2009年度の私の授業

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 私の授業は、Gコード科目 (全学共通科目) だけでなく、人文学部向けの授業もあらゆる学部の学生に開かれています。 授業内容に興味のある学生は所属学部に関係なく歓迎しますので、どうぞ取りに来て下さい。 

 ただし 「同時限の自学部授業を取り損ねたので」 というような学生はお断りしておりますので、やる気を示すために1回目の授業から来ることを条件としています。

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第T期(4月〜9月)

(1)Gコード科目 (全学共通科目)

@西洋文学 L I (水1: 全学部全学年向け)

 ドイツの文学作品を読みながら、ドイツやヨーロッパの文化と社会、文学作品の構造と読み方、19世紀末の思潮、文学と美術の関係、現代日本との接点など、さまざまな問題を考えていきます。
 本講義では、19世紀末から20世紀前半にかけて活動した作家ハインリヒ・マンの短篇小説を取り上げます。

 【授業の予定】

  1.ハインリヒ・マンについて
  2.−4.『奇蹟』を読む
  5.−7.『宝石』を読む
  8.−10.『思い出』を読む
  11.−14.『寄る辺なし』を読む
  15.まとめ

 【教科書】 『ハインリヒ・マン短篇集第1巻』(松籟社)¥2800+税

 【注意】 出席はとりませんが、授業中の私語2回で聴講許可取消とします。 ドイツ語を履修している必要はありません。

 【聴講許可について】 聴講希望者数が定員を上回っている場合は抽選をしますが、抽選の仕方については最初の授業で説明しますので、遅れずに教室に来て下さい。 この説明を聞かない場合は不利になることがあります。

 【成績評価】 レポート2回によります。 レポートでは授業で学んだことを提示すると同時に、自分独自の意見を示すことが求められます。 また、引用であることを明示しないで書物やサイトの文章をそのまま写した場合は盗作と見なして最終評価を0点とします。 レポートの書き方についてはプリントを配布しますので、必ず受け取って下さい。 このプリントを読まないと成績評価を受けるに際して不利になることがあります。

 

(2)人文学部向け

A文化コミュニケーション論基礎演習 A (2年次向け: 金2)

 「SF」 をテーマとします。 現在ではマンガ・アニメ・実写映画など幅広いジャンルに浸透しているSFですが、もともとは小説として書かれ読まれていました。 ここでは、まず有名なH・G・ウェルズの 『タイム・マシン』(19世紀末に発表) を初めとする短編小説を読んで昔のこのジャンルがどういう形態・叙述をとっていたのかを知り、ついで包括的にSFというジャンルを解説した本を読みながら知識の幅を広げていきます。

 授業では、あらかじめ決められた分量についてまずレポーターが要約と問題提起を行い、それを受けて全員で議論します。 したがって、受講者は全員が毎回決められた分量をあらかじめ読んでくる必要があります。

 使用テクスト: ウエルズ 『タイム・マシン他九篇』(岩波文庫)、 笠井潔 『SFとは何か』(NHKブックス)、ほか。

 評価は、出席、授業中の発言の頻度と内容、レポーターとしての有能さ、最終レポートにより決定。 

B文化コミュニケーション論演習 (3年次以上向け: 火2)

 「アメリカを知る」 をテーマとします。

 世界一の超大国として世界中に影響を与え続けているアメリカ合衆国。 その文化的特質や宗教性、社会構造などを理解することは、今後の日本や世界情勢を予想するためにも重要です。 授業では多方面からこの国を見ていきます。

 授業では、あらかじめ決められた分量のテクストを全員が読んでくる必要があります。 最初にレポーターから内容要約と問題提起をしてもらい、全員で議論します。 なお、下記の3冊を読んだ後は、アメリカのこういう方面についての本を読みたいという学生のリクエストも受け付けます。

 成績評価の基準: 授業での発言回数と内容、レポーターとしての有能さ、および最終レポート。

 使用テクスト: 堤未果 『ルポ貧困大国アメリカ』(岩波新書)、能登路雅子 『ディズニーランドという聖地』(岩波新書)、三宅昭良 『アメリカン・ファシズム』(講談社)、ほか

 評価は、出席、授業中の発言の頻度と内容、レポーターとしての有能さ、最終レポートにより決定。

Cテクスト文化論B (3年次以上向け: 火4)

  批評家とか評論家と呼ばれる職業の人がいます。 小説のようなフィクションを書くのではなく、といって学者のように専門的な研究をするわけでもなく、社会や人間についてさまざまな視点から考察を展開し、われわれのものの考え方に少なからぬ影響を与える人たちです。 この授業では、過去現在の著名な批評家・評論家の文章を読み、高校までの学校で教わってきた、そして場合によっては今現在大学で教わっている知識や常識をあらためて考え直すきっかけを作りたいと思います。

 使用テクスト: 小林秀雄、福田恆存、林達夫、その他を予定。 テクストはすべてプリントして配布します。

 評価は、出席と2回のレポートによります。 私語は減点の対象となります。

 他学部生は、第1回目の授業に出席した者に限り聴講を許可します。

 

(3)大学院現代社会文化研究科・前期課程向け

Dディスクール論特論 (月5)

 ベネディクト・アンダーソンの 『想像の共同体』 を精読します。

 国民国家やナショナリズムが歴史の最初から存在するのではなく、ある時点で人工的に形成されたものであることを解き明かした名著で、歴史・文化・文学・社会について勉強しようとする人にとっては必読書と言えるでしょう。 さほど大部の本ではありませんので、読了後は同系統の名著である 『創られた伝統』 を読む予定です。 これまた 「伝統」 が古来のものではなく、しばしば近代になってから新しく作り出されたものであることを解明しています。

 授業では、毎回、使用テキストからレポーターが要約・問題提起を行い、それをもとに全員で議論します。

 評価は、授業での発言回数と内容、レポーターとしての仕事ぶり、最終レポートにより決定。

 なお、この授業を取りたいけれど曜限に不都合があるという学生がいれば、相談に応じます。

Eディスクール論演習 (木5) 

 ハナ・アーレントの大著 『全体主義の起原』 を精読します。

 20世紀の歴史を最も鮮明にいろどるのは、全体主義国家の成立です。 すなわちファシズムと共産主義による国家であり、またこの二大潮流に塗りつぶされずとも、大衆社会の成立は反ユダヤ主義など極端なイデオロギーが社会の末端まで浸透することを可能にしました。 歴史を専攻する人だけではなく、文化や社会について勉強する人にとっても必読の文献です。 なお、全体は 「反ユダヤ主義」 「帝国主義」 「全体主義」 の3部から成りますが、分量が多く半年で読了できない恐れがあるため、まず 「帝国主義」 と 「全体主義」 を読了することを目標とします。

 授業では、毎回、使用テキストからレポーターが要約・問題提起を行い、それをもとに全員で議論します。

 評価は、授業での発言回数と内容、レポーターとしての仕事ぶり、最終レポートにより決定。

 なお、この授業を取りたいけれど曜限に不都合があるという学生がいれば、相談に応じます。

 

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第U期(10月〜3月)

(1)Gコード科目 (全学共通科目)

@西洋文学 L II (水1: 全学部全学年向け)

 ドイツの文学作品を読みながら,ドイツやヨーロッパの文化,文学作品の構造と読み方,現代日本との接点など,さまざまな問題を考えていきます。
 本講義では、20世紀前半を代表する作家トーマス・マンの代表的な作品2編を読みながら、ドイツおよび広くヨーロッパ一般の文学や芸術への理解を深めることを目標とします。

 【注意】 出席はとりませんが,授業中の私語2回で聴講許可取消とします。 ドイツ語を履修している必要はありません。 

 【教科書】 トーマス・マン『トニオ・クレーゲル ヴェニスに死す』(新潮文庫)

 【聴講許可について】 聴講希望者数が定員を上回っている場合は抽選をしますが、抽選の仕方については最初の授業で説明しますので、遅れずに教室に来て下さい。 この説明を聞かない場合は不利になることがあります。

 【成績評価】 レポート2回によります。 レポートでは授業で学んだことを提示すると同時に、自分独自の意見を示すことが求められます。 また、引用であることを明示しないで書物やサイトの文章をそのまま写した場合は盗作と見なして最終評価を0点とします。 レポートの書き方についてはプリントを配布しますので、必ず受け取って下さい。 このプリントを読まないと成績評価を受けるに際して不利になることがあります。 

A文学読解演習 (月2: 人文学部以外を優先、学年不問、受講希望者が定員に満たない時は人文学部生も受け入れます)

 日本と外国とを問わず、有名文学作品を少人数 (定員15名) の演習形式で読んでいく授業です。 文学的素養を身につけるとともに、文学の読解力、そして自分がどう読んだかを文章化する能力を涵養します。

 使用テクストに挙げた作品を、2〜5回程度かけて全員で読んでいきます。

 授業では、あらかじめ決められた分量についてまずレポーターが要約と問題提起を行い、それを受けて全員で議論します。 したがって、受講者は全員が毎回決められた分量をあらかじめ読んでくる必要があります。

 評価は、平常点80%、最終レポート20%で決定。 平常点は、発言回数と内容、レポーターとしての有能さによります。

 使用テクスト: シェイクスピア 『ロミオとジュリエット』、夏目漱石 『草枕』、バルザック 『谷間の百合』、三島由紀夫 『絹と明察』、(以上、いずれも新潮文庫) 

B人文総合演習B (木4: 1年次向け)

 「国際社会を知る」 をテーマに、新書を5冊読みます。 大学生になったら、広く海外に目を向けて外国の多様で複雑な様相を知っておくことが大切。 そのとっかかりをこの演習で作りましょう。 また、一般人向けに新鮮な知識を与えてくれる新書本を読む習慣をつけることも本演習の目的です。

 テクストは以下のとおり。

 ・岡崎玲子 『レイコ@チョート校』(集英社新書) 日本人の玲子さんは或る事情からアメリカの名門高校で学ぶことに。 アメリカの若きエリートたちの素顔と勉学に励む姿勢はいかに?

 ・加藤徹 『貝と羊の中国人』(新潮新書) お隣の中国は日本と同じ漢字文化圏だけれど、似ているようで異なるところがたくさんあります。 それを知るために。

 ・堀内都喜子 『フィンランド豊かさのメソッド』(集英社新書) 北欧のフィンランドってどんなところ? 人口わずか数百万人のこの国の意外な現状とは?

 ・松本仁一 『アフリカ・レポート――壊れる国、生きる人々』(岩波新書) 1960年前後に相次いで植民地状態から独立へと至ったアフリカの国々。 しかしその後の歩みは必ずしも順調ではありませんでした。

 ・残る1冊は未定としておき、本シラバス発表から授業開始までの間に出た新書の中から選びます。 学生諸君からのリクエストも受け付けます。

 【授業の進め方】 授業では毎回レポーターを決め、テクストの決められた分量について内容要約と問題提起をしてもらい、そのうえで全員で議論します。 したがって学生は全員決められた分量を読んでこなくてはなりません。

 【成績評価】 授業での発言回数と内容、レポーターとしての有能さ、および2回のレポートにより決定。

(2)人文学部向け

C人文超域科目B (水3: 3年次以上向け、他学部生も受け入れ)

 「現代文化における映像の所在」 というテーマで、石田美紀先生、佐々木充先生、猪俣賢司先生と分担して担当。 

 私は、「三島由紀夫と映画」 というテーマで、第1セッションを担当。 三島由紀夫が映画というジャンルをどう見ていたか、映画化された三島作品、三島自身が出演している映画など、三島由紀夫と映画の関係を多角的に追求します。

Dテクスト文化基礎論 (金2: 2年次以上向け)

 クラシック音楽の評論について勉強します。 音楽を文章で論じるにあたっての創意工夫を追いながら、文字テクストによって非文字芸術をいかにとらえていくかを学んでいきます。 また、クラシック音楽の基礎知識をも身につけることも目標で、テクストに登場する曲、関連する曲をCDで聴いていきます。

 人文学部以外の学生は、第1回目の授業に出た者のみ聴講を許可します。

 授業中の私語は減点の対象となります。

 成績評価は、出席、および2回のレポートによる。

 テクスト: 吉田秀和、ほか。 テクストはすべてプリントして配布。

E文化コミュニケーション論演習  (火2: 3年次以上向け)

 貴族について勉強します。 民主主義の世の中では 「だれもが平等」 が建前のはずですが、英国には貴族制度が厳然として存在し、日本でも皇族は普通の国民とは違う扱いを受け、戦前は華族制度がありました。 また王室制度は今なお世界各地で存続しています。

 ここではヨーロッパと日本の貴族制度を勉強し、平等原理だけでは片づかない人間の本質に迫ってみたいと思います。

 ヨーロッパと日本の貴族制度に関する知識を得、貴族や身分といったものが近現代社会の中でどのような役割を果たし得るのかを勉強することにより、平等原理だけでは片づかない社会や人間の本質を自分なりに洞察する力を涵養することを目標とします。

 授業では、まずレポーターがテクストについて内容要約と問題提起を行い、それを受けて全員で議論します。 出席者全員があらかじめ決められた分量を読んでくる必要があります。

 教科書: 小林章夫 『イギリス貴族』(講談社現代新書)、小田部雄次 『華族』(中公新書)、ほか

 評価は、出席、授業中の発言の頻度と内容、レポーターとしての有能さ、最終レポートにより決定。

 

(3)大学院現代社会文化研究科・後期課程向け

 F比較思想論 (木2)

 第一次大戦期からヴァイマル共和国期にかけてのドイツ知識人に関するドイツ語文献を精読します。 なお、邦訳のない文献の原書講読ですので、最低でも独検3級、できれば2級を取得していることが望ましい。

 

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