2004年度の私の授業

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 私の授業は、全学共通科目 (教養科目) だけでなく、人文学部向けの授業もあらゆる学部の学生に開かれています。 授業内容に興味のある学生は所属学部に関係なく歓迎しますので、どうぞ取りに来て下さい。 

 ただし 「同時限の自学部授業を取り損ねたので」 というような学生はお断りしておりますので、やる気を示すために1回目の授業から来ることを条件としています。

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第T期(4月〜9月)

(1)全学共通科目 (旧称: 教養科目)

@ドイツ語 (火2・木2: 医学部1年次向け)

 週2回の授業でドイツ語を習得していく授業です。 対象は医学部学生。

 半年で2〜3回(予定)の試験と平常点で評価を決定します。 平常点は、出席はもちろんですが、毎回出す宿題をちゃんとやってあるかどうかが大きなポイントとなります。

 使用テクスト: 古賀允洋 『初級文法読本・読んで書くドイツ語』(第三書房)1900円、 『ドイツ語演習20課・第二集』(同学社)680円

 なお、辞書は授業で説明するまで買わないで下さい。

 

A人文総合演習 (木4: 人文学部1年、およびその他向け)

 大学では専門的な学習と並んで教養を付けることが大事。 教養とは幅広い知識とそれに支えられた判断力のこと。 これがあってこそ専門も生きるのです。

 この演習では、新書を5冊読んで教養の基礎を涵養します。 テーマは、教育改革問題、心理学への疑問、留学することの意味、文学に見られる男女関係の諸相、そして最後は 「教養」 とは何か、です。

 成績は、平常点と課題 (2回の予定) で決定。   平常点は、レポーターとしての有能さ、発言の頻度と内容によりますから、単に出席しているだけでは評価されません。

〈使用テクスト〉

 苅谷剛彦 『教育改革の幻想』(ちくま新書)、 小沢牧子 『 「心の専門家」 はいらない』(洋泉社新書)、 中島義道 『ウィーン愛憎』(中公新書)、 鹿島茂 『悪女入門――ファム・ファタル恋愛論』(講談社現代新書)、 竹内洋 『教養主義の没落』(中公新書)

 

B西洋文学 L I (水1: 全学部全学年向け)

  ドイツ文学に表れた女性像をさぐります。 といっても、最近流行のフェミニズムではなく、文学とは半分は男女関係のお話なのだという当たり前の(?)視点から、一見硬そうに見えるドイツの小説やドラマの中に表れた女たちの姿に焦点を当て、その形姿と行動について考えることでドイツ文学に親しんでもらおうというものです。 レッシング、ゲーテ、シラー、クライスト、ヘッベルなど、18世紀から19世紀にかけての古典的な作家たちを取り上げます。

 テクストはすべてプリントして配布します。

 参考書: 三浦淳 『〈女〉で読むドイツ文学』(新潟日報事業社) ¥1000

 出席はとりませんが、授業中の私語2回で聴講取り消しとします。 ドイツ語を履修している必要はありません。

 成績評価は、レポートによります。 レポートでは授業で学んだことを提示すると同時に、自分独自の意見を示すことが求められます。

 

(2)人文学部向け

C文化コミュニケーション論基礎演習 I (2年次向け: 金3)

 テーマ: 「歴史観の相克」

 最近、歴史教科書の記述を初めとして、歴史をどう見るかという問題がクローズアップされています。 しかしこれは近年に始まったことではありません。 未来への構想を語ろうとするとき、現在と過去をどう捉えるかが出発点となる以上、歴史観は歴史家だけの専有物ではなく、ひろく政治家や知識人に共有された問題なのです。 この演習では歴史観をめぐって昭和30年代に起こった知識人たちの論争を調査・講読した上で、広く歴史観一般を概観します。

 ここではまず、昭和30年に岩波新書から出た 『昭和史』 をめぐって、歴史学者と歴史の専門家ではない知識人との間に勃発した歴史観論争を、西洋史家・堀米庸三の本を道案内に用いながら見ていきます。 それから、最近出た本を読みながら 「反歴史主義」 について勉強していきます。 なお、論争にからむ文献を自分で探すなど、文献調査能力を涵養することも本演習の目的です。

 テクスト: 遠山茂樹ほか 『昭和史』(岩波新書、昭和30年の初版ならびに昭和34年の新版)、 堀米庸三 『歴史と人間』(NHK出版)、 宇野邦一『反歴史論』(せりか書房)など。 テクストはすべてプリント。

参考書: 岡崎勝世 『世界史とヨーロッパ――ヘロドトスからウォーラーステインまで』(講談社現代新書)、 このほか授業中に指示します。

 

D文化コミュニケーション特殊研究 III (2年次以上向け: 火3)

 初級ドイツ語の知識をふまえて、ドイツ語の文章を読む訓練をします。

 カントもヘーゲルもマルクスもニーチェもマックス・ウェーバーもベンヤミンもアドルノもドイツ語で考え、ドイツ語で本を著しました。 ゲーテやヘッセやカフカやトーマス・マンやケストナーといった作家は言うまでもありません。 シューベルトの歌曲やヴァーグナーの楽劇は、ドイツ語の語学力があれば一層深く理解できるようになります。 多様な文化遺産を自分のものにするためにも、ドイツ語の読解力は重要なのです。

 最初はやさしい童話を読んで肩慣らしをします。 後半は、ドイツの雑誌記事などをプリントで読む予定です。

 成績は出席と授業での訳読の出来具合いで決定します。

 使用テクスト: フラーケ『終わりよければすべてよし』(郁文堂)

 

(3)大学院現代社会文化研究科・前期課程向け

Eディスクール論 (月3もしくは月2)

 「読書」 をテーマとします。 現在なら学問や教養の基礎はまず本を読むことから、というのは当たり前になっていますが、「読書」 にしても歴史的に形成されてきたもので、出版やメディアの発達・変化と無縁ではありません。 ここでは日本、フランス、ドイツの 「読書」 や 「読書人の形成・没落」 について、文献を読みながら考えていきます。

 使用テクスト: 前田愛 『近代読者の成立』(岩波書店)、宮下志朗 『読書の首都パリ』(みすず書房)、リンガー 『読書人の没落』(名大出版会)

 評価: 平常点 (授業中の発言回数とその内容)、および最終レポートによる。

 

 

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第U期(10月〜3月)

(1)全学共通科目 (旧称: 教養科目)

@ドイツ語 (火2・木2: 医学部1年次向け)

 第T期@の授業の続きです。

 

A西洋文学 L II (水1: 全学部全学年向け)

 20世紀前半に活躍したドイツの作家ハインリヒ・マンの初期短篇集を読んで、そこに表れた女性像を分析しつつ、同時にヨーロッパ19世紀末の芸術・思想の動向を紹介し、現代日本においてそれらがどういう意味を持ち得るのかを考えていきます。

 使用テクスト: 『ハインリヒ・マン短篇集初期篇』(松籟社)¥2800 

 参考書: 三浦淳 『〈女〉で読むドイツ文学』(新潟日報事業社)

 注意: 出席はとりませんが、授業中の私語2回で聴講許可取消とします。 ドイツ語を履修している必要はありません。

 評価: レポートによります。 レポートでは単に授業で聴いた内容を再現するにとどまらず、自分なりに調べたり考察したりした事柄を書くことが大事です。

 

(2)人文学部向け

B芸術コミュニケーション基礎論 (木4: 2年次以上向け)

 テーマ: 音楽と評論

 クラシック音楽と日本の唱歌が評論でどう扱われているかを勉強し、音響芸術と文字テクストという異分野間の交流と関連性を考えると同時に、クラシック音楽と日本の唱歌の基礎知識を修得することを目標にします。

 授業では、音楽を論じたテクストを読みながら、取り上げられている音楽、関連する音楽を聴いていきます。 

 クラシック音楽や日本の唱歌に興味を持つ人を歓迎します。 もちろん、知識はないけどこれから勉強していきたいという意欲を持った人も含めてです。

 評価はレポート2回と出席によります。 欠席の多い人にはレポート提出資格を認めません。 授業中の私語は減点の対象とします。

〈使用テクスト〉 吉田秀和『私の好きな曲』、 尾崎喜八『音楽への愛と感謝』、 アドルノ『音楽社会学序説』、 金田一春彦『童謡・唱歌の世界』 : すべてプリントにより配布します。

 

Cテクスト批評論 I (月3: 3年次以上向け)

 差別語問題を取り上げます。 何の気なしに使った言葉が 「差別語だ」 と言われることがあります。 また、マスコミには用語規制があり、使えない言葉がリストアップされています。 どういう経緯で用語規制がなされるようになったのか、その歴史をたどると共に、差別語とは何なのか、そしてそもそも 「差別」 とは何なのかを考えていきます。

 評価は出席とレポート (2回を予定) で決定。

 テクストはすべてプリントして配布します。 『「差別用語」』(汐文社)、 ジョナサン・ローチ 『表現の自由を脅すもの』(角川書店)、 その他。

 

D文化コミュニケーション論演習 (火3: 3年次以上向け)

 テーマ: 「学歴 ・ 試験 ・ 立身出世」

 人間の平等を建前とする近代社会では、家柄や出身階級によって出世することは表向き不可能です。 では何によって人材を選別するのか――学歴や試験によってです。 この演習では、日本および外国で学歴や試験がどのような機能を果たしてきたかを勉強していきます。

 とりあえずのテクストは、竹内洋 『立身出世主義』(NHK出版) と天野郁夫 『試験の社会史』(東大出版会) です。 このほか2、3冊を読む予定。

 評価は、平常点と最終レポートにより決定します。

 

 

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