会のないインドネシア映画。 きわめて正攻法の作りで、ハイティーン (なんだろうな、同級生がクルマを運転しているんだけれど) の可愛い女の子が、ふとしたきっかけから孤独な少年と惹かれ合うようになるが、喧嘩をしてなかなか自分の気持ちに正直になれない中、やがて少年はアメリカの大学に進学するためにインドネシアを離れようとして・・・・・というようなお話である。 こういう、真正面から若者の恋と微妙な心理を描いた映画、最近の日本にはなかなかなくて、私としては好感をもって見ることができました。

31.「ナショナル・トレジャー」 3/29、Tジョイ新潟万代。 評価★★★ 宝探しのエンターテインメント映画。 ニコラス・ケイジ主演、ダイアン・クルーガー ( 「トロイ」 で絶世の美女ヘレネを演じた女優) 共演。 娯楽映画としてまあまあの出来だと思う。 ただ、「インディー・ジョーンズ」のような圧倒的な面白さやスケール感はない。 父親役も面白くなりそうなのに、生かし切れていない。 それと、アメリカ合衆国の成立と宝が関連しているというのはいいが、どことなく現在の国際状況を反映した生臭さを感じるところも、ないではない(深読みかもしれませんが)。 ヒロインのダイアン・クルーガー、「トロイ」 に続いて相変わらずの美しさ。 それだけに、もっと大胆な演技やシーンを期待したくなるのは、人情というものであろう。

30.「またの日の知華」 3/26、シネ・ウインド。 評価★★ 体操でオリンピック候補になりながらはやばやと引退し、学校の体育教師となり幼なじみと結婚し一児をもうけたが、夫が肺を病んで長期入院した間に別の教師と不倫関係になり、やがて教師を辞して・・・・というような女の半生を、4人の女優 (吉本多香美、渡辺真起子、金久美子、桃井かおり) が交代で演じている。 女優が交代するので、筋書きとしては一貫しているが、オムニバス映画みたいで、全体から受けるまとまった感銘みたいなものが希薄だし、例えば金久美子と桃井かおりじゃあ、印象が違いすぎて、ちょっとという気がしました。 それだけでなく、そもそもの作品としてのインパクトがあまりないのが、一番の問題だと思う。

29.「ビハインド・ザ・サン」 3/25、シネ・ウインド。 評価★★★☆ ブラジル映画。 ロドリゴ・サントロ主演。 荒涼とした土地に住み着く二つの家族の不和と抗争の物語である。 南米の風景、農牧生活、凄惨な殺し合い、本と出会う少年、旅芸人との邂逅、など、どこか神話的と言いたくなる映像と展開が魅力的な映画。 家族間の不和というと、『ハックルベリフィンの冒険』 を思い出すが、残酷さが人間の一要素だということを分からせてくれる意味で、この映画の味も捨てがたい。 

28.「鉄人28号」 3/21、UCI新潟。 評価★☆ 横山光輝原作で、かつて (昭和30年代後半) 雑誌やテレビアニメとして大人気だったマンガの実写映画化。 ただしロボットはCGが使われている。 期待して見たのだが、どうしようもない愚作であった。 シナリオも悪いし、鉄人の迫力もないし、何より金田正太郎を変に心理主義的に扱っているのが致命的。 冨樫森監督は、「非・バランス」 ではよかったけれど、これで完全にミソをつけましたね。 少年の物語は少女のそれより難しいんですよ、要注意!

27.「あずみ2  Death or Love」 3/21、UCI新潟。 評価★★☆ 今年最初に 「インストール」 を見てあまりのくだらなさに愕然とし、ついでにヒロインの上戸彩も冴えないな、と思った。 しかしこの 「あずみ2」 では彼女の魅力が甦っている。 やっぱり彼女はこういう役じゃないとだめなんだ、と痛感。 面白さもまあまあではあるが、第一作に比べるとイマイチの感もある。 特に、副題にもかかわらず、彼女が本格的な恋に陥らないのは、いけませんね。

26.「ロング・エンゲージメント」 3/16、UCI新潟。 評価★★★★ ジャン= ピエール・ジュネ監督とオドレイ・トトゥ主演という、「アメリ」 と同じコンビによるフランス映画。 といっても、ヒロインの味は多少は 「アメリ」 を継承してはいるものの、背景と筋書きは全然違う。 第一次大戦の塹壕戦に恋人を送り出したヒロインが、戦死とも行方不明ともつかぬ恋人の行方を必死に追う物語である。 筋はかなり錯綜していて分かりにくいが、フランスの田舎を捉えるセピア色の画面と、塹壕戦を生々しく捉える画像の対比がなかなかに面白く、フランス映画ならではのエスプリも効いていて、ラストシーンも感動的であり、お薦めできる映画になっている。 

25.「プリティ・プリンセス 2 ロイヤル・ウェディング」 3/11、Tジョイ新潟万代。 評価★★☆ 2002年に公開されて好評だった映画の続編。 アメリカの平凡な高校生だったヒロインが、実は亡くなった父がヨーロッパの小国の皇太子だったということで女王である祖母の跡継ぎになるというお話で、今回は法の規程で、1カ月以内に結婚しないと王位継承権を失うというので然るべき男性を見つけて結婚しようとする彼女だったが・・・・・という筋書き。 続編にありがちなことだが、第一作に比べると面白さは落ちる。 話の展開や登場人物の性格付けもご都合主義丸出しだし。 女王役のジュリー・アンドリュースが相変わらず素晴らしいのが救いか。

24.「セルラー」 3/7、UCI新潟。 評価★★★ 一児の母であり高校の生物教師もであるヒロインは、ある日息子を学バスに乗せて自宅に戻ったところを何者かに拉致されてしまう。 見知らぬ家の一室に閉じこめられた彼女は、壊された電話を組み立て直して外部と連絡を取ろうとする。 たまたまつながったのは、軟派の若者のケータイであった。 最初は冗談だと思って取り合わなかった若者も、やがて事件を理解し、警察に通報しようとするが・・・・・。 というような、電話をネタにした映画である。 エンターテインメントに徹しているから、余計なことは考えずに、肩の凝らない娯楽作品として楽しんでおけばよろしい。

23.「モーターサイクル・ダイアリーズ」 3/5、シネ・ウインド。 評価★★★ 革命家として有名なチェ・ゲバラが1952年に友人とふたりで南米一周旅行を行ったさまを描いた作品である。 革命家になるべき刺激をこの旅行から受けた、という設定だが、あまりそういう側面にこだわらずに、一種の南米紀行として楽しんでおいたほうがよさそう。 とはいえ、ものすごく変わった風物とか人物との邂逅はなく、要するに地球上にはどこであれ人間の世界があるのだと納得するような映画なのではあるが。

22.「サスペクト・ゼロ」 3/1、 WMC新潟。 評価★★☆ 連続殺人事件を、捜査の手続きミスで左遷されてきたFBI捜査官が究明しようとする。 ところが彼の元にはなぜか犯人を暗示するファックスが絶えず送られてくる。 ファックスの発信者は何者なのか・・・。 ミステリーと心霊作品を一緒にしたような映画である。 アイデアとしては面白いと思うのだが、全体の作りがごちゃごちゃしていて分かりにくいし、最後の解決もすっきりしない。 心霊がからんでいる部分がミステリアスな反面、ミステリーとしての面白さはあまり感じられない。 頑張って作ったわりには成功していない、という印象。

21.「マシニスト」 3/1、 UCI新潟。 評価★★☆ 1年間眠れずやせ衰えている機械工が主人公。 勤務先、通い慣れている娼家、行きつけの珈琲スタンドなどがさりげなく描写されるうちに、彼を捉えている謎が少しずつ明らかになっていき、最後に意外なオチが・・・・。 全体の構成は非常に良く考えられており、後から振り返って、なるほどあそこはこういうことだったのか、と分かってくる作品である。 ただ、サスペンス風の展開に使われる道具や人物像がいかにも映画にありがちなありきたりさに堕してしまっているので、構成のプラスが帳消しになってしまっているのが残念。

20.「ベッドとソファ」 2/28、新潟大学(総合教育研究棟F271教室)。 評価★★★ ソ連の映画監督アブラム・ロームが1927年に製作したモノクロ・サイレント映画。 日本におけるソ連・ロシア映画研究の第一人者である井上徹氏の解説を加えて、新潟大学でDVDにより上映された。 スターリン治下におけるソ連社会を、若夫婦の家庭とそこに転がり込んだ友人の三角関係を通して描いている。 一方でブルジョワ文化を風刺しているようにも受け取れるが、他方で安易な社会批判映画とも言えない微妙さもあり、井上氏の解説で当時のソ連の知的なサークルの様子も多少は分かり、興味深い夕べとなった。

19.「ボクと空と麦畑」 2/26、日本アニメ・マンガ専門学校2号館(にいがた国際映画祭)。 評価★★★ 1999年製作の英国映画。 リン・ラムジー監督作品。 スコットランドの下層階級住宅地を舞台に、そこに住む男の子の心情を中心とした映画である。 タイトルは、ふとしたことから少年が乗ったバスの終点に広がる麦畑と、そのそばにある新築の住宅地を指すが、労働者階級用の粗末な住宅に住んでいる少年の家族は何とか広い家に引っ越したいと念じている。 しかしすさんだ日常生活のなかで、ストライキによってゴミの山ができたり、犯罪が起こったりして、淡々とした描写の中に救われない少年の姿が浮かび上がってくる。 娯楽としての映画より芸術的な映画を好む人には薦められる。

18.「CEO 最高経営責任者」 2/24、シネ・ウインド(にいがた国際映画祭)。 評価★★★ 2002年製作の中国映画。 中国の企業家が、冷蔵庫の生産で中国を代表する企業となり、やがて世界に進出していく様を描いている。 実際に存在する企業をモデルとしたドキュメンタリー映画だそうだが、一種の成功譚映画としてそれなりに面白い。 ただ、こういう物語には必ず影の部分がありそうなのに、そのあたりが出てこないところが、中国産業を国内で映画化した作品の限界だろうか。 にいがた国際映画祭の一本だが、相変わらず入りはよくない。 今年の映画祭、大丈夫なのかなあ。 心配になってきた。

17.「私の小さな楽園」 2/21、シネ・ウインド(にいがた国際映画祭)。 評価★★★ 2000年製作のブラジル映画。 父なし子を抱えて実家に帰った女を、近所の中年独身男が嫁に迎える。 彼はいいように彼女をこき使うが、彼女はやがて他の男と通じて父親の異なる子供を次々と生んでいく・・・・・・といったお話。 一種の喜劇として見ればいいんだろうけれど、ヒロインがたいして美人でもないのにこんなにモテるのはなぜなのだろうか? また最後に亭主が、見るからに精悍そうないい男を自宅に長期滞在させるのは、まるで妻に姦通しろと言っているようなものだと思うのだが、なぜそんなことをしたのだろうか? よく分からないところの残る映画だ。 にいがた国際映画祭の作品として上映されたが、入りはよくなかった。 

16.「みなさん、さようなら」 2/21、新潟市民プラザ(にいがた国際映画祭)。 評価★★★☆ フランス系カナダ映画。 2003年製作。 元教授が末期ガンで死んでいく話だけれど、辛気くさくなくて結構面白い。 というのも、この元教授、無類の女好きで元気な時分には愛人を欠かさず、ために妻から別居されたという経歴の主で、病室には元愛人をはじめとしてにぎやかな友人たちがひっきりなしに訪れ、また投機で儲けている息子が父のために色々手を尽くすので、元気良く死んでいける、というわけ。 元教授は知識人の例に漏れずサヨクだが、スターリンや毛沢東の大量虐殺を口にしながら戦後知識人に対する批判(?)をも敢行しており、或る意味、知識人の終焉を描いた映画、とも取れなくはない。

15.「愛してよ」 2/19、新潟市民プラザ(にいがた国際映画祭)。 評価★★★ 今年もにいがた国際映画祭が始まった。 第15回になる。 初日の今日は、開幕作品として、まだ一般公開されていないこの 「愛してよ」 が上映された。 夫と別れた女性 (西田尚美) とその子供 (塩顕治) の、愛に満たされない生活を描いており、新潟市でのオールロケで制作した映画だ。 現代人の心象風景の一面をえぐった作品として、まあまあ面白いと思う。 上映に先立って、映画祭実行委員長の田中一広氏、篠田新潟市長、映画の主演二人、福岡芳穂監督、および森重晃プロデューサーの挨拶があった。 私は開演20分前に行ったのだが、すでに中央部分は空いた席がなく、最終的には400の座席が全部埋まったようだ。 開幕作品で1回だけの上映ということもあろうが、今年の映画祭もこの調子で盛況になってほしいものだ。

14.「ヴィタール」 2/18、WMC新潟。 評価★★☆ 塚本晋也監督の最新作。 自動車事故で恋人に死なれた医学生 (浅野忠信) が、解剖実習で恋人の遺体と再会し、遺体の腑分けをしていくうちに幻想の中で死んだ恋人との幸福な時間を過ごすようになり・・・・・というような映画である。 遺体解剖のグロテスクさと、幻想の中で恋人と過ごす時間の至福、その対極、もしくはつながりを描きたかったのだろうが、そのもくろみは必ずしも成功していないように思う。 グロテスクさも至福もどちらも中途半端な感じがする。 最後は、生きるということは一瞬の記憶を残すためにこそある、と暗示するシーンで締めくくられる。 この終わり方をも含め、人により好き嫌いが分かれる映画ではあろう。 なお、私が行った回は他に誰も観客がいませんでした。 作品のせいもあるかもしれないが、WMCのサービスの悪さと宣伝不足が大きいんじゃないの、と言いたくなってしまう。

13.「アレキサンダー」 2/15、UCI新潟。 評価★★★ 全国共通鑑賞券が当たってタダで見ることができました。 NSTに感謝します。 さて、古代世界帝国を築き上げたアレキサンダー大王の生涯を、オリバー・ストーン監督が映画化した作品である。 ペルシアとの戦いのシーンはなかなか迫力があるし、バビロンの異国情緒、インドでの象戦団との戦いなど、見せ場は結構多い。 だから退屈はしないのだけれど、肝腎のアレキサンダーの人物像がイマイチ説得性に欠けているのだ。 ネタバレになるから詳しくは書かないが、世界帝国を築いた人物のカリスマ性が全然伝わってこず、いたずらに近代的な (?) 苦悩のようなものが入り込むのはいただけない。 そもそも、アレキサンダーを演じるコリン・ファレルがあまりぱっとしない俳優で、ミスキャストではないだろうか。

12.「舞台よりすてきな生活」 2/12、シネ・ウインド。 評価★★★☆ マイケル・カレスニコ脚本・監督作。 子供嫌いの劇作家と、子供が欲しい妻との生活を題材としたコメディ。 劇作家が自作の稽古に際して俳優や演出家と議論したり、近所に自分のニセモノが出現したことに悩まされたり、隣家に足の不自由な女の子が引っ越してきたのを機に子供嫌いを改めたりしていく姿が、深刻さを避けた軽いタッチで描かれている。 こういう調子の映画、私は好きですね。 洒脱な台詞に満ち満ちていながら人生の機微に触れるところもある佳作と言える。

11.「珈琲時光」 2/5、シネ・ウインド。 評価★★ 台湾の侯孝賢監督が小津安二郎へのオマージュとして作ったという映画。 台湾に生まれ日本人の養父母に育てられた若い女性 (一青窃) が東京で暮らすさまを描いている。 特に大きな事件が起こるわけでもなく (ただしヒロインは妊娠しており、結婚せずに子供を生もうと考えているという設定) 群馬県の養父母宅に帰省したり、東京で調べものをしたりする日常が淡々として、小津的な構図を意識的に用いて作られている。 率直に言って、やや退屈だった。 日常が意識的に日常化されていると、かえってリアリティを失ってしまうものだが、この映画はそのあたりに陥穽が敷かれているような気がする。 説明を省きすぎているのも一因かも。

10.「オペラ座の怪人」 2/4、Tジョイ新潟万代。 評価★★★★ 舞台でも著名な作品である。 パリはオペラ座の地下に居住する怪人 (顔の半分がただれている)、その彼に音楽の手ほどきを受けている見習い歌姫、彼女の幼なじみのハンサムな青年貴族が織りなす三角関係を描いているミュージカル映画。 なかなか迫力のある画面で、雰囲気もよく出ており、十分楽しめる映画だと思う。 怪人が近代的な芸術家の問題を体現しているようで、そのあたりが迫真性を生み出す原動力になっている。 ただしミュージカルであるため、普通の映画や演劇のようなドラマとしてのアヤはどうしても薄いので、その辺は承知の上で見ないといけませんから、 ミュージカルが嫌いな人には薦められません。

9の付け足し = 迷惑な座席指定制度。 前から書いているが、WMCはサービスが悪いので、新潟ではここでしかやっていない映画で、なおかつどうしても見たい、という時でないと行かないことにしている。 「スーパーサイズ・ミー」 はこの条件に当てはまる作品だったので、映画サービスデーを選んで行ってみた。 WMCに来たのも久しぶり (今年になって初めて) だったが、以前と違って座席指定制度になっていた。 窓口でチケットを買うとき、「前、中、後ろのどれがいいですか?」 と訊かれるのだが、どうもこういうやり方はよろしくない。 というのは、どの座席がいいかは、ホールに入ってスクリーンの大きさを自分の目で確かめ、座席を前後しながら確認するのが一番いいやり方だからだ。 スクリーンの大きさが確かめようがない段階で訊かれたって、正確なところが分かるわけがないのである。 また、「前・中・後」 という大ざっぱな分け方では観客の好みをきちんと反映できるはずもない。 同じ 「中」 でも1列違いで 「前過ぎる」 「後ろ過ぎる」 ということになる。 実際、私は 「中」 と答えて指定してもらったが、座席に座ってみるともう1列くらい後ろのほうが良かったと思ったし、同じ列で私の左手にいた親子連れは逆に、「もう少し前の方が良かったね」 と言い合っていた。 この座席指定制度は新潟ではTジョイもやっているが、はっきり言って、やめてほしい。 映画館の座席は客に勝手に選ばせる方がはるかによいのだから。

9.「スーパーサイズ・ミー」 2/1、WMC新潟。 評価★★★☆ モーガン・スパーロック監督作品。 マクドナルドのテイクアウト食品を1ヶ月間、毎日3食に食べ続けたらどうなるか、監督自らが実験台となってためしてみた、というドキュメンタリー映画。 まず、マクドナルドを1ヶ月間毎日3回食べ続けるという根性に驚嘆する。 と同時に、ファストフードが食品としてどれほど危険で、アメリカ人を肥満や短命に追いやっているか、どれほど巧みなTVコマーシャルや各種の戦略で子供たちに食い込んでいるか、学校の食堂にまでファストフードが入り込んでいる現状、ファストフードの宣伝費と比べると健康のための宣伝費がどれほど少ないか・・・・・などなど、大衆化社会の多方面に及ぶ問題点が取り上げられていて、下手なフィクションの映画を見るよりよほど面白い。 ちなみに実験台となった監督は、1カ月後に体重が激増し、その他の各種測定値も医師からストップがかかるほど危険な状態に陥ったとか。 みなさん、ファストフードをくれぐれも食べ過ぎないように。

8.「レイクサイド・マーダーケース」 1/31、UCI新潟。 評価★★★ 青山真治監督作品。 原作は東野圭吾 (私は未読)。 名門私立中学のお受験を目指して、塾の講師と3組の夫婦、そして受験する子供3人が湖畔の別荘 (集まった中にいる医師夫妻が所有しているもの) に滞在している。 そこに滞在者の一人であるアートディレクター(役所広司) の愛人 (真野裕子) が訪ねてきた。 やがて彼女は殺され、アートディレクターの妻 (薬師丸ひろ子) が犯人だと名乗り出るのだが・・・・・。 推理ものだが、謎解きよりも、作品全体の雰囲気を楽しむべき映画だろう。 青山監督は、「理由」 (↓3を参照) の大林監督とは逆に、登場人物たちの背負った社会的背景をあまり前面に押し出さずに、むしろ湖畔の別荘を包み込む静かで不気味な雰囲気のようなものを浮かび上がらせていて、これはこれで一つの行き方であろうと納得した。 殺される役の真野裕子がたいへん美しい。 

7.「パッチギ!」 1/31、UCI新潟。 評価★★☆ 1968年の京都を舞台に、朝鮮高校生と日本の高校生の抗争、そして日本人の男の子と在日の女の子の恋を描いている。 全体としてケンカのシーンが多く、まあ一種の 『ビ・バップ・ハイスクール』 だと思えばいいようなものだが、青春映画としての出来から言うと、イマイチという感がある。 68年の風俗はていねいに再現されているが、当時を懐かしむ人がどのくらいいるのかなあ。 また、在日を扱った作品だからやむを得ないかも知れないが、作品全体の雰囲気からはみ出した政治的な説明が2箇所ほどあり、井筒和幸監督の見識が問われかねない。 まあ、どう作ってもこの種のシーンにはクレームが付きそうな気がするけれど。

6.「ネバーランド」 1/28、Tジョイ新潟万代。 評価★★☆ 『ピーターパン』 を作った英国作家ジョン・バリー (ジョニー・デップ) がこの作品を構想し完成させるに至った事情を、実話とフィクションを交えて描いている。 子供のない作家が妻から離れて、4人の男の子持ちの未亡人と付き合ううちに作品を構想する、という筋書きだが、『ピーターパン』 という作品に思い入れのない私にはあまり説得的な設定とは思えなかった。 むしろ、バリーと価値観の相容れない妻や、未亡人の母のほうが、リアリティを持って描かれているような印象がある。 芸術と社会の相克も、必ずしもうまく捉えられていない。 『ピーターパン』 が好きな人か、デップ・ファンならば見ても損はないかもしれないが。

5.「ピエロの赤い鼻」 1/22、シネ・ウインド。 評価★★★ フランス映画。 週末になるとピエロになって町の人々を笑わせる父親が気に入らぬ少年。 しかし父がそうするには理由があるのだと、父の旧友がわけを話してきかせる。 それはナチに占領された第二次大戦下のフランスでの出来事であった。 若かった父とその旧友はレジスタンスに走ってドイツ軍の建物を爆破するが、捕まってしまい、あわや処刑されそうになる。 その時、彼らを慰めたのが、パリで修業を積んだという一人のドイツ兵士の道化ぶりであった・・・・・。 話の起承転結はちゃんとしているし、まあまあ退屈せずに見られるのだが、何となく筋の展開に甘さがあって、子供向けかなあ、という印象が残る映画である。 

4.「東京タワー」 1/21、Tジョイ新潟万代。 評価★★★ 美しい中年の人妻 (黒木瞳) が20歳も年下の大学生 (岡田准一) とフリンをする話。 並行して、家庭の主婦 (寺島しのぶ) がやはり年下の大学生 (松本潤) とフリンする話が展開する。 前者のカップルはファッショナブルであまり現実感がない (そういう風に意図的に描いている) のに対し、後者は、寺島しのぶがブスで生活感が出ているので、何となくリアリティが出ている。 まあ、しかし、一種のおとぎ話として、エンターテインメントの範囲内の映画に留まっているし、そういう見方をすべき作品であろう。

3.「理由」 1/17、UCI新潟。 評価★★★★ 宮部みゆきの原作小説 (私は未読) の映画化。 大林宣彦監督作品。 ミステリーだが、ドキュメンタリー的な手法が用いられ、事件に何らかの関わりを持った人々(総数は100人以上に及ぶ)へのインタビューによって作品が形作られていく。 ジグゾーパズルを組み立てるようにして次第に事件の全貌が明らかになっていくのだが、単なる謎解きに終わることなく、時代背景や人々の家庭環境、おかれた社会状況などが多様性をもって浮かび上がってきて、また肝腎の犯人の動機については偉大なる空白とでも言いたくなるような、明かされずに終わるところもあって、しかもそれが結構説得的にできあがっていて、かなり水準の高い作品になりおおせていると思う。 大林組の俳優たちがたくさん登場するのも、悪くない。

2.「山猫」 1/8、シネ・ウインド。 評価★★★★☆ ヴィスコンティによる有名な映画だが、イタリア語完全版としてフィルムの修復もなされて全国公開されている。 東京では昨年末に上映されたが、新潟では若干遅れての公開となった。 私は約20年前に見たきりで、今回改めて鑑賞してみて、ほとんどのシーンは覚えていなかったかれど、ゴージャスな舞台と悠長迫らざる登場人物の動きを堪能することができ、3時間強という上映時間が全然長く感じられなかった。 90分が異常に長く感じられた下記の 「インストール」 とは正反対。 バート・ランカスター演ずる公爵の風格、クラウディア・カルディナーレ演ずる新興ブルジョワ娘の美しさと品の無さも見事だが、今回、公爵の娘でカルディナーレに男を奪われる役のルチッラ・モルラッキがなかなかの美人で、上品だが生きる意思の弱い貴族令嬢をうまく演じているなと感心した。 なおこの映画、貴族の没落の物語として捉えられることが多いが、パンフレットでイタリア文学者・竹山博英氏の解説を読むと、シチリアという土地の持つ複雑な歴史と内部事情が分かり、タンクレディ (アラン・ドロン) の身の処し方の背景なども納得がいき、映像だけではよく分からない登場人物の動き方と物語の複雑さが理解できる。 

1.「インストール」 1/3、UCI新潟。 評価★ 昨年芥川賞をとって話題の若い女流作家・綿矢りさによる原作の映画化。 私は原作は未読だが、芥川賞をとった 『蹴りたい背中』 を読んだ限りでは、この作家は映像化するのには難しい感覚を持っているという印象であった。 で、この映画だが、これがあっと驚く愚作なのである。 全然面白くもおかしくもなく、退屈そのもので、私は前半途中で眠ってしまったし、眠りから覚めてもまだ終わっておらず、後半にも何の感興も湧かなかった。 今年最初の映画がこんな駄作だとは、先が思いやられる。

 

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