日頃、物を買うときに思うのだが、商品を割り引くのにサーヴィス券を出すなら、すぐ使える金券にして欲しい。
どういうことかというと、千円買えばスタンプを1個押すからスタンプが20個たまったらいくら割り引くとか、総計5万円買えばCD1枚無料とか、ああいうのはやめて欲しいということなのである。
CDについて例を挙げよう。石丸電気は、国内盤を買うと1割分の金券をくれる。次回に石丸電気で物を買うときにすぐ使える。たとえそれが定価1500円の廉価盤だとしても、150円分の金券をくれる。割引はこうあってもらいたいのである。
これに対してHMVやタワーレコード、そして新潟だけの店としては「クラシックのモーツァルト」は、そういう割引をしていない。HMVとタワーレコードはポイントカードをくれるが、タワーレコードは最低でも2万円、HMVにいたっては5万円買わないと、金券代わりに使えない。「クラシックのモーツァルト」も2000円でスタンプ1個であり、それが10個たまらないと金券代わりに使えない。
おまけにHMVとタワーレコードは最初にポイントカードを発行してから1年間しか有効ではない。クラシックのモーツァルトも2年間である。要するに、割引制度が店の側に都合よくできていて、客のことをさっぱり考えていないのである。使用期限は石丸電気の金券にもあるが、HMVやタワーレコードみたいに1年間なんてバカな短期間ではないし、石丸電気の金券は額に関係なくすぐ使えるわけだから、はるかに客のことを考えていると言えるのである。
新潟にはない店でいうと、東京の山野楽器もHMVなどと同じシステムである。だから私は山野楽器でCDを買っても、ポイントカードはもらわないことにしている。たまに東京出張するだけの人間にとっては、金券代わりに使えるくらいのポイントが制限期間内にたまるわけがないからだ。
秋葉原の石丸電気は次回からすぐ使える金券をくれるから、これなら出張で今度上京したときに利用しようという気になる。だから私は東京出張のついでにCDを探す場合は、石丸電気にまず行くことにしている。
同様のことは古本屋についても言える。
全国展開しているBOOKOFFは、千円買うごとに50円分の金券をくれる。次回にすぐ使えるものである。
新潟の地元の店でも、小針駅近くのサンブックスは、やはり千円ごとに50円の金券をくれる。またこの金券は長岡の古本屋でも使える。
これに対して、店名は挙げないが、新潟市内では「クラシックのモーツアルト」と同形式のポイントカードを出すところが何軒かある。こういうのはやめて欲しい。
私がこういうことを言うのは、単に金券の方が使いやすく利用者にとっては実質的に得になるからばかりではない。
金券だって同じだというだろうか? だが金券は使用店舗が限定されていることをのぞけば、オカネと同じなのである。この点でまずポイントカードとは所有者に与える価値感そのものが異なっている。また、金券は次回に同じ店に行ってすぐ使えば、たまることはない。だからさほど札入れの負担にはならないのだ。
これに対して一定のポイント数がたまらないと使えないポイントカードは邪魔になるばかりか、多数の店で出されるとどれがどれなのか分からなくなり、面倒くさくなってしまうのである。
店の経営者は、そういう消費者心理を考慮に入れて、サーヴィス券を出すなら使いやすい形式のものにして欲しい。店の都合だけが優先した割引制度はまっぴらである。
(2000年3月20日掲載)
以上の文章に対するご意見は、「論争のページ」表紙の投稿規定をお読みの上、お寄せ下さい。 →「論争のページ」表紙へ
投稿規定を読んで、投稿したい方はこちらへ。 →投稿する